【東京インタラクティブ・アド・アワードレポート】 キャンペーンサイト部門

2010.05.25

こんにちは、内藤です。

先日のブログ記事と同様、今回も東京インタラクティブ・アド・アワードの各部門のレポートをしたいと思います。今回はウェブサイト部門/キャンペーンサイトです。

キャンペーンサイト部門では、応募総数71作品のうち、金賞1作品、銀賞2作品、銅賞2作品、入賞4作品という結果になっています。金賞は、先日One Show Interactive 2010でも見事金賞に輝いた UNIQLO CALENDAR でした。この作品は、今後公開予定のOne Show Interactive 2010 についてのブログ記事でレポートするので、キャンペーン部門からは他2作品をご紹介しようと思います。今回はその1つです。

◆『未来を選ぼう2009・未来のためのQ&A』 グーグル株式会社

『未来を選ぼう2009・未来のためのQ&A』は2009年夏に行われた衆院選で、「政治家をめざす人と日本で暮らす人々との対話をインターネットを通じて実現する」ことを目的にグーグル株式会社が実施したプロジェクトです。伊藤直樹氏の所属するWieden+Kennedy Tokyo指揮のもと、グーグル株式会社をはじめ、COLONY+INTERACTIVE INC.株式会社 ドアーズが制作に参加しています。

このプロジェクトは、有権者が立候補者に本当に聞いてみたい質問をし、Googleモデレーターというプロダクトを通じて投稿、投票できるようになっています。そして人気のあった質問の中から5つ、候補者がYoutubeビデオを使って回答しています。回答ビデオはそれぞれの選挙区の様々な情報とともに閲覧できるコンテンツとなりました。(参照:『未来を選ぼう2009・未来のためのQ&A』TIAA)


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日本の政治の歴史が大きく変わった2009年夏の衆院選は、投票前から民主党による政権交代が噂され、マスメディアにより大きく報道され、ここ数年で一番注目された選挙だったと言えます。
盛り上がり要因の一つとして、有権者が議論を活発に交わすことのできるメディアプラットフォームの存在も挙げられると思います。選挙におけるメディアは主にテレビなどのマスメディアが多く、有権者の多くは立候補者の発信する情報をただ受け取るだけでした。しかしながら、インターネットにおけるソーシャルメディアの発展が、ただ情報を受信するだけだった有権者に発言をし、議論をする機会を与え、政治におけるメディアがより民主的なものになってきたと言えるでしょう。

そして、今回のグーグルのプロジェクトはさらに一歩踏み込んだものになっています。今まで、インターネットは有権者同士での質問や議論を交わすことを活発にできても、インターネットを活用した選挙のあり方の観点から、それに立候補者を巻き込むことは難しいと考えられていました。もし何らかのカタチで立候補者とコミュニケーションがとれたとしても、それは極めて個人的なレベルでしかありませんでした。しかしながら今回のプロジェクトは、本来ならコミュニケーションをとることが難しい相手との対話を多くの人を巻き込んだカタチで実現することに成功しました。その成功要因として、グーグルのすばらしいアイディアもさることながら、ソーシャルメディアの影響力が社会的に認められてきたと言えることができるでしょう。

有権者の意見をメディアに反映させることのできるインタラクティブ、本来なら対話をすることのない者達をつなぐインタラクティブ、いろいろなインタラクティブのカタチがこの作品から読み取ることができます。

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