「ワン西を探せ!AR」たまにはマジメなお話(開発秘話)

2012.11.20

「ワン西を探せ!AR」ポストカードこんにちは、SINAP大川です。
こちらのブログで随時ご報告しておりましたSINAP SUMMER 2012、開発途中にiPhone5が発売され、iOSがアップデートし、アプリ申請に予想以上時間がかかるなど、幾多の困難がありましたが...なんとかリリースとなりました。
関係各社の方々、パートナーのみなさまにお送りましたご案内のポストカードもお手元にとどいているかと思います。

正直「アプリをダウンロードして...」というのは面倒ですし、これまでの経験上からも、それほど使ってもらえるものではないとはわかっているのですが、私たちにとっての技術検証やチャレンジの機会、プレゼンテーションの機会も兼ねて作成してみました。早速試していただいた方や「コレってこんなことに使えないかな!?」という相談もいただいていたり、評判はまずまずのようで、今はホッとしています。ありがとうございます。

「ワン西を探せ!AR」画面
さて、今回の企画はその名もズバリ「ワン西を探せ!AR」です!
AR技術を用いて位置情報に紐づいた様々な場所で様々コスチュームに扮した「ワン西社長」が登場するという仕掛けになっています。

ここだけの話ですが、当初は夏の企画でしたので「怪談/ホラー」や「浴衣美女&美男子」などを企画していました。
プランニングの中で一番盛り上がったのは「怪談/ホラー」で、ARを用いた心霊写真のようなものが撮れるものはどうかというものでした。ただ、ホラーという内容、クライアントの皆様に送るには若干不謹慎かな!?という話と、一方で「浴衣美女&美男子」はいくつか候補のメディアとのコラボレーションができそうだということで、この企画をベースに動いていました。
山手線各駅周辺など主要スポットに、それぞれ人物を配し、発見するとそれぞれの夏の涼しい過ごし方や、エコメッセージが見れるというプランです。メディアとのコラボレーションによって、広く楽しんでもらえるものになるかなと。しかし、こちらの企画も、双方多忙だったこともあり、なかなか話が進まないまま夏も中盤、「浴衣ってのもね...」ということで断念しました。(全国の「浴衣美女&美男子」ファンのみなさま!?ゴメンナサイ。これもひとえにわたくしどもの力不足です...。)

ちなみにこれが本邦初公開!浴衣企画の開発中画面です。いいですよね、浴衣美人...、犬よりは...。

開発画面

と、行き詰まってしまった私たちだったのですが、そこで登場したのが我らがワン西社長です。
その頃、開発自体は技術的な目処がある程度ついていたので、本当にあとはコンテンツでした。
企画も遅れていましたし、もうちょっとライトに楽しめるもので、むしろ季節感のないもののほうがいいのではないかということで決定しました。そこからは撮影等も含み、およそ2週間ほどで主要な作業は完了するスピーディな展開。主業務の合間を縫って作る体制としてはとても集中できていたと思います。ここは本当にスタッフのみんなやパートナーのみなさまに感謝です!

アプリは起動してカメラで写真を撮る要領でかざし、周囲を見回すとワン西社長が拡張現実としてスクリーンの中に登場します。都内の主要なスポットでは、そのご当地に相応しいコスチュームのスペシャルなワン西社長が登場します。タップをして捕獲、位置を合わせて写真が撮れるというものです。
スペシャルなワン西社長はハガキにも掲載しましたが、一部ご紹介すると以下のようなものです。
スペシャル
どうでしょう。どこで、どんなワン西が出現するか、想像できますか?(笑)
ちなみに出現場所はコチラで確認できます。
実はハワイにもスペシャルスポットをご用意しています!
(テストしてませんが、たぶん写りますw)

Wikitude SDK今回こうしたAR(拡張現実)機能の実装にあたっては「Wikitude SDK」というSDKを利用しています。これはARアプリ「Wikitude」が開発者向けに提供しているSDKで、AR機能を自分達のアプリに実装できるものです。ライセンスはトライアル的なものを除いて、商用利用では有料ですが、iOS、Android両方に対応しており、こうしたARアプリを短期間に作るのには大変便利なキットなのではないでしょうか。

富士をバックにしたワン西社長▲ 先日、河口湖に行った時に撮った写真です。雄大な富士山をバックにはしゃぐワン西社長

シェア、保存画面撮影後はTwitterやFacebookに投稿できたり、カメラロールに保存できたりまします。
ちなみにカメラのコントロール周りはAndroidでは機種に依存するバグもあり、結構苦労しました。Androidではこうした機種依存のバグも多く、アプリ開発の際には対応機種など常に悩みどころですね。。。

一方でアプリのストア申請ではGoogle Playは即日にアップされましたが、AppStoreでは前述の新機種の発表もあり、想像以上に申請に時間がかかってしまいました。この辺りも両対応アプリの制作の際にスケジュールなどを考える上では気をつけなければいけない事柄でしょう。

AR画面さてこうして出来上がったアプリですが、実際に使ってみると何もないはずの所にオブジェクトが写るというのは予想以上に新鮮で面白い体験でした。
ホント、写るのが犬じゃなければ...、ではなく、これらを見ていると例えば位置情報に絡めたスタンプラリー的なものや、ARマーカーを利用したデジタルな特典など小さなキャンペーンひとつとってみても、いろいろと思いつきます。
スマートフォンでAR技術を用いたプロモーションやサービス等はすでにいくつもありますが、こうした分野はスマートフォンの普及とともに増々熱くなってくるのではないでしょうか。

なにか一緒に企画を考えたい、プロモーションに活用したいとお考えの方がおりましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

Georepublic最後に今回のAR技術を用いたアプリ開発にあたっては、SINAPオフィスのメンバーでもあり、位置情報に特化した様々なプロジェクトで実績を持つGeorepublicさんのご協力をいただいて作成しました。Georepublicさんがいなければ、このアプリは完成しませんでした。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

QR_s.pngシナップの総力を挙げて作ったARアプリ。
まだの方はぜひお試しください!

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