【電子本スタートアップ5選】読書体験や本の制作など電子本に関わるスタートアップを集めました!

2016.04.21

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今月から始まる「注目すべきスタートアップまとめ」シリーズ、第一回のテーマは電子本です。

と言ってもわたしはスタートアップに関心がない......と言うと言い方がおかしいですが、会社やチームを見る時にスタートアップかどうかということは気にしないので、情報収集にまず苦労しました。幸い、スタートアップの資金調達や採用などのプラットフォームAngelListというサイトが見つかったので、今回はそのe-booksカテゴリーから集めています(Amazon Launchpadにも興味があったので見てみましたが、背景等をすっとばしてまずプロダクトを見るということになると、中々選び辛いため、今回の用途には合わないことに気が付きました)。

シリーズは「注目すべき」と題していますが、90パーセント以上のスタートアップが失敗に終わるようなので、今後うまくいくかどうかといった未来予測は、ベットするつもりのない人間には詮のないことです。そこで個人的に興味を惹かれた物を集めてみました。

それでは集めた電子本スタートアップを紹介していきましょう。

Spritz

spritz.png サイト : http://spritzinc.com

Spritzは同名のテキストを読む技術を持つ会社です。技術の方のspritzは、テキストを一語ずつ、ある文字をハイライトしながら表示することで、読書スピードをあげられるという技術です。これは科学的な手法だと謳われており、その仕組みについて実際に「THE SCIENCE」で解説されています。

勿論これは本に限った技術ではありませんが、この方法で読むことができれば、素早く読めるようになるだけでなく、一語を表示できる領域があれば充分なので、腕時計などの小さなデバイスでも本を読むことができるようになるかも知れません。

既にAndroidの電子本アプリなどに組み込まれているので、体験したい人はインストールして見てみてください。サイトの「GET SPRITZ」に、現在Spritzを使っているアプリケーションなどが挙がっています。

GitBook

gitbook.png サイト : https://www.gitbook.com

GitBookはFriendCode社によるスタートアッププロジェクトで、本の作成と公開を支援するソフトウェア及びサービスです。著者はMarkdownやAsciiDoc、またはウェブブラウザーによるWYSIWYGエディターで本を書き進めることができ、自動的にウェブサイト、EPUB、PDF、Kindle Formatで公開されます。

特徴的なのは、まるでGitHubを使っているような使い心地、ワークフローで本を書き進めることができることで、GitHubユーザーとは非常に親和性が高そうです。WYSIWYGエディターの場合も、バックエンドで自動的にGitによるコミットが行われます。

ウェブ技術の分野では、GitBookで公開された本を目にすることが普通になり、日本語の物も出て来ています。シードステージとしては成功を収めていると言えるでしょう。

Zola Books

zolabooks.png サイト : https://www.zolabooks.com

Zola Booksは、本の購入フローを改善するサービスThe Everywhere StoreとリコメンデーションエンジンBookish Recommendsを運営しているスタートアップです。

The Everywhere Storeは、サイトに本の購入機能を埋め込めるウィジェットです。よくあるアフィリエイトとは違い、サイトから(購買サイトなどに)離脱せず、サイト内だけで購入を完結させられるのが特徴です。

また同時に、購入者にメールを送れるメーリングリストの機能もついてくるため、新刊情報やツアー情報を流すためのチャネルを手に入れることもできるようになっています。

Bookish Recommendsは北アメリカの本に特化したリコメンデーションエンジンで、ランキング、アルゴリズム、本の内容による評価、人間に寄るキュレーション組み合わせたリコメンデーションを、ウェブAPIとして提供するサービスです。

電子本のスタートアップにしては珍しくシリーズAまで進んでいるので、期待できるかも知れません。

Booktrope

booktrope.png サイト : https://booktrope.com

Booktropeは同名のチームパブリッシング用サービスを運営しているスタートアップです。本の著者はBooktrope上で、デザイナーや編集者、マーケターを見付け、一緒に一冊の本を作り上げることができます。勿論、視点を変えて、自分がデザイナーの場合はデザインを必要としている本を探し出すことができます。コラボレーションに必要なツールや連絡手段なども、サービス上に提供されています。

セルフパブリッシングは今ではお馴染みになっていますが、実際に本を作って売ったことのある人は、ただ本を書くという以上の様々な作業が必要であることを実感していると思います。これからはチーム出版が主流になるというのは妥当な考えに見えます。その時代にふさわしいサービスと言えます。

Paperlet

paperlet.png サイト : http://www.paperlet.com

Paperletも同名のウェブのサービスを運用するスタートアップ企業です。このサービスは本を作るためのプラットフォームです。

テキストや写真などを組み合わせて本を作れるほか、ストアに合わせた色々なファイルフォーマットに書き出したり、ソーシャルネットワークに流すことができ、フィードバックの解析も行えます。

サイトでは大きく取り上げていませんが、特長は素材用のマーケットプレイスの存在ではないでしょうか。汎用ゲームエンジンのUnityのように、本の表紙や挿絵用の画像、またフォントなどを購入できる専用のストアが用意され、そこで購入した物を自分の本に使えるようになるのです。本の編集画面に現れるのでうまく連携できています。

文章は書けるけど表紙に困る、という話は散見されるので、地味に便利だと思います。Paperlet上では実はあまり盛り上がっているように見えませんが、こうした機能は今後のプラットフォームにも実装されてほしいところですね。

以上、気になった電子本スタートアップを取り上げました。電子本のスタートアップとしては、個人的にはブックカバーや本その物(ページの素材が特殊な物だったりICチップを埋め込んでいたりなど)、栞などがインターネットに接続していると面白いなと思って見始めたのですが、見た物はどれもディスプレイの中に収まっていて少し残念です。興味ある方はぜひそういうスタートアップを始めてみてください。

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