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みなさんこんにちは、早めの夏休みでイタリアへ行ってきてちょっと陽気な気分の富川です。
さて、昨年5月から始めたシナップのIoTニュースですが、皆さんの周りでも"IoT"という言葉を身近に聞くことは増えてきませんでしたか?ニュース番組や記事でも特集されたり企業CMでもキーワードとして見かけたりと、世の中的な注目度の高まりを感じます。

ちょうど1年前の私のIoT記事で、ガートナー ジャパンによる日本企業のIoTへの取り組み調査結果をご紹介したのですが、先日2016年度版の興味深い結果が出ていました。
今回はそれをもとに、日本企業のIoT事情と代表的な取り組み事例についてご紹介していきます。

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2016年度版ガートナー ジャパンの調査結果

ガートナー ジャパンでは日本企業のIoTへの関心と実際の取り組みについて調査しており、2015年・2016年でのIoT推進体制を確立している企業の割合の変化が公表されました。
その結果を見ると、昨年調査時に「1年以内にIoT推進体制を実施予定」と回答した企業の大半が、実現に及ばなかったことが分かります。

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また、IoTに対する意識調査では成果への期待に対する回答が5割を超えていますが、「いまだにどこから手を付けるべきか分からない」という回答も4割近くあり、期待と不安が入り混じりなかなか実際に取り組めていない現状が分かります。

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政府主導でドイツ流モノづくり「インダストリー4.0」を強く進めているドイツや、GEなど国を代表する企業が主導となり「インダストリアル・インターネット」を進めているアメリカ、国の重要施策として行動計画「インターネット+」に去年から取り組み始めた中国などと比べると、日本では官民いずれ主導にしても大きなIoTの動きを感じることができず、出遅れている感が否めません。

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考えられる障壁

日本企業のIoTへ取り組みの障壁となっている原因は、どんなものが考えられるでしょうか?
大きく2つの要因があるのではないかと考えられます。

1つ目の障壁:日本企業の閉鎖性

構成要素が多岐にわたるIoTでは、自社やその産業に拘らず協力・連携し合うことが重要になりますが、縦割り構造の多い日本企業では社内でも部門外と連携することが難しく、社外や産業外から広く技術やアイディアを取り入れ協力し合うことが苦手ではないかと考えられます。

例えばタクシー業界に衝撃を与えたUberのような、産業そのものの価値観さえ揺るがすようなインパクトのあるIoT事例は、なかなか日本の企業文化からは生まれにくいと感じます。
日本でIoTに取り組むとしたら、まずは現場単位での細かなIoT導入を繋げていき、その範囲を外部へ広げていくアプローチが現実的だと考えられます。

2つ目の障壁:官民一体となっていない取り組み

前述のIoTへ取り組む各国では、国もしくはリーダー格の企業が先頭に立って進めていますが、日本ではそのような大きなIoTへの動きが官民いずれ主導にしても感じられません。
現在は各日本企業が個別にIoTへ取り組み始めている状況ですが、国や産業としてIoTをどのように生かしどんな社会を実現していくのか、目指す方向性を固めて共有されれば、それに呼応した大きな流れも生まれやすくなるのではないでしょうか。

このような障壁がありながらも日本でIoTへ取り組んできた代表的な取り組み事例を4つご紹介します。

日本のIoT代表事例

コマツ「KOMTRAX」

201606_iot04.png 日本におけるIoTの先行事例としてまず挙げられるのが、コマツの「KOMTRAX(コムトラックス)」。1998年から取り組まれており、GPSとセンサーを建機に搭載することで、盗難予防目的の位置情報だけでなく稼働時間や残燃料などの情報を遠隔管理できるようになっています。
2015年には「KOMTRAX」の経験を活かし、建機だけでなく作業現場のあらゆる情報をつなぐ「KomConnect(コムコネクト)」をスタートさせています。

三菱電機「eF@ctory」

201606_iot05.png 2003年から取り組まれている三菱電機の「eF@ctory(eファクトリー)」は、ものづくり分野でのIoT先行事例として知られており、「インダストリー4.0の先駆け」とも言われています。
FA(Factory Automation)技術を駆使し、工場や個々の機械から集まる大量のデータを収集・可視化・分析するシステムになっており、各企業の工場にこのシステムを導入することで工場全体の自動最適化と生産性向上が可能になります。

日立製作所

201606_iot06.png 日立製作所は先月、2018年度までの3年間で総額3千億円をIoT技術に関する基盤投資と、M&Aや研究・開発に使う経営計画を発表しました。IoT注力への本気度を感じさせます。
また「Lumada(ルマーダ)」と言うオープンで柔軟性の高いIoTプラットホームの提供も先月開始し、幅広い業種に合わせてIoTソリューションを構築することを可能としています。

つながる町工場プロジェクト

201606_iot07.png 上記3つのような大企業ではなく中小企業の取り組みとして、東京下町の板金加工工場の技術を結集した「つながる町工場プロジェクト」があります。同じ板金加工でも得意分野の異なる3社が生産システムのデータを共有し、1つの引き合いに対して共同提案を行って受注を目指し、3社がひとつの工場であるかのように機能する仕組みです。低コストでIoTに取り組む中小企業の成功事例として注目を集めています。

おわりに

以上、日本企業のIoT事情と代表的な取り組み事例についてご紹介しました。
世界から遅れを取っている日本企業が、これからどのようにIoTへ取り組んでいくのか、来年にはもっと大きな流れが日本でもできていると良いなと思います。それではまた。

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