YouTube Liveの特徴

2011.05.20
スクリーンショット(2011-05-11 14.42.28).pngシナップの柿内です。
YoutubeがストリーミングサービスYouTube Liveを発表してから1ヶ月が経過しました。
ご存知の通り、このサービスは現在のところYoutubeからの招待制となっています。シナップのチャンネルにもお誘いが来ないかと首を長くして待っているのですが残念ながらお誘い頂けておりません(笑)。

最近では、イギリス王室のオフィシャルチャンネルにてロイヤルウェディングの模様が放送され、再放送も含むと、のべ1億人以上のユーザーが視聴したようです。

ますます注目を集めるYouTube Live。既存のストリーミングサービスとどの様な違いがあるのでしょうか。

■YouTube Liveの目的とは

ストリーミングサービスといえばUstreamが有名でシナップでも多くの案件で利用しています。日本ではニコニコ生放送も人気があり、特定のユーザー層 の支持を集めています。後参のYouTube Liveですが、そのサービスの姿勢には前述の2つとは決定的な差があります。

それはYouTubeの承認パートナーのみがサービスを利用でき、Ustreamやニコニコ生放送のようにだれでも最低限の機材さえあればすぐにでも放送が始められるわけでは無いという事です。
今の段階では、個人が自分の趣味で生放送したり、突発的なイベントや単発のイベントの配信にYouTube Liveを使うのは難しいです。また、日々集まる莫大な数の動画の中には一定の確立で素晴らしいコンテンツが含まれていたり、今までにない才能が発掘され るというYouTubeが元来持っていた良さは実現できないかもしれません。

その反面、YouTubeに承認されたパートナーのみによる、ある一定の水準に達したコンテンツのみが厳選されるというメリットもあります。実際に、 YouTube Liveの承認パートナーとされているチャンネルをみてみると、報道・スポーツ・ゲーム・音楽・ファッションなど、そのチャンネルがある一定のテーマを 持って運営されている事がわかります。
特定のテーマに沿ったコンテンツを提供するチャンネルが集まるという特徴は、CS放送の様な楽しさがあります。もしかしたらYouTube LiveはUstreamの対抗ではなく、CS放送やケーブルTVなどニッチなチャンネルを提供する放送局の対抗として立ち上げられているのかもしれませ ん。インターネットの動画サイトとしては圧倒的な媒体力を持っているYouTubeならば、十分TV局の対抗になり得ます。

ただし、これら承認パートナーの選定に関しては現段階のものであり、今後数千社を承認していくとYouTubeはいっていますので、チャンネル編成は変化 していく可能性があり、どのような方向に進んでいくかはわかりません。もしかしたら「あっ!」と驚く様な仕掛けをYouTubeが行うかもしれませんが、 現段階で前述の様なサービスの特色を持っています。

■YouTube Liveへの配信方法

私は、このブログでUstream配信の技術情報をいくつか書いているので、もしかしたら配信の技術的情報を期待されている方もいるかもしれません。しかし、今 の段階では全くのブラックボックスでいったいどうやったら配信できるのか全く分らず、参考になる情報ソースもありません。動画をPCに取り込んでネット ワークにつながる環境であれば配信できるだろうと想像はできますが、技術情報が開示されてないので詳しい事はわかりません。
Ustreamでは専用の配信用ソフトウェアを無償で提供していたり、配信技術のノウハウがネット上に溜っていることを考えると、YouTube Liveへの参加は技術的にも障壁が高いかもしれません。



現段階ではスーマートフォン端末で視聴できないこと、配信技術のノウハウが溜っていないことなど、いくつかの課題もあるYouTube Liveですが、自分の好きなテーマを配信しているチャンネルはつい見てしまいますし、TVではなかなか見れないニッチなコンテンツは非常に魅力的です。

今後どのような方向にサービスが進んでいくかわかりませんが、みなさんも気になるライブ中継の機会があれば一度楽しんでみてはいかがでしょうか。



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