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いま、スマートフォンに求められるもの

益々攻撃的に機能追加・強化を図るAndroid端末、期待を裏切って4Sを打ち出してきたiPhone。世間でスマートフォンの噂を耳にしない日が稀になってきたように感じるここ最近の日本のスマートフォン市場。

こんにちは、守谷です。以前「UI差で見る、PCサイトとスマートフォンサイト」という記事を書かせていただいたのですが、あれから1ヶ月と少ししか経っていないのに、前回の時に自分が予想していたより遥かに速いペースでスマートフォンが一般の方々へのシェアを拡大して行っているように感じます。

「スマートフォン」がケータイ屋さんに現れはじめてからしばらく。もしかしたら自身の持つフィーチャーフォン(いわゆるガラケー、以下「ケータイ」と書きます)が買い替え時、という方たちの買い替え候補にスマートフォンが有るのかもしれません。

となると。

次にスマートフォンに求められる機能として予想されるのが、「今までケータイで行なっていたことをスマートフォンで」あるいは「PCでしかできなかったことをスマートフォンで」という2パターンになるでしょう。今回は少し趣向を変えて、日常生活に密着したスマートフォンサイトとスマートフォンアプリ(とサービスの可能性)について見ていきます。

ムービーウォーカー(PCサイトとiPhoneアプリ)

私がケータイで割と使っていた機能(サービス)が、映画の検索でした。とはいっても、主には「ムービーウォーカー」で近隣映画館の上映情報の検索をしたりする程度ですが。

スマートフォンが主流になってそのムービーウォーカーはどうなったのかと思えば、現在はiPhoneでアクセスすると基本的には既存PCサイトがそのまま表示される仕様になっています。ただユーザーエージェント(閲覧端末・ブラウザ)判定をされているようで、iPhoneからアクセスすると上部にApp Store(アプリ)へのリンクがボタン状にて追加されます。そのリンクからアプリをダウンロードして改めてムービーウォーカーを見てみると、今までPCサイトなりケータイなりで閲覧していた機能がまるごと入れられています。ケータイサイトに比べると、遥かに画像が増えている/予告動画が大きいウィンドウで見られる/上映中映画館が検索し易い/何より圧倒的に情報量が多い、というのがアプリになってからの恩恵でしょうか。

ちなみに、こちらのページはAndroid端末から接続されると、PC版がそのまま表示されるだけなのが現状です。Android端末であればFlashの部分もなんら変わらず表示されるから良いですね──というのは制作者側の意見です。

決してムービーウォーカーのサイトを批判しているわけではなく(アクセス解析等を行った上での対応でもあると思います)、スマートフォンは基本的に外出先で各携帯会社の通信回線(速度が遅い「3G回線」)を通してコンテンツやサイトを見ているという状況が主でしょう。先述したように、今までケータイを使っていた人がスマートフォンを持つとなると、Wi-Fi接続ではなく3G回線を通してコンテンツを見ることが更に増えていくのも予想されます。PCサイトと同等の情報量を提供されているということは、目的のコンテンツに辿り着くために不必要(過剰)な情報も一緒にダウンロードされるということで、ユーザーとしては不要な部分にアクセスしている「時間」と「通信料」を払うことになりかねないわけで、できれば最適化されたページ、あるいはiPhone同様にAndroid用のアプリを提供してもらいたいものです。

ちなみに以下は主に都内に絞ってはいますが、思いつく限りで調べてみた映画館のサイトのiPhoneでの表示結果です。10件調べて、スマートフォン対応されているのはわずか1件、「TOHOシネマズ」のみでした。出先で映画が見たいなあ、と突然検索をするという場面は少なくないと思うので、今後こういった部分のスマートフォン対応を今まで以上に求められるのではないかと感じています。欲を言えば、スマートフォンでオンラインチケット予約まで完了できるといいですよね。

せっかくなのでiPhoneで接続してみた他の9件のキャプチャも掲載します。左から、TOHOシネマズ、ワーナー・マイカル・シネマズユナイテッド・シネマ 映画館 UNITED CINEMASムービックス-MOVIX新宿ピカデリーシネマサンシャイン新宿バルト9チネチッタ109シネマズテアトル新宿です。大体のサイトのFlash部分が欠落しているのがお判りかと思います。

都内映画館サイトのiPhone対応状況

さて次に、手のひらの中でサッとアクセスしてパパッと使いたいと思うものとして、私には通販サイトが思い浮かびました。前回もご紹介しましたが、AmazonはPC版から機能を変えてサイト提供をしてくれています。と同時に、Amazonに関してはアプリも用意しているので、そちらを普段使っているという方も多いのではないでしょうか。スマートフォンサイト版のサイトと比較して、機能メニューがボタンになって下部に配置されているので、目的の行動をすぐ取れるなどの利点があります。購買の瞬発力には十分に発揮される機能でしょう。

今回、通販サイトをピックアップした理由のひとつに、ZOZOTOWN(下記キャプチャ参照)の存在があるのですが、こちらのサイトは全くスマートフォン対応がされていません。もちろん、iPhoneも。

iPhoneでこのサイトにアクセスしてみるとPC版がそのまま表示されるわけですが、先日友人が「ZOZOTOWNのアプリがアップデートされて見やすい(意訳)」とツイートしているのを見て、iPhoneアプリが提供されていることに気づいた次第です。

ZOZOTOWNのサイト

ZOZOTOWNアプリそもそもとして、ZOZOTOWNは以前利用してみてものすごい検索・一覧性の高さに個人的にビックリしたのですが、もちろん、iPhoneの小さいウィンドウで検索するにはまったくその便利さには(気分的要素も大きそうですが)あやかれないのです。通販サイトとして機能が豊富なだけに画像が沢山提供されており、つまり前述した通り、PCサイトをスマートフォンで見るにはちょっと通信速度も心もとないので、同じ小さいウィンドウならばケータイでアクセスした方が何かと便利だと思う程です。

ところがiPhoneアプリからアクセスしてみるとそのZOZOTOWNのZOZOTOWN然とした点(検索・一覧性に長けた部分)がそのままに、検索条件の選択ももちろん沢山設定できますし、さすがZOZO!という感じになっています。

ZOZOTOWNのiPhoneアプリへの誘導バナー残念なのは、PCサイトにiPhoneでアクセスした際にこのアプリへの誘導が小さすぎる点でしょう。

PCサイトとしてPCのブラウザから見ている分には必要十分なサイズです。しかしZOZOTOWNはテレビCMもやっているほどなので、何らかの小さなキッカケでスマートフォン端末から直接アクセスする人も今後増えていくのが予想されます。スマートフォンのウィンドウサイズから見ると左カラムに存在するiPhoneアプリへの誘導は小さすぎるように感じます(右のキャプチャ参照のこと/上下は切っていますが横幅はキャプチャしたままのサイズです)。何らかの方法でiPhoneアプリが有ることをスマートフォンからアクセスしたときに把握できるサイズだとよさそうですね。また、日本国内に絞って考えると、これから急激にAndroid端末のシェアが伸びてきそうなのも予想できるので、早々にAndroidアプリも提供してもらえると嬉しいですね。

せっかくなので、Googleで検索して上位に来るもののうち、モバイル端末から通販サイトで買い物をしそうだなという勝手なイメージから「女子」をターゲットにした通販サイトのスマートフォン対応状況を見ておきましょう。

セシール(スマートフォン対応サイトへの誘導ボタンは設置されています。が、アクセスした先のサイトは少しケータイサイトっぽい簡素なイメージのスマートフォンサイトです。)、フェリシモ(対応無し)、ニッセン(スマートフォンからのアクセス時にスマートフォンサイトが表示されます。こちらも多少ケータイサイトのようなイメージではありますが、画像などの付加情報が豊富です。また、トップページには「ホーム画面に追加」のアラートが表示されます。)、ピーチ・ジョン(ピーチ・ジョンらしいイメージにアレンジされていますが、こちらもまだまだケータイサイトっぽさが残ります。)、イマージュ(こちらも大分ケータイサイトっぽいイメージではありますが、スマートフォン対応されています。)、マルイ(対応なし)

女性向け通販サイト スマートフォン対応状況

おまけ──

私が最近使い始めたツタヤディスカスを見てみると、例に漏れず「iPhone版へ」というボタンが現れます(Androidでアクセスしても「iPhone版へ」と表示されますが、こちらはまぁ、ご愛嬌)。左に偏ってキャプチャされているのは、偏らせたわけではなく、iPhoneでアクセスするとこのようになってしまうのです。

「iPhone版へ」のリンクをクリックすると、綺麗に整形されたiPhone版のサイトに飛びます。ただ、結局ツタヤディスカスを利用するには専用アプリが必要なようで、ページの中央にアプリへのリンクボタンが置かれています(ちなみにこちらもiPhone版しかアプリがないので、Androidでアクセスしようが当然のごとくiTunesにリンクされてしまいます......)。

こちらもPCサイトで確認できるもの(主にレンタルランキングなどのコンテンツ)は遜色なくひと通り見られます。むしろアプリでは、PC版にて上方に薄く追いやられている(ように私には見える)検索窓も大きめに設計され直されていて、レンタルをするという行動にとても率直に反応できるUIになっているように感じます。

ツタヤディスカスの対応

以上、ひと通り見てきましたが、今回ピックアップしたサイト(サービス)は偏りはあるかもしれませんが、実はどれも「使いたいときにサッと見たい」サイト、というキーワードを元に選択したものです。ところが、上述の通り意外にもスマートフォンに対応されていないサイトが多数、というのが現状です。

今までの日本のあまりにも独自すぎたフィーチャーフォン(ガラケー)の長い歴史の上では、様々に試行錯誤されたケータイサイトが展開されていたように思うのですが、スマートフォンでの対応はまだまだの所が多いです。

今回何度も記述していますが、想像を上回るスピードでスマートフォンのシェアが拡大しているのが昨今の日本の現状です。それなのにスマートフォン対応が受け側(情報を提供する側のサイト)で進んでいないということは、つまり裏返せばその差分の部分にサービス拡充のビジネスチャンスが潜んでいるということです。

世間や業界の流行だけでなく、少し見方を変えればこういった気づきも沢山有るように思います。

Title photo by maako