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おはようございます・こんにちは・こんばんは。

フロントエンドと電子書籍担当の松島です。

連載予告をしておきながら放置で誠に申し訳ありません。「表現としての空白文字」の話など、せっかく「おもしろい!」と言っていただけたのに......。ただ、同じような内容で別のところでがんばっていますので、のちほどそのご紹介もさせていただこうとおもいます。

さて。

昨日、SINAP BiB.liophile(ビブリオファイル)というサービスをリリースしました。

ウェブブラウザで動作する EPUB 電子書籍リーダです。

EPUB 電子書籍を、普段から使っているパソコンやスマートフォンやタブレットで、いつでも・どこでも、それも特別なアプリケーションを使わずにウェブブラウザで読めるようにしたい、と考えて、この数ヶ月、ほんとうに寝食を惜しんで開発してきました。ようやく昨日、対応環境やサービス内容を絞ったα版としてお披露目することができてうれしいです。

すでにたくさんの反響をいただいておりまして、ほんとうにありがとうございます。あわせてご要望やご意見もたくさんいただいておりますので、すべてしっかり検討し、参考にして、これからも改善に努めて参ります。

BiB.liophile がどのようなものか、概要は「BiB.liophile とは?/お問い合わせ」のページやSINAP のニュースリリースをご覧いただきたいと思いますが、ここでは、アルファリリースで今後変わる可能性があるからといってもあまりに投げっぱなしでわかりづらい、その操作方法を説明させていただこうと思います(説明が必要な時点でだいぶいけませんね)。また、その中で、いくつか改善のお約束をさせていただきますね。

そして、BiB.liophile をよりよい EPUB リーダにするために、みなさんにもお願いがあります!

2011/11/28、BiB.liophile をアップデートしたため、以下いくつか訂正を入れてあります。

機能についてはいずれ別にまとめますので、読みづらいですがいまはご容赦ください......

BiB.liophile の操作法 と、改善宣言(2011/11/24 現在)

(※ 以下の内容は今後変更になる可能性が高いことをご了承ください ※)

BiB.liophile のトップページからデモを開いてみてください。(BiB.liophile は、Windows Vista / Mac OS X 10.6 以上の最新の Safari か Chrome、iPhone / iPad では iOS 5 以上の Safari で動作します。)

長めの読み込み処理をしばらくお待ちいただくと、「銀河鉄道の夜」のタイトルが表示されます。

このとき画面下に出ている「1/1」は、EPUB を構成する複数の HTML ファイルのうち、現在表示しているファイル中でのページ位置です。

当初は全体のページ数を計算していたのですが、処理の軽減と、EPUB 内の CSS との兼ね合いのために変更しました。今後また変更するかもしれません。

  • 改善します: 読み込み中は読み込み中とわかるようにする やってみました(11/28)
  • 改善します: ファイルごとの表示であること・ページ位置がファイル中のものであることをわかりやすく
  • 改善します: もしくは、処理を工夫して、やはり全体のページ数を表示する やってみました(11/28)

では、画面上の左半分をクリック/タップしてみてください(ヨコ書きの場合は下半分ですが、以降、タテ書きを想定して説明します)。現在のファイルは1ページ分しかありませんでしたので、次のファイルに移ります。

「一、午后の授業」が表示されたら、ふたたび画面下にご注目ください。ページ位置の表示が変わったと思います。パソコンでウィンドウを拡げているときは「1/1」のままかもしれませんので、ぐっと狭くしてみてください。表示のケアとページ数の再計算が行われます。

  • 改善します: クリックで移動するなんて、言われないとわからないよ!

さらにもう一度左半分をクリック/タップしてみます。こんどはファイル内でページが変わり、画面下の数字が増えました。

この「ページ移動」は、じつはただのスクロールです。パソコンでは、ブラウザのスクロールバーで右に戻ってみると前のページ内容があります。(iOS では、フリックによるページめくりを優先したために通常のスクロールができませんが、今後改善予定です。動作確認のための機能として、長めに指をあててから動かすことでスクロールできるようにはしてあります。)

  • 改善します: iPhone / iPad でもふつうのスクロールができるようにする

このように、BiB.liophile では、ページ単位の動作と通常のスクロールの双方に対応するようにつくられているのですが、では、ページとして半端な位置にスクロールしてから画面上をクリックしてみるとどうなるでしょうか。

行の途中で切れたりせず、ページ単位で「めくって」来たときと同じ位置にスクロールされます。この意味では、クリック/タップのスクロールは「ただの」スクロールではなく、すこしだけスマートです。ぜひ、クリック/タップによる「めくり」スクロールと通常のスクロールを組み合わせて読んでみていただきたいなと思います。(iOS でもそれができるようにします)

と、現状の操作はこんな感じなのですが、これから様々な機能が追加されるに伴って、必要な操作も増えてきます。そのとき、ユーザのみなさんがより直感的に理解できて、より簡単に操作できるよう、今以上にもっともっと考えてデザインしていこうと思います。

これまでに書いた改善宣言以外に今後追加を考えている機能としては、「表示中にタテ/ヨコを切り替える」「表示中に EPUB 内の CSS を付け外しする・代替 CSS とスイッチする」などがあります。すべてが実現可能か、実現がいつになるかはわからないのですが、真剣に検討することはお約束しておきたいと思います。

かわりに、というわけではないのですが、みなさまにお願いしたいことがあります。

寄り道コラム: ページ、ページ、って、ページ......?

BiB.liophile の基本方針として、「ページという概念にこだわりすぎない」というものがあります。

デバイスごとに画面サイズが異なり、ユーザによって文字の大きさも可変で、画面内に表示される内容が環境ごとに変化する(リフローする)ことを電子書籍のメリットと捉え、「リフローしてしまう」ではなく「せっかくリフローなのだから」と考えています。

そのあらわれのひとつとして、たとえばパソコンのブラウザでは、通常のウェブページのようにスクロールバーでスクロールできるようにしてあります。こうすると、自分が好きな範囲を画面に表示できていいですよね。

ただ一方、ページめくり的な操作にもニーズがあると思っていて、「古くさいメタファだ」のひとことで切り捨てるつもりはありません。スマートフォンなど、実際に手を使って操作するデバイスでは、今この時点における評価として、この方式はなかなか直感的なものだと思うのです。(紙っぽいアニメーションが必要なのか、といった話はまた別)

スマートフォンなどにはすでに、フリックやタップの操作で移動するタイプのアプリケーションがたくさんあります。この操作に慣れていらっしゃるかたも多いでしょうし、操作としてもわかりやすいと考えて、BiB.liophile では、スクロールとの両立を目指すことにしました。

現状、iPhone / iPad では、先述の「長めに指を置いてから」というわかりづらい隠し機能はないものと考えるとページめくりしかできませんが、このあたりはお好みに応じて切り替えられるようにする予定です。

BiB.liophile における「ページ」とは、デバイスやウィンドウサイズによって変化する「画面」のことだと考えて問題ありません。

  • 改善します: ページめくりとスクロールの両立をさらにスマートに

みなさんへのお願い!

......というのは、「フィードバックをください!」というものです。

リーダ自体の機能のわかりづらさ、つかいにくさ、「こうしたらいいと思う」「こうなってないのはぜんぜんダメ」などなど、なんでも結構です。

ほか、サイトのデザインへのご意見や、目指す方向性、どんな展開をしていけば電子書籍の浸透に役立つか、などなども歓迎です。

サーバサイド機能の半分くらいは他のメンバに手伝ってもらいましたが、残りはだいたいひとりで作っている状況です。もし BiB.liophile に可能性を感じていただけたのなら、ぼくにダメ出しをしていただければ、それだけで未来作りに参加していただけますし、ぼくとしてもとても心強いです。

お待ちしています!

JBasic のライターをやっています。

冒頭で「同じような内容で別のところでがんばっています」と書きましたが、小説のマークアップを考える連載を始めないのには理由があるのでした。

JBasic という、日本語の EPUB 3.0 電子書籍をつくるためのマークアップ・製作指針文書があるのですが、冒頭でご紹介したニュースリリースにもあるとおり、その策定ライターをやらせていただくことになったのです。

ひろく出版社の方々にも参照していただくマークアップ指針の策定に参加させてもらうわけですから、ではせっかくだからその作業で考えたことを反映して記事を書く方がいいな、と考えたのでした。

......といっても、BiB.liophile もあり、その他に日常の楽しいけれど激しすぎる(笑)お仕事もありましたので、まだあまり満足な参加ができていません。

BiB.liophile と同じ日にリリースとなった HTML5 対応版の JBasic 08 は、ぼくも執筆者に名前を入れてはいただき、ぼくの意見も反映されているものなのですが、ほとんどはもうお一方の執筆者である高瀬さんのお仕事です。なので遠慮なく褒めますが、論理的で説得力の或る指針になっており、EPUB に限らず HTML5 のマークアップ指針文書としても参考になると思います。

こちらにもぜひご注目いただき、みなさまの EPUB づくりの参考にしていただければと思います。

BiB.liophile と JBasic をよろしくお願いいたします!