第10回「東京インタラクティブ・アド・アワード」受賞作品ピックアップ(後編)

2012.06.22

第10回 東京インタラクティブ・アド・アワード受賞作品ピックアップ(後編)
こんにちは。SINAPオオカワです。

前回に引き続き、第10回「東京インタラクティブ・アド・アワード」受賞作品の中で気になったものをピックアップしていきたいと思います。

SPACE BALLOON PROJECT
キャンペーン部門金賞。GALAXY S IIをSpace Ballonで30キロ上空に飛ばし、Twitter、Facebookなどで集めたメッセージを宇宙空間で表示させ、その模様をUstreamで配信するというとても大掛かりな企画で話題を呼びました。
自分の投稿したメッセージが宇宙にある端末に表示されたかと想像するだけで、ちょっとドキドキしますよね。
最近ではこうしたUsteramやニコ生などを利用したリアルタイム企画がますます増えているように感じます。


ドミノ・ピザ|EXCELLENT TRACKING QUIZ SHOW!
僕は実際に試した事はないのですが、注文したピザの配達状況をリアルタイムで実況、待ち時間の間にだされるクイズに正解すると、次回使えるクーポンがもらえるという企画です。簡単に言ってしまえばそうなのですが、宅配にとってのネガティブな一面である「待ち時間」。それをエンターテイメントに変えてしまい、さらにクーポンなど、次回へつながる施策までセットで考えられた、とてもよくできた企画だと思いました。


TONY RIOTTINY RIOT
こちらはモバイルアプリケーション部門で銀賞受賞のiPhoneアプリ(85円)です。アプリを立ち上げて、とにかく暴れるかのように激しく振ると、それにあわせてギターやドラムの音がガンガンに流れるアプリです。(iPhone4以降はフラッシュもビカビカとなります。)言ってしまえばそれ「だけ」のアプリなのですが、やってみるとかなりはまってしまう。シンプルで面白いアプリです。さらに振っている最中のブレブレの映像を録画することができ、Youtubeへアップしてみんなでシェアできます。他の人のはっちゃけぶりも見る事ができます。その轟音はまさにパンク。みなさんもストレス発散に試してみてはいかがでしょうか(笑)。


Google Chrome: Hatsune Miku (初音ミク)
オンラインビデオ部門入賞。バーチャル・シンガー初音ミクがGoogleとのコラボレーションを果たしたということでも話題となった企画です。世界中のクリエイターやファンの協力によって制作された映像が大きな話題を呼びました。この作品は先日のカンヌ国際広告祭「ダイレクトマーケティング部門(Corporate Image & Information)」で銅賞を獲得したことで、最近また話題となっている作品です。


SCHOOL OF LOCK! サマースクールSCHOOL OF LOCK! サマースクール
AXEがTokyoFMの番組「SCHOOL OF LOCK!」とタイアップし、mixiを利用して、リスナーから告白のセリフを募集、番組で紹介した告白のセリフをリスナーが「胸キュンボタン」をお押す事で評価しあうというユーザー参加型企画です。ラジオとソーシャルを組み合わせた新しいラジオの視聴スタイルの提案としても面白かったのではないでしょうか。
最終日には選ばれた応募者が実際番組中に意中の女の子に電話する「生告白」が行われたとか。


移動トイレ
TOTOが「TOTO GREEN CHALLENGE」として掲げる環境への取り組みをPRするために作ったトイレバイク、その旅の模様をCMやネットなどで伝えるクロスメディア銅賞の作品です。バイクは実際に人のウンチではしるのではなく、家畜の糞尿等から生成した「バイオガス」で走りますが、その見た目のインパクトからついついそんな想像をしてしまいます。そんな想像をうまく使い、まじめなメッセージへとつなげていく、バカなようでまじめな企画です。

 

というわけで、簡単に振り返ってみましたが、いかがだったでしょうか。
個人的な感想としては、やはり全体的にソーシャルメディアと組み合わせた企画が多く、これまでのいわゆる「広告」から、よりユーザー参加型を指向したものが増えており、この傾向はますます強くなっていっているのかなと感じました。一昔前であればFLASHを使ったスペシャルサイト、派手な映像などが使われた「リッチコンテンツ」が主役でしたが、そうしたコンテンツはかなり減り、リアルなイベントとの連動、共感型のメッセージが増えたのも印象的でした。

「広告」の概念もかわりつつあると言われていますが、スマートフォンやソーシャルメディアの普及で、消費者のライフスタイルが変わる中、ユーザーとどのようにコミュニケーションを取るか、さまざまなメディアをどう活用していくか、変化の激しい時代だけに、まだまだ面白い企画が産まれそうです。

この記事をシェアする