各国政府のソーシャルメディア活用まとめ

2013.01.23

こんにちは、内藤です。

1月10日から首相官邸のFacebookページが開設されましたね。
各メディアで話題になっていたので、フォローした方も多いのではないでしょうか。

ここ数年でソーシャルメディアは流行りモノから日常生活における情報収集の手段として欠かせないものとなり、大企業に関わらず中小企業や各種団体、商材専用にまでソーシャルアカウントを開設するなど、プロモーション手段としてもあたり前のものとなってきました。
日本政府のソーシャルメディアのアカウント開設はトレンドを考えると少し遅いという印象はありますが、発信元と扱う情報を考えると活用に慎重な姿勢があったことも容易に想像することができます。

では、他の国では政府のソーシャルメディア活用はどうなのでしょうか。今回は各国政府のソーシャルメディア活用についてまとめてみました。


ではさっそく海外に!...目を向ける前に、まずは日本政府のSNSの活用についておさらいしておきましょう。


日本

■日本政府

japan_gov_fb.jpg・Facebookページ http://on.fb.me/W2OIaM
・Twitter https://twitter.com/gov_online

政策広報というくらいだから今後の日本の話でも...と思いきやもっと私たちの生活にちかいレベルでの投稿が多く見られます。政策などの話は首相官邸アカウントで、と運営目的ははっきりと分かれているようです。それにしてもあまりフォロワーがいないとはいえ、せめてカバー画像は入れて欲しいですね。。。


首相官邸

kantei_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/sourikantei
・Twitter  https://twitter.com/kantei
・Youtube http://www.youtube.com/user/kanteijp
・mixi http://page.mixi.jp/recent_page_feed.pl?page_id=238510&module_id=1329623&from=menu
・LINE ※LINEのアプリをダウンロードし、首相官邸公式アカウントをご覧ください

首相官邸のSNS活用は主に平成23年3月以降に開設されています。政府がSNSを活用するのに3.11は大きなきっかけとなりました。より多くの人に情報を届けるには、テレビやラジオだけでなく携帯電話も重要な端末であることが再認識されたためだと思います。むしろ携帯端末でSNSを見ていたほうが、情報を早く手に入れることができたのはみなさんも実感としてありますよね(ただし、裏がとれていない不確かな情報も多くありましたが)。戦略的にはじめたのではなかったもののその効果を実感し、やっと体制を整えて運用がはじまったというかんじでしょうか。



アメリカ

米国政府

usa_gov_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/USAgov
・Twitter https://twitter.com/USAgov
・Youtube http://www.youtube.com/USAGOV


ホワイトハウス

whitehouse_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/WhiteHouse
・Twitter https://twitter.com/whitehouse
・Google+ https://plus.google.com/+whitehouse/posts
・Youtube http://www.youtube.com/user/whitehouse
・Flickr http://www.flickr.com/photos/whitehouse
・LinkedIn http://www.linkedin.com/groups/White-House-2199632
・foursquare https://ja.foursquare.com/whitehouse
・vimeo http://vimeo.com/channels/whitehouse

メジャーなSNSが見事に揃っていますね。LinkedInが政府のSNSとして活用されるのに少し違和感があったのですが、アメリカではLinkedInがFacebookと同じくらいメジャーなSNSなのでLinkedInの活用は必然なのでしょう。White Houseが1つのGrroupとして管理され、誰でも参加することができます。グループでは多くの議論が交わされているので、告知媒体というよりもコミュニケーションツールとしての活用されているようです。それにしても、リクルート活動に利用されることの多いLinkedInに自分の政治的見解を掲載するなんて日本ではあまり考えられないですね。さすが自由と責任の国アメリカです。

またSNSではないですが、2013年1月21日に行われた大統領就任式のスマートフォンアプリ(!)もありました。(アプリだけでなく就任式用のサイトやTwitterアカウント、Facebookページもあるのですが)。チケット販売やボランティアの募集、イベント開催までの様子などを見ることができます。日本からでもダウンロードできたので興味のある方はダウンロードしてみてください。
Inaugural 2013:http://action.2013pic.org/page/s/official-app?source=20130114_bl_app


オバマ大統領

obama_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/barackobama
・Twitter https://twitter.com/BarackObama
・Tumblr http://barackobama.tumblr.com/
・Youtube http://www.youtube.com/BarackObama
・Instagram http://instagram.com/barackobama/
・Flickr http://www.flickr.com/photos/barackobamadotcom
・Storify http://storify.com/barackobama_com

ホワイトハウスと同じような投稿が多いのですが、よりオバマ氏の目線にちかいものになっています。Instagramを活用するなど、政策うんぬんよりも柔らかいコンテンツを提供しているので閲覧やフォロー、拡散しやすくなっており、オバマ氏個人のファン作りを目的としているのがわかります。
SNS以外では、オバマ氏は公式アプリだけでなくSMSも活用しています。
スマホアプリ「Obama for Ameria」: http://www.barackobama.com/app?source=footer-nav



イギリス

■首相府、キャメロン首相

th_uk_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/DavidCameron
・Twitter https://twitter.com/number10gov
・Youtube http://www.youtube.com/number10gov
・Flickr http://www.flickr.com/photos/number10gov

アメリカではホワイトハウスと大統領のアカウントが分かれている一方で、イギリスでは首相官邸のFacebookページはキャメロン首相のアカウントになっています。他SNSもアカウントそのものは首相官邸として取得されているようですが、基本的に首相のためのメディアになっているようです。


■イギリス王室

th_royalfamily_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/TheBritishMonarchy
・Twitter https://twitter.com/BritishMonarchy
・Youtube http://www.youtube.com/user/TheRoyalChannel
・Flickr http://www.flickr.com/photos/britishmonarchy/

イギリスと言えばロイヤルファミリーですね。イギリス広報としても大きな役割を担っているので、やはりメジャーなSNSは押さえられています。イギリス国内だけでなく国外からも注目されこんなに有名で世界中の人々から愛されている王室はいないでしょう。海外のフォロワーもたくさんいるようです。



ベルギー

■連邦政府

th_belgium_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/Belgium.be
・Twitter https://twitter.com/belgiumbe
・Google+ https://plus.google.com/u/0/117938935828472864158/about
・Youtube http://www.youtube.com/user/WebmasterBelgium?feature=watch

ベルギーでは公用語が複数存在(オランダ語 60%、フランス語 39%、ドイツ語 1%)しているため、まさかFacebookページやTwitterもそれぞれあったりして! っと思ったのですが、1つでした。ただし、言語別に政府のHPは存在しているので何か告知があるときには、オランダ語とフランス語でそれぞれ同じ内容で投稿し、それぞれの言語のページヘ誘導していました。一見すると投稿がダブって見えます。公用語が複数あると運用も大変ですね(制作者目線)。
メディアの役割としては、こちらも告知をメインとして運用されているようです。もしコミュニケーションが活発に行われるようになったら、複数の言語が飛び交い、見ている方はもどかしい思いをしそうですね。
ベルギーも王様のいる立憲君主国ですが、王室のソーシャルメディアのアカウントは特に無さそうです。



ポルトガル

■ポルトガル政府

th_portugal_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/omeumovimento
・Twitter https://twitter.com/govpt


■大統領府

th_portugal_pre_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/presidenciadarepublicaportuguesa
・Twitter https://twitter.com/presidencia
・Youtube http://www.youtube.com/PresidenciaRepublica
・Flickr http://www.flickr.com/photos/presidencia
・thestartracker ※招待制のポルトガルのSNS

政府のFacebookページを見ると、フォロワーへ質問をしていたりと告知だけでなくコミュニケーションをとるような投稿もありました。コメントに対して政府が返信するようなことは特に行なっていないようです。
一方の大統領のFacebookページでは、オフィシャルサイトで更新された記事のリンクとその概要を載せている投稿が多いです。
ポルトガルでは大統領ではなく首相が政治の指揮をとっているようなのですが、首相府のホームページやFacebookページは特にありませんでした。



ロシア

■連邦政府、メドベージェフ首相

th_med_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/Dmitry.Medvedev
・Twitter(メドベージェフ首相) https://twitter.com/MedvedevRussia
・Twitter(連邦政府/ロシア語) https://twitter.com/pravitelstvo_rf/
・Twitter(連邦政府/英語) https://twitter.com/GovernmentRF
・VKontakteページ http://vk.com/dm ※VKontakte(フコンタクチェ)はロシア最大のSNS


■大統領府

・Twitter https://twitter.com/KremlinRussia_E
・Youtube http://www.youtube.com/user/kremlin?hl=ru&gl=RU

ロシアは大統領が行政に強い発言権のある国ですが、連邦政府のソーシャルメディアアカウントはメドベージェフ首相のものになっていて、公務の様子や政府の方針、声明を投稿しています。一方で大統領府にはプーチン大統領のソーシャルメディアはありませんでした。日本ではロシアの政治というとプーチン大統領のイメージの方が強いですが、"政府"の顔として発信していくのは首相の役割なのかもしれませんね。



アルゼンチン

■大統領府

th_argentin_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/casarosadaargentina
・Twitter https://twitter.com/casarosadaar
・Youtube http://www.youtube.com/casarosada


■フェルナンデス大統領

th_argentin_pre_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/CFKArgentina
・Twitter https://twitter.com/CFKArgentina
・Tumblr http://cristinafernandezdekirchner.tumblr.com/
・Google+ https://plus.google.com/+CristinaFern%C3%A1ndezdeKirchner/posts
・Flickr http://www.flickr.com/photos/59935742@N04/

アルゼンチンは大統領が政治の中心にいるので、官邸だけでなく大統領のメディア活用も活発に行われています。更新回数は官邸の方が多いのにも関わらず、官邸のフォロワーが35000人なのに対してフェルナンデス大統領のフォロワーは55万人。大統領の人気の高さが伺えますね。女性のPRということもあってか写真などに華やかな印象があります。



チリ

■大統領府

th_chile_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/gobiernodechile
・Twitter https://twitter.com/gobiernodechile
・Flickr http://www.flickr.com/photos/gobiernodechile/
・Youtube http://www.youtube.com/lamoneda

チリもアルゼンチン同様、大統領制なので大統領官邸が発信アカウントになっているようです。投稿内容を軽くみる限りでは、基本的にオフィシャルHPでブログの更新があったものの更新告知という使い方をしています。ピニャラ大統領のソーシャルメディアアカウントは特に無さそうでした。


インド

■大統領府

th_india_pre_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/presidentofindiarb
・Youtube http://www.youtube.com/RPBhavan 

インドは共和国で大統領と首相の政治体制をとっていますが、大統領に実権はなく政治の指揮は首相がとっています。しかし首相府にソーシャルメディアのアカウントはなく、政府関係のソーシャルメディアアカウントは大統領府だけでした。国務の様子を投稿しています。



大韓民国

■大統領府

th_korea_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/CheongWaDae
・Twitter https://twitter.com/BluehouseKorea/
・me2day http://me2day.net/thebluehouse ※韓国のTwitterのようなサービス


■李明博(イ・ミョンバク)大統領

th_korea_pre1_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/leemyungbak


■朴槿惠(パク・クンへ)次期大統領

th_korea_pre2_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/ghpark.korea
・Twitter https://twitter.com/gh_park
・Youtube http://www.youtube.com/pgh545
・Flickr http://www.flickr.com/photos/withghpark/
・CYWORLD http://minihp.cyworld.com/pims/main/pims_main.asp?tid=24851281 ※韓国最大のSNS

韓国では2012年12月に大統領選で朴氏が当選し、2013年2月に大統領が交代します。そのため、今回朴氏のソーシャルメディアアカウントも調べたところ、李大統領はFacebookページだけなのに対して、朴次期大統領はメジャーどころをしっかり押さえていました。韓国の大統領選は5年毎ですから、この5年間で世の中でソーシャルメディアで発信することの重要性が政治の世界でもいかに重要になったことが感じられます。



南アフリカ共和国

■南アフリカ共和国政府

th_sa_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/pages/South-African-Government/194109891221?ref=sgm

基本的に他の国と同様、政府のFacebookページとして行政サービスの告知などを基本に行なっています。



ウガンダ共和国

■大統領府

th_uganda_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/statehouseug
・Twitter https://twitter.com/#!/StateHouseUg
・Google+ https://plus.google.com/u/0/106089455152456735322/posts
・Youtube http://www.youtube.com/user/statehouseug
・Flickr http://www.flickr.com/photos/statehouseug/

政治的に安定してきたウガンダでは、ソーシャルメディアの活用が積極的に行なわれ政府のプレゼンスを高めているようです。フォロワー数が少ないので反応が今ひとつではあるのですが、毎日数件投稿されています。いくつか見た限りでは、議論が起こりそうな内容も投稿されているので、何かの投稿で一気に注目を集めてしまう可能性を感じました。



エジプト

■大統領府

th_egypt_fb.jpg・Facebookページ https://www.facebook.com/EgyptGovPortal
・Twitter https://twitter.com/egyptgovportal
・Youtube http://www.youtube.com/Egyptgovportal

2011年2月に起こったエジプト民主革命。その革命においてソーシャルメディアは大きなき役割を担ったと言われているのは、みなさんもご存知のことだと思います。それ故、政府のソーシャルメディア運用は慎重になっているのではと思っていたのですが、Facebookページ、Twitterとも更新が頻繁ではないものの運用されていました。アラビア語で投稿やコメントがされていて翻訳機能も使えなかったので、残念ながらどのようなコミュニケーションが行われているのかさっぱり分からないのですが、1つの投稿に対してのコメントが多く付いているという印象を受けました(ちなみにアラビア語は右から読みます)。また、1つのコメントもボリュームが多いものがけっこうあります。



いかがでしたでしょうか。それぞれの運用スタイルから各国の政治体制や指導者をどこまでメディア化していくのかという戦略が見えますね。今回、特にヨーロッパではフランス、イタリア、スペイン等、旅行先として日本で人気のある国では政府のソーシャルメディアの活用は行われておらず、ドイツ、ギリシアではTwitterの運用だけとソーシャルメディアの活用に意外と慎重な姿勢がありました。一方で、インターネット人口がそもそも多くなさそうなアフリカでは紹介した国以外に、ボツワナ、コンゴ等でソーシャルメディアの運用がされていました。先進国であるか発展途上国であるかはソーシャルメディアの活用において重要な要因にはなっていないようですね。

今後もさらに各国の政府がFacebookページをはじめとしたソーシャルメディアの活用に力を入れてくると思います。また面白いものがあったらご紹介させていただきます!


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