はじめてのPowerCMS-オススメポイントと導入事例

2015.12.09

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エンジニア、村山です。 ちょっとPowerCMSの事書いてよって社内からお声がかかりましたので今更ながらPowerCMSの記事を書くに至りました。 本日のテーマは「PowerCMS、そろそろ使ってみない?」です、よろしくお願いします。

※この記事はMovable Type Advent Calendar 2015の9日目の記事です。

はじめに

この記事では以下の内容から「PowerCMSを使ってみないかい?」とオススメしていくものです。 ターゲットとしては、PowerCMSに興味があるのだけど実際どういうことができるのかわからない人、機能はわかるんだけどどういうことができるのか・どういうところで使われてるのか興味がある人、CMSの選択肢を増やしたい人などに向けて書いているつもりです。

  1. PowerCMSとは
  2. オススメポイント
    • グループ管理機能
    • インポート・エクスポート機能
    • カスタムオブジェクト追加
  3. PowerCMS導入にあたって
  4. おわりに

PowerCMSとは

PowerCMS 公式サイト

公式サイトでは次のように説明されています。

http://www.powercms.jp/about/ 日本国内で高いシェアを誇る CMS ソフトウェア Movable Type をハイエンド CMS 製品並みの高性能・高機能化するソリューション製品として、数多くの導入実績を誇る PowerCMS。 PowerCMS は Movable Type のために開発されたプラグインセットです。Movable Type をさらに高度な CMS(コンテンツ管理システム)として活用するための様々な機能を提供します。

(Movable Typeに関しては以前書いたこちらの記事をどうぞ)

という感じで、Movable TypeをドすごいCMSツールに進化されるソリューションです。 形式上はMovable Typeのプラグイン群となり、様々な機能を追加・拡張してくれます。 PowerCMSで追加・拡張される各機能は基本的にそれぞれプラグインとして独立しているので、不要な機能などにリソースを割きたくない場合は当該プラグインを取り外すことも可能です。(依存関係があるプラグインに注意してください)

追加・拡張される機能は大小様々で改めてリストアップするのは割と不毛なので、一覧は公式サイトをご覧ください。

またベース機能であるMovable Type自体をそのまま使っていますので、PowerCMS以外のMovable Typeプラグインも組み合わせて導入することができます。

オススメポイント

まずは販売元のアルファサード社のサポートが厚めな点。専用のネットワークが用意されていて構築中に詰まった部分のサポート等はのでその中で手厚く行われています。 登録制なので、PowerCMSの事をGoogle検索しても情報があんまりでてこないのはそういう仕様です。詰まったらそっちで聞くのが正解。

PowerCMSの機能では「グループ管理機能」「インポート・エクスポート機能」「カスタムオブジェクト追加」が特にお世話になっています。

これらの機能がどういったものなのか、想定例と実例を交えてオススメしていきたいと思います。

グループ管理機能

これはオブジェクトをグループ化して管理できるようにする機能です。

当記事上での「オブジェクト」というふわっとした単語について補足しますと、ここでいうオブジェクトとはMovable Type上のオブジェクト、つまり「ブログオブジェクト」とか「記事オブジェクト」とかの事を指しています。

Movable Type上のデータは元をたどれば全て「MTObject」と呼ばれる定義に行き着きます。 MTObjectに型(Type)やらなんやらを与えたものが「BlogObject」や「EntryObject」などになります。 <$mt:Blogなんとか$>、<$mt:Entryなんとか$>といったMTタグはそれらの「オブジェクト」から「なんとか」の出力結果を得るタグです。 それだけ多くの「オブジェクト」がMovable Typeには存在します。

すっごいざっくりいうとユーザーやブログ自体に疑似的なカテゴリをつくっちゃうみたいな感じです。

例えば

サイト上にピックアップ記事を表示するエリアがあった場合、ピックアップ記事用の記事グループを作ると便利です。 カテゴリやタグでもできるのでは?と思うかもしれませんが、このグループは内部で順番を保持できます。 カテゴリやタグを使った管理だと「この記事を表示エリア内で先頭に出しておきたいんだよ!」「ピックアップに追加されても代わりに押し出されたら困るんだよ!」ということに対応するのは難しいです。

グループへのオブジェクト追加は手動、もしくは特定の条件(オブジェクトの種類によって異なります)によって自動で行うことができます。 自動追加の場合でもグループの真ん中など半端な位置に追加されることはありません。

弊社の構築実績から使用実例

最前線(運営:株式会社 星海社)のトップページにあるLINEUPはバナーのグループを使っています。 最前線で公開している作品のバナーがたくさん用意されており、更新状況やお勧め度合いなんかで表示順番やバナー内の情報を更新しています。 いちいちテンプレートを直したり公開日時をずらして並び替えるとか時間のかかる事をしなくてよく、リスクや運用コストが低くて良いです。

最前線

(他にもいくつかグループ管理して表示しているコンテンツがあります。)

インポート・エクスポート機能

これはオブジェクトをCSVなどから一括で登録できるようにする機能です。 Movable Typeにもデフォルトである機能なのですが、デフォルトのものはどちらかというとバックアップ的な機能で一括登録には向いていません。

PowerCMSでは記事/ページ、カテゴリ/フォルダなどをCSVファイルなどから一括でインポートすることが可能です。 インポート時にカスタムフィールドの値や、画像などのアセットの紐付けもできるのも良いところです。

例えば

サイト上にある程度フォーマットが決まっているコンテンツがある場合、CSVでインポートすると便利です。 公開するコンテンツを管理しているシステム(多くの場合はExcel)からCSVに変換、インポートが楽です。 用意したコンテンツを1項目ずつせっせとコピペして・・・とするより圧倒的に事故リスクが減り作業時間もグッと減らせます。

特に毎週決まった時間に配信されるコンテンツの時間指定セットなどはインポートから一括がお勧めです。 手作業で時間指定するのはコストとリスクしかないです。

弊社の構築実績から使用実例

最前線(運営:株式会社 星海社)の4ページマンガ最前線では決まった曜日の決まった時間に作品を公開していますが、1週間分のまとまった原稿を一括登録しています。 データ設計は詳しくは書けないのですが、1記事あたりに多くのカスタムフィールドを使用しているため、手作業で登録はすると1件登録するだけで結構な時間がかかってしまうからです。原稿からコピペするにしても、コピペ施工回数が増えれば増えるだけミスをするリスクも増えるため、そういったコストやリスクを排除できるのはとても助かります。

4ページマンガ最前線 | 最前線

なお画像アセットの紐付けにはあらかじめアセットがサーバ上に上がってる必要がありますが、公開前の作品画像が公開されないように別途カバーをしてます。

(他にもいくつかインポートで配信管理しているコンテンツがあります。)

カスタムオブジェクト追加

これはMovable TypeやPowerCMSでは用意されていない新しいオブジェクトを作成・追加する機能です。 より正確には新しい型をプラグインとして出力・追加できる機能になります。

例えば

様々なプロダクトを扱う組織のサイトで記事やページに「関連プロダクト」を紐付けしたい場合、カスタムオブジェクトで「プロダクトオブジェクト」を用意すると便利です。 アーカイブテンプレートのブログ記事リストでのアーカイブマッピングの一つにもなるので「プロダクト」の個別ページを作ることもできます。 記事とは違う系統の記事っぽい何かを作って記事と関連付けたい、みたいな場合は特に使いどころだと思います。

弊社の構築実績から使用実例

ジセダイ(運営:株式会社 星海社)の連載コンテンツではライター情報を「ライターオブジェクト」として管理しています。 ライターさんの書いた原稿からオペレータが 記事を作る > ライターを選ぶ(カスタムフィールド) といった運用がされています。 ライターさんが記事を作るわけではないためユーザーとは別系統で、付与されてるフィールド情報も全く別物です。付与もカスタムフィールドから選ぶだけで、メンテナンスもライター情報を修正するだけと簡単で良いです。

連載 | ジセダイ

PowerCMS導入にあたって

PowerCMSで簡単にできるようになる事の中には「PowerCMSじゃなくてもやりようはある」という物もあります。 カテゴリやタグを屈指して複雑なテンプレートを組み、再構築時間を捧げればグループ機能は代替できるでしょう。 付与用のオブジェクトと見立てた専用のブログを用意して設計構築し、メンテナンスコストを無視すれば擬似的にオブジェクトの追加もできるでしょう。

個別機能単位で言えばフリーや格安の代替になるプラグインがある場合もあります。 リッチテキストエディターや再構築トリガー、まとめて再構築などプラグインディレクトリを探せば見つかるでしょう。 時間(=金)をかければ大体はなんとかできるわけですから、必要な機能は作る事だって可能です。

それらの開発にかかる時間や手間、運用開始後の運用者のストレスや更新負荷をPowerCMSの導入でスパッと切り捨てられます。

コンテンツの横展開、更新頻度など考慮すべき点は様々がありますが、それらがある程度まで達した時果たしてMovable Typeだけで満足に開発・運用ができるでしょうか。

「このプロジェクト、いまのMTで満足に回していけるのか・・・?」

そう思ったらハイエンド化のスタートです。

おわりに

というわけで「PowerCMS、そろそろ使ってみない?」でした。どうです、はじめてみませんか。

オススメポイントなどをプッシュプッシュしましたが、デメリットもあります。

まずお金がかかります。それなりにかかります。サイトの規模に見合わなければ費用に不釣り合いのオーバースペックにもなります。 またプラグインがいっぱい入るため通常のMovable Typeが辛うじて動く程度のサーバスペックでは動作負荷がストレスにもなります。

この辺りはもう予算とスペックとよくご相談くださいとしか書けないですね。

他にどんな機能があるんだろうとか、実際にはどう見えるんだろうとか、試用してみたいとか、関心がありましたら公式サイトからお問い合わせしてみてください。 オススメしたとおりアルファサード社はサポートも厚く、丁寧に案内してくれます。

今こんなプロジェクトを考えている・抱えているんだけど、CMSをどうしようか悩んでる、等ありましたらシナップまでご相談くださいませ。

それでは良きMT/PowerCMSライフを。

シナップではMovable Type、PowerCMSを利用したサイト構築のお手伝いを行っております。
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  • Six Apart、Movable Type、ProNet は Six Apart, Ltd. の商標または登録商標です。
  • PowerCMSはアルファサード株式会社 (Alfasado Inc.)の登録商標です。
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