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SINAP 柿内です。

日本観測史上最大の大地震といわれ、日本中の誰もが経験した事の無い未曾有の大災害「東北地方太平洋沖地震」から、早くも2週間経ちました。直接の被災者は避難所での困難な生活が続き、物資の安定供給もままならず難しい状況が続いています。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

また、直接の被災地ではない首都圏でも計画停電などが続き、日常を取り戻すのにはまだまだ時間がかかりそうです。

そんななか、地震の直後からインターネット上には企業や個人の有志による、復興支援や被災者支援のサービスが多く立ち上がっています。しかし、一口にネットにおける被災者支援・復興支援サービスと言っても、その役割は様々です。
今回はシナップスタッフが調査したものの中から、「誰のための、どのような支援か」という観点から、そのタイプを分類してみようと思います。今後支援サービスなどをご検討されている方のお役立ていただけたら幸いです。

物資・資金援助を目的としたサービス

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震災の被害に会われた地域の状況をテレビ等で知り、「どうにか被災者の方を助けてあげたい」という気持ちは日本国内だけにとどまらず世界各国の人が感じた思いでしょう。そんな思いを具現化するために多くのチャリティサイトが立ち上がりました。

  • Lady Gaga Japan Earthquake Relief Wristband

    レディー・ガガによるチャリティーリストバンド販売。リストバンドの売り上げに自分の寄付金額を上乗せして購入でき、すべての収益は義援金として寄付される。

  • MUJI.net 10円から寄付できる募金ページ

    無印が10円からの少額単位の寄付を商品として作成。

  • Music For Relief

    震災前からある、チャリティサイト。LINKIN PARK 主体で海外のアーティスト達が寄付(額不問)に応じて音楽をオンライン経由で無償提供。チャリティTシャツ等も販売。

  • kizuna311

    渡辺 謙の呼びかけによる「エンターテインメント・コンテンツの差し入れ」
    朗読映像などをYoutubeにアップ、自由に配布してよいことにした。
    特に被災地のローカルテレビやラジオへの無償提供、利用を呼びかけている

  • 寄付する為のレストラン予約

    レストランを予約して、予約代金を振り込む。

    そのお金で被災者に食料を支援。

    復興後予約した人はご飯を食べにいく。


最後に挙げた2つに関しては他の資金援助のサービスとは少し性格が違います。
kizuna311に関しては、当面の災害を乗り切る為の物資や資金援助とは違い、コンテンツを提供しています。さらに、コンテンツを提供して被災地のローカルテレビ等での無償提供を前提にしているので、少なくともそれらの放送媒体が放送可能になった時点での復興支援を目指している所から、ある程度中長期的な支援を見込んでいるのでしょう。

寄付する為のレストラン予約に関しては、当面は被災地支援の資金援助として予約者のお金は使われますが、その後現地での昼食を予約者にサービスとして提供しています。
これにより現地に予約者が出向くことになりそこでの経済効果も見込めます。短期的支援から長期的支援へ繋げるよく考えられた仕組みです。

情報提供を目的としたサービス

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被災者にとっては正しい情報は時には救援物資より貴重なものです。テレビやラジオも無い状態では携帯電話だけが唯一の情報媒体という場合もあります。また、インターネット上の情報はどうしても取捨選択をしなければなりません。もしかしたら、心ない嘘や、悪気は無いが間違った情報もあるかもしれません。その中で正確でわかりやすい情報を提供するというのはとても大事に取り組みです。

情報提供を目的としたサービスには被災者(被災者の家族を含む)の方が利用されるサービスもあれば、被災されてない方が被災地の状況を知るという目的で作られたものもあります。

主に被災者(被災者の家族を含む)の方の利用を前提にしているもの。

避難所で生活している方はもちろん、被災した地域の自宅で生活している方も私達以上に多くの情報を必要としています。そのうえ、情報を取得する手段は私たちより確実に少ないです。
そんな方々へ質の高い情報を提供していく事はすごく重要なことです。

  • パーソンファインダー

    被災地の名簿情報をデータ化し検索できるデータベースを提供。被災地から送られて来た画像データを元にネット上の有志でテキスト化される。

  • 東北沖地震 震災情報サイト

    ユーザーの書き込みを元に震災情報を集めるサイト。医療、交通、物資などの情報はもちろん、日本語以外の情報も掲載されている。

  • negau.org

    被災地に対するTwitterでの情報を地域毎にまとめたサイト。被災地での利用を前提に携帯電話に最適化されている。

  • twitter2csv

    GPS情報から「被災地から投稿されたツイート」だけを検索。現地の生の声だけに、現場では何が起きているのか、また、その人達が何を求めているのかがわかる。

  • OLIVE

    震災地での生活を助けるデザインやアイデアを集めたwiki
    「ペットボトルから皿を作る方法」「ダンボールベビーソファ」「アルミ缶コンロ」など、図版入りで丁寧に説明されている。他言語で書かれているコンテンツもある。

  • Medical e-hon

    災害医療関連コンテンツ 電子書籍無料配布。

  • 週刊少年ジャンプ 無料配布

    震災の影響で被災地では特に本誌の配送ができていない状況をふまえ、特別に無料配布。


個人の安否情報は被災者及び被災者の家族にとって凄く重要な情報です。しかしながら、公共のニュースで個人の安否のを取り扱うことはあまりありませんし、テレビやラジオで公開される膨大なリストの中から探し出すのは大変です。パーソンファインダーの様に検索データーベースを提供するというのはインターネットのニッチメディアという特性をうまく活かした物だと思います。

Web2.0の時に話題になった集合知も健在で、生活に役立つアイデアや、地域毎のリアルタイムの情報を集めたサイトも被災生活の助けとなるでしょう。ただし、膨大な情報から本当に必要な情報を抜き出すのは常に困難な作業で、ともすれば必要な情報が埋もれてしまうこともよくあります。twitter2csvはGPSの情報を元にフィルタリングしていて、情報の選択にかかる工数を効率化をしています。

また、週刊少年ジャンプ 無料配布のように、各企業でコンテンツの無料配布も進められています。少年誌トップのジャンプが無料配布を決断した事で、その他の出版社の対応も今後大きく変わっていくかもしれません。

主に被災されてない方の利用を前提にしているサービス

今回の震災を受けて被災地の為になにかできる事はないかと、皆さんが感じていると思います。しかし、ながら自分に何ができるのかわからないという方も多くいます。残念な事に皆さんのそういう思いにつけ込んだ詐欺サイトも多くあるようです。
実は正しい被災地支援というのは簡単なことではありません。以下に挙げるサイトはそんな人の思いを助ける為に有用な情報を提供しています。

  • Operation Tomodachi

    信頼できる寄付先の情報をまとめたサイト。

  • 助け合いJapan

    災害情報、ボランティア情報、復興情報をまとめた内閣官房震災ボランティ連携室との連携サイト。

  • 頑張れニッポン

    香港に住む人向けの日本支援をまとめたサイト

  • Help Japanese Earthquake and Tsunami Victims

    米国赤十字が運営するサイト。
    Facebookと連動して広めることができる。
    また、何に対して寄付するのかが明確なのも特徴。

関東圏の方を対象にしたサービス

関東圏では震災の影響で発電施設が停止していることにより、計画停電が実施され、交通網や経済活動に影響がでています。また、福島の原子力発電所事故による影響も心配されています。
もちろん現地で被災した方の状況に比べ被害は軽いかもしれませんが、落ち着いた行動をするためにも情報は必要であるといえます。

今後必要とされるサービス

今回取り上げて分類した物は現在立ち上がってるサービスの一部です。一口に震災関連のサービスといっても、支援の仕方、支援の対象者はそれぞれ違います。
共通点として、SINAPで収集したサービスで今回取り上げなかったものも含めて、震災の被災者支援のために今すぐ必要な物が中心に立ち上がっており被災者や被災地を支援する方の有用な情報、システムを提供していることがわかります。
しかしながら、その効果はここ1ヶ月〜半年というものが多いです。もちろん、すぐに被災地の支援するという事は重要ですが、現在の避難生活が終わったとしても、被災地が支援を必要とする事は変わりありません。

神戸の震災でもそうでしたが、残念ながら被災地への関心は事態が落ち着いてくるにつれて薄れてしまいます。募金活動は今はうまくいっていますが関心が薄れるにつれ集まる資金は徐々にへってしましまいます。また無条件に支援することは正しい事ではあるかもしれませんが、確実に個々の負担になってしまいます。
今回の震災は日本人が誰も経験した事の無い大きい物であり、もしかしたら被災地への関心も今まで以上に続くかもしれません。ただ、個々の負担を強いるような物はいつかは確実に無理が来てしまいます。
そうなると、今後は中・長期的な視野に立ち、支援する側も無理無く、それでいて長期間に渡り効果上げる様な施策が必要ではないかと私は考えています。