ソーシャルテクノロジーによる企業戦略
シナップ 大川です。
シナップのサイトにも書かれていることですが、ブログやSNSをはじめとする様々なソーシャルメディアが登場しています。
ソーシャルメディアというと、なんだかネット業界で流行っている限定された世界の話しのように聞こえるかもしれませんが、実はそんなことはありません。
amazonで他の人のレビューをもとに本を購入したり、ぐるなびや食べログの口コミ情報などを基にこれから行くレストランを選んだり、価格.comで、欲しかった液晶テレビの価格や性能をしらべ、どれを買うかを検討するといったことは、みなさんもすでによくやっている行動なのではないでしょうか。(少なくともこのブログを読んでいる方なので、なにかしらネットを活用した経験があると思います。)
一昔前に流行った「電車男」などの例にもあるように、人生相談ですらネットを介してアドバイスを得られる時代です。
今や人々は企業の広告をそのまま鵜呑みにすることはなく、ネットを介して自分の知りたい情報を入手したり、教え合ったりしています。
こうした変化はインターネット初期から「掲示板」などでありましたが、ここ数年、mixiに代表されるSNSや、Youtube、ニコニコ動画などの動画共有サイト、最近ではTwitterなどのソーシャルメディアがこうした変化を加速させ、消費者の行動変化は、着実に広がってきてることを実感する事もすくなくないでしょう。
本書はこうしたソーシャルテクノロジーがもたらす新しい潮流と、こうした潮流に果敢に取組む企業の導入事例をわかりやすくまとめてあります。そして、企業を取り巻く環境がいかに変化したか、またどのように対応していくべきか、どのように活用できるかの指針を示した本です。
取り上げられている例は、海外のものが主ですが、ブログやSNS、コミュニティ、フォーラムなど、すでにメジャーといっても過言ではないテクノロジーの活用事例が主なので、イメージしやすいのではないでしょうか(逆に普及過程にある新しいテクノロジーの活用は慎重に行うようにという示唆もあります)。HPやP&Gなどの世界的な企業の事例、こうした企業がこれらを活用するまでの試行錯誤、そこに至るまでの様々な障害やトラブルなどについても言及されており、これからこうしたソーシャルテクノロジーを導入しようとする企業にとって、役立つ情報が掲載されています。
なんとなく、こうした変化があることを知りながら、どうも漠然としたイメージをお持ちの方、どう活用すべきかなどを一度わかりやすく理解したいという方には一読をおすすめできる本だと思います。
» グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business School Press)