次世代マーケティングのフレームワーク 「トリプルメディア」とは

2011.06.09

こんにちは、内藤です。

マーケティング分野においてここ2年くらいで話題となっているのが、トリプルメディアというフレームワーク。みなさんご存知でしょうか。メディアを Paid media, Owned media, Earned media に分類して考えるというもので、主にコミュニケーションをプランニングするときに使われています。今回はこのトリプルメディアについてレビューしていきたいと思います。


まず、トリプルメディアの3つのメディアはそれぞれは何を指しているのでしょうか。


Paid Media (買うメディア)
マス広告に代表される広告枠を買って情報発信をするメディア。短期的かつ確実に勢いをつけたい時や理性的に比較検討されない商品に有効とされています。

Owned Media (所有するメディア)
企業サイトやキャンペーンサイトのように自社で所有して情報発信をするメディア。営業や販促のコンテンツが多く、商品やサービスへのマインドシェアを広げる目的をもっていることが多いようです。

Earned Media ((信頼や評判を)得るメディア)
ソーシャルメディアなどで消費者の自発的な発言や推奨を中心とし、いわゆるクチコミと呼ばれるものを指します。


このメディア分類は、Twitterはソーシャルな特徴をもつメディアだからEarned Media といったように、サービスごとに分けられるものではなく、状況によってそれがどの分類に属するのかが決定されます。
例えば、企業がもっているTwitterアカウントでファンへ情報発信されたのであればそのTwitterは Owned Mediaとして機能していますが、その情報を受け取ったファンがリツイートして情報発信しているのであればそのTwitterは Earned Mediaとして機能しています。

また、いわゆる5大メディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、インターネット)と呼ばれるものだけがこの分類の対象になっているのではなく、商品パッケージや店舗など消費者と企業をつなぐすべての接点や仕組みをメディアとしてとらえ、3つに分類していきましょうというのがトリプルメディアの基本的な考えのようです。(「トリプルメディア」とマス広告の役割より)。

では実際にどのようにトリプルメディアの考えを活用していくかと言うと、企業活動での最終的なゴールとそこに到達するまでのユーザとのコミュニケーションのストーリーの中で、どこでどのメディアを使用すれば目的を達成し、最大限の効果が得られるのかを考えるときが多いようです。これは、ストーリーの中でそれぞれのメディア特性をもとに戦略を考えながら、一方でメディアを組み合わせることによる相乗効果を狙えるようなストーリーを描くことが重要になってきます。

最近では、テレビや新聞などのマスメディア(Paid Media)を使って商品やサービスの認知度を上げ、興味をもったユーザをキャンペーンサイトなどの自社サイト(Owned Media)へ誘導し、そこでクチコミ(Earned Media)を発生させ、そのクチコミをみたユーザをまたキャンペーンサイトへ誘導する、といったパターンがよく見受けられます。メディア戦略の目的はそれぞれの商品・サービスによって異なると思いますが、このパターンがそれぞれのメディア特性をうまく生かした連携をとり、コミュニケーションのひとつの王道ストーリーとして定着しているようです。

このトリプルメディア、コミュニケーションをプランニングするときのひとつの参考にしてみてはいかがでしょうか。


参照サイト
トリプルメディアの解釈 『ADKインタラクティブ総研』
トリプルメディアの再考?!? 『オルタナティブブログ』
トリプルメディアの再考?!? ソーシャル時代のブランドとは 『オルタナティブブログ』
トリプルメディアの再考?!? 情報・ブランドのソーシャライズ!? 『オルタナティブブログ』

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