「Adobe Creative Cloud 徹底活用セミナー」を受講してきました
おひさしぶりです、シナップの守谷です。
先日、新サービスをリリース予定と話題になったキュレーションサービスGunosyですが、みなさんは利用されていますか?このGunosyから私へ配信されたものに、今回紹介する「Adobe Creative Cloud 徹底活用セミナー」がありました。
ご存知ない方のために簡単にGunosyについて補足しておくと、アカウント登録(SNSなどのアカウントも登録)をすると、各個人に最適化された情報をひとまとめにして、毎日メールマガジンとして配信してくれるサービスです。「独自のアルゴリズム」で使えば使うほど精度が上がるそうですが、これが時間の取れない時などとても便利です。
このセミナーのトピックスを見ると、私達デザイナーの普段お世話になっているCreative Cloudや、Web業界でも話題の電子出版、それからWebの制作現場を変えてしまうのではないかという懸念を私に抱かせたAdobe Museの名前が並んでいました。そこで即座にスケジュールをチェックし、Adobeの攻めを見てこよう!と意気込んで参加をしてきました。
今回はその内容レポートを(軽め)。
全体的な私見まとめを先述してしまうと、Museや電子出版の文字に引きずられて(また、開催地であるヒカリエにNHNやDeNAやKDDIが入っているイメージから?)Webの未来像の垣間見えるセミナーを予想していました。しかしその実、どちらかというとDTPなどアナログメディアのデザイナーが、どうWebに立ち向かうかという内容でした。
おそらく周りにいた参加者の方々の多くが、DTPのデザイナーさんだったのだろうと予想できます。
確かに、私の周りのDTPデザイナーたちも、「もういい加減、Webのことがわからないとやっていけなくなりそう!どうやって勉強したらいいの」という風に連絡をよこします。
今回はそういったセミナーから見た、Creative Cloud、そしてWebが、どのように扱われていたかいつもと少し違う視点で関われたので、その感想を中心にお届けしていきます。
Illustrator
まずはIllustratorについて。
こちらは全くWebとは関係のない内容でした。Creative Cloudになって、データ納品時に起こりうるミスを低減させるための「パッケージ化」機能が加わったそうです。私も社内のプロジェクトの時などにDTPのデザインを受け持つことが今までもありましたが、何かしら不備がないか毎度心配をしていました。InDesignに入っていたそういった機能が今回、Illustratorにも追加されたそうです。
InDesign
そして、そのInDesign。正確に言うと、「Adobe Digital Publishing Suite(ADPS)」。ADPSから電子出版を行うにはどうするのか、という内容。
こちらでは、電子書籍の普及率やタブレット端末の所持率、今後の展望などが最初に紹介され、今後来る電子書籍・出版時代に「紙のスキルでできてしまう」電子出版が紹介されました。
普段Webに関わる私達が触れる電子出版の形は、いかに紙の書籍との差をつけるか、という点に重きを置くプレゼンテーションの仕方をみていたので、いかに今までと同じものを電子書籍で見せるのか、という表現をされていたのが印象的でした。
Adobe Ideas
休憩を挟んだあとに紹介されたのは、世界初公開のAdobe Ideasの次期バージョン版(Adobe Touch Apps)。
iPhoneやiPadでのドローイングツール(アプリ)なのですが、今回の紹介のされ方は少し変わっていて、Creative Cloudのサーバと同期される(しかも描いたデータはベクターデータ)ことにより、たとえばPCから同期されたデザインデータにタブレット上からアカ入れをし、それをクライアントと制作者間などで共有することができたり、逆にIdeasでラフを書いてそのままPCへ送ることができたり......という使い方をすることで、今までと少し違うワークフローが生まれそうな予感がしました。手書き校正すら、電子化の時代です。
Muse
最後に、私が一番見たいと思ったMuse。
こちらは兼ねてから、「HTMLの知識も何もなくてもWebデザイン」と話題にされていたツールなので、そんなものをAdobeが出したら私たちの仕事はどうなってしまうの......!!と思っていたので、これまで以上に力を入れながら拝見していました。
結論からいうと、おそらく当分の間、Web制作の現場は何かを崩されることは無さそうだというイメージを私は受けました。
以下、(まったく批判をしているわけではないのですが)雑感を記載します。
まず、Museに対する私の勘違いとして、Museは誰も彼もが簡単に何も考えることなくWeb制作をできるツールではなく、紙のデザイナーが越えるべきWebのハードルを代行してくれるツールがMuse、でした。おそらく、あれがしたいこれがしたい、とデザイナーが思うことをツール間のマークの差の克服程度ですぐに使えるようになるものでしょう。
ただし、それよりなにより、プレゼンされる内容を拝見しながら私が強く感じたのは、紙のデザインとWebの文化とがあまりに違うという点でした。「コンテンツの量に応じて高さが伸びていってしまう一見親切な機能」をオフにする、とか、「画像で書きだしたくないテキスト(ただしWebフォント)のカーニングが......」という、紙のデザイナーならではの本音の意見が見えました。それを伺い、Webならではの「見栄え(表現)と機能(使い勝手)を同時に構築していく」というノウハウに長けている限りは、Web制作の仕事がMuseに取られることはないだろうと感じました。Webの技術や表現というのは、もはやコンテンツだけでなくその周りの媒体(メディア本体)部分までを作ることですからね。
以上、(最後のまとめが否定的に見えるかもしれませんが)Adobe Creative Cloud 徹底活用セミナーの受講レポートです。
Adobeでもアーカイブがまとめられていました。動画が公開されているので、気になった方はご覧ください。Ustreamも公開されています。
また、Creative Cloudについては、CHANGE NOW | Adobe Creative Solutionというページで紹介されています。
当日の「#cctk」というハッシュタグのついたツイートのまとめをTogetterに勝手に作成させていただきました。当日の生の声をご覧いただけます。