セミナー「クリエイティブ・ディレクター、アートディレクターのアイデアの出し方。」に参加してきました!

2013.11.13

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こんにちは。デザイナーの飯山です。
SINAPがある明治神宮前も11月ともなるとイルミネーションの灯りが増えてきました。ちょっとずつ年末感を感じますね。さて、今回は11/2(土)に開催されたセミナー、「クリエイティブ・ディレクター、アートディレクターのアイデアの出し方。」に参加してきた内容を紹介します。

Flash情報発信サイトのF-site主催による今回のセミナーは、「デザインや映像や音楽や文章など、あらゆるクリエイティブワークの源泉となる「アイデア」を、普段制作をする上でどのようにして膨らませ、アウトプットへとつなげていくのか。」というテーマで行われました。

会場には雨の中100人前後の参加者で賑わい、隣りに居合わせたのはフリーランスのWebデザイナーの方だったのですが、参加者はやはりデザインやクリエイティブに携わる人が多いと感じました。

それでは、登壇者から語られた制作の根底にある考え方をピックアップしていきたいと思います。


「ライゾマティクスというチーム」ライゾマティクス・齊藤精一氏


カンヌ国際広告祭でのPerfumeによるライブパフォーマンスやau ~FULL CONTROL YOUR CITY~をはじめとして、テクノロジーを駆使してクリエイティブシーンを常に牽引し続ける集団、ライゾマティクス。その代表を務め、自身もクリエイティヴ&テクニカル・ディレクターである齊藤精一氏が大事にしてることとは...。


「チーム」

何が現場でできるか。完全現場主義。みんなで集まって作る、作るために考える。


「フィジビリティー」

実際に作れるかどうかという現実性があった上で、実際に作れるものとその上の危険領域(できるかできないかのぎりぎりのところ)を攻めていく。


「いつも現場のことを考えること」

もしも自分でつくるならどうするかの知識をつけること。


「自分のチームを創る事」

自分の考えわかってくれる、他のチームの事がすぐわかるチームを創る。


「広い知識と、深い知識」

局所的に深い知識がプロとして必要。


「考えるだけの人・信頼」

技術ではなく、プロジェクトに貢献する際の信頼のことで、ポジションの役割として考えるだけでそれがカタチになる現場には来ないでは、信頼は得られない。


「一人一役の時代の終わり」

もっと汎用性のある知識を技術を身につける。


「一人になった時」

その時に自分は何者なのかを考えよ。


「敵を創る」

ライバルをつくることで、自分の立ち位置を明確化できる。


「クレジット」

関わった全ての人は賞賛されクレジットされるべき。一人一人のモチベーションを大事にする。


齊藤さん自身も頭だけでなく手を動かしながら、現場では肩書きではなくできることに則して進行して行くという姿勢にとても共感しました。実際それを実行するのはカンタンなことではないんですよね。現実のものにテクノロジーを活かした新しい見せ方やアプローチが個人的にもとても好きな方たちなのですが、取り組み方として、「今までの知識や経験を全て使うこと」やNIKEの広告キャッチコピーで使われてた「いつか遊びがモノをいう」というアプローチも印象的でした。


「映像を考える」イエローブレイン・丹下紘希氏


Mr.ChildrenやMONKEY MAJIKなど様々なミュージック・ビデオやTVCMといった多くの映像作品を手がけるイエローブレイン・丹下氏。彼が映像を監督する上で大切にしてきたものとは...。


・視覚の外側の「世界」を感じること

・世界は不思議に満ちていることを信じること


映像作品を観ながら独特のリズムでのたくさんのお話をされてたのですが、上に挙げたのはほんの一部です。
その中でも印象的だったのは、セミナー参加者への「視覚の外側の世界」の気づかせ方です。

(良かったら周りの方と試してみてください。)

「3人一組になってください。」

「3人でじゃんけんをしてください、ただし目をつぶって。」

「結果はどうでしょうか?」


参加者はじゃんけんの結果を知るために、声に出してみたり、互いの手元を触ってみたり、目を閉じたまま3人でコミュニケーションをとりながら模索する様子が見られました。目を開けてみればその結果はすぐにわかるのですが、私たちデザインナーは普段、視覚に頼った表現をどれだけしてるでしょうか。味覚・嗅覚のデザインはまだしも、聴覚や触覚を含めて考えることで新しい表現や考え方のヒントを得られた気がしました。

ここで得た気づきを、丹下さんはこんなかたちで作品として表現しています。


「液晶テレビに映像を流したのですが、女の子の傷がある位置に合わせて、液晶テレビの画面を縫うということをしたんです。」


今回のセミナーは、株式会社harahara・藤原連太郎さんがトップバッターを務めていました。会場の最寄り駅を間違えアクセスに戸惑った結果、私はお話を一部しか聴くことができなかったのですが、藤原さんのブログは、Webデザインへの実践的なアプローチがたくさん綴られてるので、とても勉強になると思うのでご紹介します。(藤原さんがまた登壇する機会も心待ちにしたいと思います。)

harahara BLOG
http://harahara.org/


デザインの大きな方向性の舵取り役を担うアートディレクター。確かなデザインスキルの上にたくさんの知識と周りの人への配慮が、熱量と相まって施されていると感じ、アイデアの出し方の礎に触れることができた楽しい機会でした。

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