なにげないレビュー動画に、突如忍び寄るバンパイア - コメディホラードラマをYouTube上に張り巡らせる壮大なキャンペーン -

2013.11.08
2013-11-08 2.42.12.png

皆さんはネットの広告に釣られることってありますか? 僕は釣られました、この動画で。



最近、YouTubeのレビュー動画にハマっています。
(「レビュー動画」とは別名「開封動画」との言われたりしますが、カメラなどのガジェットを自腹で購入してレビューする動画のことですね。)


普段は広告動画もスキップするし、広告バナーなんてほとんどクリックしませんが、今回は自然に誘導されてしまいました。


まずは、この体重計レビュー動画をご覧ください。
(面倒な方は4分10秒あたりからご覧ください。)
(さらに、面倒な方はスクリーンショットを張ってますので、そちらでご覧ください。)





普通のレビュー動画なのに突如、白い妖怪が現れ、

2013-11-08 2.47.40.png

いきなり中2病な展開に。

2013-11-08 2.52.17.png

この白い妖怪が気になって仕方がなくなり、迷わずアノテーション(ストーリーセレクトのボタン)をクリックしてしまいます。

2013-11-08 2.52.44.png

このレビュ―動画は瀬戸弘司さんという愉快なレビューをする有名YouTuberさんの動画なのですが、常々このようなドラマティックな動画を配信しているわけではありません。



その先では、劇団スカッシュというYouTube上でコンテンツ発信を行なっている役者ユニットが演じる「Stalking Vampire」(通称、「隙間男」)というコメディホラードラマが展開されていました。

2013-11-08 2.56.30.png

そしてハマり、劇団スカッシュのチャンネル登録に至ります。

2013-11-08 3.06.48.png

これは一体なんだったのか?



調べてみると2013年2月15日(金)に六本木にオープンしたクリエイター向けスタジオ「You Tube Space Tokyo」に絡めた壮大なプロモーションの一環でした。


「Stalking Vampire 隙間男」は結末までゲームブックのようにストーリー選択して進むコメディホラードラマで、全28動画で構成されています。

2013-11-08 3.23.49.png

28の動画の中には本編ストーリーや僕が体験した有名YouTuberチェンネルが入り混じり、ユーザーはそれらをジャンプしながら最終ストーリーに到達します。

参加チャンネルは僕が観ていたYouTuberを含む国内外の有名YouTuber計20チャンネルとのこと。 YouTube内で展開されていたスーパーコラボレーションな企画でした。



さらに、一般YouTuber(という言い方は変ですが)向けに、自分の動画に好きなようにドラマの主要キャラクター「隙間男」を登場させることができるのグリーンバック素材を配布し、公式コラボ28動画以外にも無数に隙間男動画がYouTube上にが展開されています。

2013-11-08 3.27.17.png

YouTube Space Tokyoは動画クリエイターを支援する施設ですが、 当事者全員が幸せになれる非常に理にかなったプロモーションだったのではないかと思います。



企画の上手だなあと思う点をまとめてみました。


・YouTube内の有名チャンネルを最大限に活用
多種・多方面の有名YouTuberのチャンネルをドラマに絡めることで、彼らの高い再生数を活かして、手広く様々な層をドラマに誘導することができているのではないかと思います。また、YouTube Space Tokyoの目的は動画クリエイターを支援することなので、有名YouTuberの企画参加の時点で施設を認知させる目的は充分達成できているでしょう。また、グリーンバック素材利用のためのワークショップなども開催し、一般YouTuberに対してもアプローチが図られています。


・サプライズ感のある告知で自然に引きこむ。
「ドラマやってるので見てね〜」ではなく、動画そのものがドラマへの急展開により、従来の広告とは違い自然にコンテンツへの誘導ができています。特に自分が好きなYouTuberが演じているということも信頼度が高く、興味を引くのではないでしょうか。


・コラボレーションが密
YouTuberがドラマ本編に出演するなど、コンテンツに深く関わっているようです。さらに自らYouTube Space Tokyoの紹介や企画解説の動画・ブログで発信を行い、28の動画以外にも自発的に告知を行い、拡散に貢献しているようです。


・ドラマのクオリティ
個人的な意見でもありますが、ドラマが面白い。1動画の長さもちょうどよく、次の話が気になる展開になっています。舞台となった日本家屋はYouTube Space Tokyoにセットを組んで撮影されてきちんとお金もかけているようです。内容もホラーコメディでちょうど今のテレビでは放送できないぐらいの感じもYouTubeらしいと思いました。



ちょうど11月15日から劇団スカッシュによる新作「さよならヒーロー」がYouTubeで配信開始となります(今回も有名YouTuberがドラマに参加しているようです。)。

劇団スカッシュはドラマ以外にも企業広告を劇団スカッシュ脚本でコント風した動画など色々楽しい動画があります。個人的にはオススメです!

この記事をシェアする
このサイトでは、利用状況の把握などのために、プライバシーポリシーに基づき、Cookieを使用してアクセスデータの取得・利用等を行います。