3Dプリンターによるモックも登場!シナップの月一ランチ勉強会レポート「Apple Watch」

2015.01.28

Apple Watch 模型

こんにちはシナップ大川です。

シナップでは毎月「ランチ勉強会」という、みんなでお弁当を食べながら行うカジュアルな勉強会があります。 テーマは毎回異なるのですが、昨年12月に行ったデザイナーチームの発表では、今年3月発売とも噂されている話題のウェアラブルデバイス「Apple Watch」について、デザイナーらしい視点からさまざまな発表が行われました。

今回は3Dプリンターを駆使してモックアップまで作り、"体感"しながら行った面白い勉強会です。

意外と知らないApple Watchのいろいろ

Apple - Apple Watch

Apple Watchについてはその外観などご存知の方も多いと思いますが、実際にどのようなことができて、どのように便利か、また私たちのように作り手側として抑えておきたいポイントなど、実はまだよくわからないということがたくさんあります。

今回の発表ではまず基本である外観やスペックなどの公式に発表されている情報を皮切りに、バッテリーの持ち時間から価格まで、まだ噂の域を出ない情報も含めて、シナップ・デザイナーチームが徹底的に調査した情報でこのガジェットを浮き彫りにしていきました。

ざっとおさらいすると、、、

  • サイズは42mmと38mmの2種類
  • デザインは「Apple Watch」「Apple Watch SPORT」「Apple Watch EDITION」の3つのスタイルにカテゴリー分けされ、現在発表されているものは全部で34種類
  • カスタマイズ可能な多彩な文字盤
  • メッセージ、通話、メールなど基本的なコミュニケーションツールはもちろん搭載
  • 電話の着信音を消したい時は手で覆うだけだったり、メッセージを拒否したい時は腕をおろすだけなどアクションによる操作ができるらしい
  • Apple Watch同士では簡単な絵を送ったり、振動を送ったりできる
  • 消費カロリーなどのアクティビティ計測
  • ワークアウト(トレーニング)管理
  • ズームやスクロールを行う「デジタルクラウン」を搭載
  • 心拍センサーを搭載
  • バッテリーはあまり保たず、毎日充電が必要になるらしい
  • 価格は350ドル〜1,200ドルとの噂
など話題にあがりました。

ランチ勉強会風景

WatchKitとHuman Interface Guidelines

また、先日ディベロッパー向けに発表された開発キットWatchKitとUIデザインのガイドラインHuman Interface Guidelinesなどから、UIエレメントやレイアウトルール、カラー、タイポグラフィなど、実際に開発をする際に抑えておくべきポイントを共有しました。

この辺りの技術的なお話はより詳しいサイトにゆずりたいと思いますが、ざっくりというと、Apple Watchのアプリは単体ではなく、iPhone側にあるアプリが様々な処理をおこなった結果を受けとって表示するような仕組みになっています。また現状カスタムUIが使用できないなど表現上の制約は多くありそうです。
おそらくバッテリーや処理機能の都合上だと思われますが、こうした新しいプロダクトの初期の頃は、仕方がない事かもしれません。

デザイナーの観点でいえば、42mmと38mmという微妙なサイズ差を考慮にいれることや、小さな画面に配置されるパーツや文字の適切なサイズ、最小サイズについての確認が行われました。また背景色に黒が推奨されている点など色についてもいくつかディスカッションを行いました。

watch kit

Apple Watchを利用したサービスを考える


さて、こうして理解を深めたApple Watchですが、実際にはどのような利用が考えられるでしょうか。みなさんならどのようなことが思いつくでしょうか。

今回、シナップのデザインチームでは「自分達がこの新しいデバイスを活用したサービスを作るならどのようなサービスが考えられるか」という事前のワークショップと、そのなかから選ばれたアイデアの簡単なプロトタイプ(静止画)を作成して発表しました。

デザインイメージ
久保田が考えた大型屋外フェスで利用するチケットつきのアプリ

ワークショップではリーンスタートアップの手法でおなじみのリーンキャンバスを利用して行いました。単純な「あったら便利だよね」というアイデアではなく「ビジネスとしても成り立つ」という視点もふくめて、なかなか難しいお題にメンバー全員チャレンジしました。

3Dプリンターで作ったモックを利用した体験会

3D プリンターで制作しているところの様子

そしてプロトタイプを眺めながら、「でもこれって手にあって見やすいのか、使いやすいのか、その必然性は...」という疑問がわいたところで、今回の発表の目玉として用意した、3DプリンターでつくったApple Watchのモックの登場です。 全員分用意されたモックは、クリスマスプレゼントとしてスタッフ全員にプレゼントされ、実際にみんなで手につけて、その身体的な感覚も踏まえて、この新しいデバイスについてディスカッションを行いました。

2種類のサイズのモック クリスマスプレゼントとして全員分用意したモックアップ

スケール感とユーザー体験

みんなでつけてみました!

Apple WatchはiPhoneのように人々の生活を変えていくのか...。それについては懐疑的な意見も多くみかけます。
便利なのか、便利ではないのかといった話題はわたしたちもこの発表会のために調べていく中、実際にサービスを考えてみたなかで色々と思うところがありました。
まず、現状のApple Watchでできることは、iPhone上のアプリを親アプリとして、通知や簡単な操作を受け付けるというものに限られています。様々なサービスを考えてみた時にも、「それだったらをiPhone出して操作すればいいんじゃないの?」という素朴な意見に打ちのめされるアイデアも多くありました。

一方、iPhoneとの違いはまさに身につけているという点ですが、通知ひとつをとってみても、そのちょっとの違いが大きな違いになることも考えられました。

特に今回は実際のスケール感を体験する事で、こうした違いについて、画面上のものを見ながら想像で考えるよりも、よりリアルに感じ、使う人のシチュエーションに寄ったさまざまな検討が出来たかと思います。

Apple Watchには42mmと38mmの2サイズが用意されていますが、この4mmの差も実際に手につけてみると意外と大きな差に感じたり、操作性についてちょっとした発見があったりするものです。

Apple Watchに限らず、最近では様々なサイズのスマートフォンやタブレットが登場していますし、今後登場するであろう多種多様なデバイスを考える時、こうして実際のサイズ感を試してみる事の重要性を改めて感じました。
(3Dプリンターがここまで気軽に利用できるようになったからできることでもあり、最近のこうした私たちモノ作り周辺の変化を実感させられます。)


最後に恒例になりました今回のお弁当です!
お弁当
今回は自然栽培/有機栽培の野菜にこだわったケータリング「MOMOE」さんのカワイイお弁当でした!

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