"littleBits"を使ってSINAPデザインチームでIoTデモ作品を実際に作ってみた!
みなさんこんにちは!富川です。
さて、以前も何度かブログでお伝えしていますが、SINAPでは職能チームに分かれた「チーム発表」を月に1度お弁当を食べながら自由なテーマで行っています。
<これまでのデザインチームの発表抜粋>
「AndroidとiOSにおけるUIの違いを知ろう!!」
「エンジニアの服の色はエンジとグレーが多い!? 1ヶ月間こっそりシナップメンバーの服の色を観察してみた記録!」
「3Dプリンターによるモックも登場!シナップの月一ランチ勉強会レポート「Apple Watch」」
今回私たちは今話題のIoTをテーマに選び、2部構成という形で発表を行いました。
前半はAD大川からの「そもそもIoTとは?」という内容のプレゼンです。そして後半はデザインチームで実際に作ってみたIoTデモ作品をお披露目する時間としました。
今回のブログでは、デモ作品とその制作過程をご紹介させてもらいます!
なぜIoTをデザインチームが発表テーマに選んだのか?
インターネットとつながるユーザーの接点すべてをデザインしていきたいSINAPではIoTに強く注目しており、ブログでもメンバーそれぞれがご紹介しています。
プログラミングやインターネットの深い領域に入るとデザイナー的には苦手意識を持ってしまいがちですが、あえて今回の発表ではその部分に取り組み、自分たちも実際にIoTへ取り組んでみよう!ということになりました。
littleBitsを使ってみよう!
私たちがデモ作品を作るにあたって、何を使うかをまず検討しました。
Arduino、Raspberry Piなど沢山の選択肢がありますが、私たちは今回"littleBits"を使うことにしました。
littleBitsって聞いたことありますでしょうか?以前の私のIoTまとめブログでも少しだけご紹介したのですが、アメリカ生まれの電子工作ツールです。
カラフルなパーツは両端が磁石になっているので、レゴ感覚でパチパチと気軽に組み合わせることができ、電子工作ではお馴染みのはんだごての作業が不要です。
littleBitsの公式ページでは面白いデモ作品がたくさん紹介されていて、TEDでも創業者のアヤ・ブデール氏が熱いスピーチをされています。
littleBitsはさまざまな機能を持ったパーツで構成されており、数種のキット(¥13,500〜)と個別パーツ(¥810〜)で販売されています。
今回私たちはIoT作品を作りたかったので、インターネットを介してlittleBitsを動かすことのできる注目のキット『CloudBit』を購入し、それ以外で必要となるパーツは個別に購入していきました。これらの購入には、チーム毎に申請できるチーム予算を使いました。
littleBitsとは?
littleBitsの大きな特徴はこちら。
1. 4色のカラフルな色分け
2. 両端が磁石
→抵抗処理などもされており、はんだごてが不要で気軽にパチパチと接続できる
→接続を間違えると磁石が反発するので、失敗が少ない
カラフルな4色にはそれぞれ下記のような意味があります。色分けされているので、パーツがたくさんあってもすぐに使い方を理解することができます。
littleBitsマスター、田中正吾さんの登場!!
littleBitsでデモ作品を作ることは決まったものの、IoTと絡めてどんな風にデモ作品を作っていくのか悩んでいたデザインチームのもとへ、心強いlittleBitsマスターが助けに来てくださいました。
田中正吾さんは、以前からSINAPと交流があるフリーのエンジニアとしてご活躍されている方で、最近ではIoTにも力を入れ、littleBits関係の登壇や記事投稿も活発にされています。CloudBitについて調べていると田中さんの記事が沢山ヒットして、大いに参考にさせていただきました。
1ft-seabass.jp.MEMO:http://www.1ft-seabass.jp/memo/
SINAPへ遊びに来てくださった田中さん、スライドまで作ってきていただき、丁寧に分かりやすく教えていただきました。その時のスライドがこちら。
CloudBitを使ってどんなことができるのか、いろんなアイデアやヒントのほか、デモ作品を実演する時のコツなどもこれまでの豊富なご経験から教えていただきました。
IoTデモ作品発表!
その後数週間、業務時間の合間を縫ってチーム内でアイデア出しを行い、実際に作品へ落とし込んでいきました。最終的に完成したものが、こちらの3作品です!
作品No.1:「みんなでチャイムを鳴らそう」
最初の作品「みんなでチャイムを鳴らそう」は、デザイナー久保田が手作りしたSINAPくんのボタンを押すと、まずチャイム音が大きく鳴ります。同時にIFTTTを介してSlackのチャンネルへ「チャイムが押されたよ」という通知が自動で投稿されるというものです。 これがあれば、玄関のチャイムを押すたびに記録が残り、はるか遠くのメンバーにもお知らせが届けられます。
IFTTTを間に挟むと、Twitterなど様々なサービスへCloudBitをつなげることができてとても面白いのですが、連携がうまくいかないことも多く、最後まで悩まされました。
作品No.2:「みんなでつなごうシナップの輪!」
2作品目「みんなでつなごうシナップの輪!」は、CloudBitを使わず、MakeyMakeyというパーツを使っています。MakeyMakeyとは、通電するものならバナナでもペットでも、なんでもつなげて面白いことを起こせてしまいます。YouTubeにも様々なおもしろい作品が挙げられています。
今回私たちは、発表というみんなが集まる機会を利用し、全員で手をつないで電流を流すことにしました(と言ってもごく微かな電流なので、バチッとなることはありません)。
坂西さん人形の髪の毛(針金)を持った人とMakeyMakeyの端っこを触っている人が、みんなの手によってつながり、SINAPの看板が動いてライトが点灯します。
ごくわずかな電流をしっかりキャッチするので、指一本つないだり離したりするだけでもきちんと反応します。この作品はIoTとは関係ないのですが、みんなに参加してもらう作品を作りたかったのでやってみました。ちなみに普段シャイなSINAPメンバーが手をつないでみた光景がこちら。
作品No.3:「みんなでお祝いおめでとう!」
最後の作品「みんなでお祝いおめでとう!」は、CloudBitのスマホ管理画面上でボタンを押すと、遠隔操作でモーターが回って紐が巻き上げられて、くす玉が割れるというものです。IFTTTを介さず、CloudBitを利用してパーツを遠隔操作した作品でした。
このくす玉はデザイナー小茅の力作で、風船に和紙を貼り付けるところから始まり、くす玉が高確率できちんと割れるようになるまで何度も改修を行いました。割れると出てくるお祝い札も手作りです。(SINAPは今年の9月で創立11周年でした!)微妙な力加減で動かなくなってしまうのですが、本番はきれいに割れて拍手が沸き起こりました!
IoTデモ作品を作ってみた感想
デザインチームで初めてIoTデモ作品を作ってみましたが、チームメンバーの感想はこちら。
アイデアから実装まで一連の流れを経験したことで、IoTをより身近に感じながら新しい知見を得ることができました。」
また、IoTプロダクトを企画するにあたって、仕組みや機能に絞って簡単な電子工作でプロトタイピングできるので、littleBitsを使うメリットも大きいと感じました。今回、遊びながらIoTに触れて学べる発表ができたかなと思います。」
お知らせ
私自身最近littleBitsに明け暮れているのですが理由があり、実は来月開催されるデジタルアートイベント「Playground!2015」の運営に加わっており、その中でlittleBitsを使った電子工作ワークショップを行います。このワークショップは先ほどの田中正吾さんにもご協力いただいています。
【開催概要】
会期/2015年11月1日(日)
会場/デジタルハリウッド東京本校 東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティアカデミア3F/4F
開催時間/11:00〜18:00
料金/無料(ワークショップの参加は要事前予約、材料費)
展示詳細/http://panon.tokyo/playground/
ワークショップお申込み/http://playground.connpass.com/event/20045/
ワークショップは、小学生の親子連れ対象の前半と、簡単なプログラミングを使った一般対象の後半に分かれています。お気軽に電子工作へチャレンジすることができるワークショップですので、ぜひご参加ご検討いただければ幸いです。
また、別会場ではデジタルハリウッド東京本校のスクール生・卒業生を中心に、協力企業ともコラボしたデジタルインスタレーション作品の展示も行い、こちらは無料でお楽しみいただけます。
SINAPからも今回のデモ作品の改良版を出展しますので、11/1(日)御茶ノ水へぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです!
それではまた。最後までご覧いただきありがとうございました。