社内勉強会レポート「デザイナー・有馬トモユキ氏をお招きして」
みなさんこんにちは、富川です。
シナップでは時々社内勉強会を行っていますが、先日はデザイナー・有馬トモユキさんをお招きして勉強会を開催しましたので、今日はそのレポートをご紹介したいと思います。
有馬トモユキさんのご紹介
有馬トモユキさんは日本デザインセンターに所属され、書籍やアニメ、音楽関係など幅広い分野の第一線でご活躍されているデザイナーさんです。代表作として、TVアニメ(『Fate / stay night』、『アルドノア・ゼロ』、『ブブキ・ブランキ』)やゲーム『凍京NECRO<トウキョウ・ネクロ>』、書籍(『竹画廊絵にっき』、『手のひらの露』)などがあります。
ポートフォリオサイトからこれまでの代表的な作品を詳しくご覧いただけます。
昨年は有馬さんの著書『いいデザイナーは、見ためのよさから考えない』(星海社新書)が刊行されました。また、Web界隈の方なら馴染みの深い"Wantedly"のロゴを作られていたり、 タイポグラフィの学校として名高い「朗文堂・新宿私塾」さんで講師としてもご活躍されています。
今回の勉強会には、「ブブキ・ブランキ」や「アルドノア・ゼロ」などの作品でお仕事を共にされているワン・トゥー・テン・デザインの瀬島さんもご来社いただき、実際の制作物を手に取りながらお話を進めてくださいました。
デザインへのアプローチ
有馬さんのお話を伺ってまず驚いたことが、取り組む対象に対して非常に深く入り込んで制作される姿でした。デザインする対象に対してよく理解した上で取り組むべきということは頭では理解していながらも、有馬さんの場合は想像をはるかに超えるレベルで深く入り込んで取り組まれていました。
販促物のジャケットやアニメのシーンで使われる多様なパーツなど、1つの作品で有馬さんが手がけるものは多岐にわたりますが、一部分の頼まれたモノだけをデザインするのではなく、クライアントやコアなファンでも気づかないような細部まで考え抜かれた上でひとつひとつデザインされているので、それらの制作物が重なり合って作品全体の世界観が構築されるのだと感じました。
インフラとしてのデザイン
また、最近取り組まれたTVのドキュメンタリー番組でのアートディレクションのお話も伺いました。
どんなプロジェクトも途中でやむを得ない変更など起きやすいものですが、まず使用するタイポグラフィなどでデザインの軸をしっかり定めておくことで、様々な変化に柔軟に対応しながらプロジェクトを円滑に進めていくことができたそうです。"デザインの力で作品全体のインフラを整える"という言葉にハッとする思いでした。
とても熱量を感じる有馬さんのお話でしたが、なぜここまで深く入り込んだ制作を続けるのか?という問いに対しては、「日本のアニメなどを輸出品目としてもっと強くしていきたいという想いがある」と答えてくださいました。2時間ほどお話しても尽きなかったお話や質疑応答は、懇親会へ続いていきました。
参加メンバーの感想
勉強会に参加したメンバーの感想をもらいましたのでご紹介させていただきます。
デザインはもちろん作品やクライアントのことを常に誰よりも考えていて、有馬さんのCoolなデザインの内側にある圧倒的な熱量に非常に刺激を受けました。
以上、今回の勉強会のレポートをお届けしました。デザイナー陣もたっぷりの刺激を注入される日となりました。有馬さん、瀬島さん、ありがとうございました!