社内勉強会レポート「カスタマージャーニーマップの基礎講座」
こんにちは、富川です。
シナップでは時々社内勉強会を行っていますが、今回はディレクターの内藤を講師にして、カスタマージャーニーマップの基礎講座を行いました。今日はその様子をご紹介していきます。
開催の経緯
今回講師をしてくれた内藤は、以前からUXやサービスデザインの分野への関心が高く、シナップ内でもその分野での経験や知識が特に豊富で、最近はクライアントがカスタマージャーニーマップを作成する際の指南役としての活躍の機会も出てきました。
内藤のインタビュー記事: シナップディレクターのキャリアインタビュー/内藤万弓
また、シナップではディレクター以外もカスタマージャーニーマップを作成したり、それを理解・活用する機会が多くなり、まずは基礎的なジャーニーマップの作成方法を身に付けたいスタッフが増えてきています。
そこで今回、社内スタッフ同士の勉強の場として、カスタマージャーニーマップ基礎講座を開催することになりました。
勉強会の概要
通常は3〜4時間ほどかけて作成していくそうですが、今回は1時間半のタイムスケジュールだったので駆け足での進行となりました。
アジェンダ
- カスタマージャーニーマップについてのお話(20分)
- カスタマージャーニーマップを書いてみよう!(1時間)
- 作成したカスタマージャーニーマップをレビューしよう(10分)
まずは、カスタマージャーニーマップが昨今のプロジェクト進行において求められる機会が増えてきた背景や、その特徴などを整理していきます。
製品やサービスとユーザーがどう出会うかを考える時、以前はその出会いをピンポイントで画一的に考えることが多かったそうですが、最近はその出会いには複数のタッチポイントがあり、ユーザーごとに違う文脈の中で行動していることを重視するようになってきているそうです。
そこで注目されているのがUX(ユーザーエクスペリエンス...ユーザーが商品やサービスを利用した時に得られる一連の満足感や経験などの体験)であり、UXを実現する方法論であるUXD(ユーザーエクスペリエンスデザイン)のプロセス内の「実現するユーザー体験と利用文脈の視覚化」を行うための手法の1つとして、カスタマージャーニーマップが活用されてきています。
カスタマージャーニーマップ(顧客の旅を図解したもの)の一番の特徴は「時間軸で表現されること」で、複数のタッチポイントをまたぐ多様な体験について、行動、感覚、認識、思考、感情などを時系列で明らかにしていくことができます。
また、カスタマージャーニーマップを作成することで、一連のユーザー体験の全体像を視覚化して関係者間で共有したり、製品やサービスの競合優位性を明確にできるなど、まだ気づいていないイノベーションの機会を発見することに役立てられると考えられています。
実際にやってみた
カスタマージャーニーマップについての概要が分かってきたところで、シンプルなお題をもらい実際に参加スタッフでやってみました!内藤から与えられたお題はこちら。
「プライベートではちょっぴり面倒くさがりで即決はしないタイプの内藤が、お休みを取って海外旅行へ行くために航空券を予約する」という一連の行動をジャーニーマップへまとめるというお題をもらいました。
早速2つのチームに分かれて作成していきます。
まずはチームでお題の内容についてより具体的な状況設定を行います。その後、カスタマージャーニマップの表で一般的によく使われる項目をホワイトボードなどへ書き、参加スタッフ各自が項目別に考えられる行動などを書き出していき、ポストイットでどんどん貼り付けていきます。
40分ほどで全項目を埋めていった後は、各チームで設定したペルソナに合わせて一連の動きを見直し、ポストイットを整理しつつ行動などで漏れているものがあれば更に追加していきました。
まだ検討が足りなかったり不十分な箇所はあったもののタイムアップとなり、2チームの代表がそれぞれのカスタマージャーニーマップについて発表していきました。
こちらのチームは内藤が「イギリスにいる昔の恋人に会いに行く」という具体的なシチュエーションを想定(妄想)して作成。かなり盛り上がっていました。笑
もう一方のチームでは、「海外旅行と映画の好きな内藤がアジアでゆっくりリフレッシュをしに行く」という真面目な設定で作成しました。
できあがったものをもとに、内藤からの講評とアドバイスをもらいました。
やってみての感想
実際にやってみると、どのレベルまで具体的な行動や感情などを書き出せばよいのか途中でわからなくなるという声がいくつか上がりましたが、内藤からのアドバイスでは、ボリュームの多いざっくりとしたペルソナに合わせて考えてもありきたりな内容しか出てこないので、かなり具体的なペルソナを想定して作成する方が良いということでした。
プロジェクトにおける対象ユーザーをまずは把握・理解して整理しておくことが、カスタマージャーニーマップ作成の前段階としてとても重要だということを体感しました。
また、カスタマージャーニーマップではユーザーの感情の起伏も表現していくのですが、その感情曲線が激しく揺れ動く部分には課題と施策のアイデアが隠れていることが多いそうで、今回は時間がなくそこまで行えなかったのですが、次回はぜひ考えてみたいと思いました。
おわりに
カスタマージャーニーマップを作成すると、製品やサービスの理想的なユーザー像や体験が複数人で整理されて視覚化され、プロジェクトメンバー全体で共有されるようになるので、効果的な課題抽出もしやすいですし、何か迷いが出た時にも立ち戻るための拠り所となるなと感じました。
Web施策に限らず有効な方法だと思うので、機会を見つけて私も沢山実践してみようと思います。
シナップでは新規事業やサービスを立ち上げる際に、カスタマージャーニーマップなどを使ってユーザー体験を整理するお手伝いを行っております。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
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