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Webデザイン受発注のコミュニケーション実務 ワークショップ

こんにちは、守谷です。今回は、11月12日(土)に参加してきたイマジカデジタルスケープ主催のOpen-iセミナー「Webデザイン受発注のコミュニケーション実務ワークショップ」のレポートをお送りします。

このセミナーは、「Webデザイン受発注のセオリー」という書籍を執筆された片山良平氏を講師に、Webサイトの受発注時に起きる、発注側の企業Web担当者と受注側の制作との間で起こる問題と、その解決法について学ぶというものでした。書籍の内容をところどころ織りまぜながら進行された本セミナーは、「企業のWeb担当者がWebサイト発注時にどのように制作を依頼すればスムーズに希望通りのサイトが作られるのか」という点を主題にされていましたので、今回のレポートもそういった点を中心にまとめたいと思います。

ちなみに、セミナー自体は前後編の二部立て。前編の講義でひと通りのワークフローの理解を済ませ、後編のワークショップで前編で吸収した流れを課題を元に思考練習をしてみる、という流れでした。

Webデザイン受発注のセオリーWebサイトの受発注時に、企業のWeb担当者(以下、発注者/発注側)と制作(以下、受注者/受注側)との間で起こる問題の根源に存在しているものとして、セミナーの主題に掲げられたのが「Web制作におけるビジュアルデザイン」。問題、と一口で言いますが、具体的には

  • 発注者側の意識:何故、ズレた(要望と違う)デザインが上がってくるのか
  • 受注者側の意識:(もう少しで完成というところで)何故デザインがひっくり返るのか

こういった問題は、双方の課題点や不満点として私も今まで結構耳にしてきましたし、もうずっと昔から数多あるセミナーや勉強会のテーマとなってきたものです。

これらを解決させるための取り組み=ワークフローとして挙げられていたのが、

  1. 目的の明確化
  2. 解決方法の選定
  3. 発注者と制作者のギャップ
  4. アートディレクションについて
  5. 段階的合意形成

それぞれは「デザインコントロール10箇条」として詳細に書籍の冒頭以下でも書かれているものなのでこちらでは省きますが(どうぞ書籍で内容をご覧ください)、終始「デザイン」を軸(テーマ)としつつもデザイン設計に至るまでの前段階としてのやりとりや提案、問題点の抽出や計測などをどう行えば双方の意思疎通の行われた成果物をつくれるのかという点に絞って進められました。

これらのフローについては、確かに、今までWeb制作の流れの中で軽視されがちなものでもあり、例えば「とりあえずカッコイイ物が見てみたいんだよね」「そろそろWebサイトが欲しいので」といった言葉で片付けられがちな発注方法であったり、「先方の要望があまりよく見えてこないから、取り急ぎでイメージを大きめにして見栄えのするデザイン持っていけば発注もらえるんじゃないかな」といった考えでデザインを先行させてしまう受注側の戦略であったり、どちらもまかり通っているもののように思います(戦略という言葉を使っていますが、受注側としてのこの方法は間違っています)。

ワークショップで使われた課題シートWeb制作に限らず、すべての物事において「理由」と「対策」(その先に「方法」と「結果」)というものが必要であるように思います。上記のようなWeb制作の流れについては、「理由」すら明確になっていない中で「方法」と「結果」がひとり歩きして、あたかも何か出来上がったように見えるものです。ところが、Webサイトを作る「理由」があとから出てきてしまった場合にプロジェクトごと「ひっくり返る」現象が起きてしまう、というのは冷静に考えれば簡単に判ります。

今回のセミナーではそういった「理由」と「対策」の部分をきちんと紐解くことが発注者/受注者ともに鍵であるということが軸となっていたように感じます。

片山氏は、理由を分解していくことで発注側が本当に必要なものはもしかしたらWebサイトではないという結論がでるかもしれないけれども、それは間違った答えではないし、改めてWebサイトの担う課題解決方法を考える必要がその時点ででてくるかもしれない、とすらおっしゃっていました。

これらの要望の分解作業の先に初めて出てくるのが「Webデザイン」となるわけです。導きだされた発注側の(業務の)課題をWebサイトを作ることで解決することが、Webサイトの使命になります。その使命を全うするために次に必要になるものがWebサイトのデザイン(設計)となり、その方針検討・策定・決定する役割を果たす職能こそが「アートディレクション」です。

今まで発注側でも受注側でも、問題を掘り下げ、課題を抽出し、対策を講じるといったアートディレクションパートをないがしろにしてきたからこそ双方での不満(冒頭の2件)が上がるに至ったのはこれで明白です。発注側には、一見何のために行われているのか判らないかもしれない数々のやり取りの意味と意義を考える必要があります。また受注側は、こういったフローを踏んで確実な成果物をつくるのはもちろん、発注側への説明などが重要です。