ウェブサービス/アプリをリリースするときに考えたい7つの広報施策

2016.08.30

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こんにちは、内藤です。

ここ数年で、ウェブサービスやアプリのCMや特集をテレビで目にすることが多くなってきましたね。そのくらいスマートフォンアプリやウェブサービスが私たちの生活に欠かせないものになりました。ウェブサービスは他の業種と比べると比較的コストを抑えて、また参入敷居が低くビジネスをはじめることができるので、小さいながらもアイデア勝負で毎日たくさんのサービスが生まれています。

しかしながら、サービス/アプリがリリースされても、世の中に知ってもらわないと意味がありません。使ってもらわないと、利用料金や広告収入が見込めません。ここで大事になってくるのが、広報、PRです。

そこで今回、ウェブサービス/アプリをリリースした時にどのような広報施策があるのか調べてまとめてみました。

1. プレスリリース

プレスリリースは王道ですね。PRといえば、どこの企業もまずはプレスリリースを思い浮かべるかと思います。無料でプレスリリースが出せるところもいろいろあるので、広報に少額の予算しかとれないサービスでも活用できる施策です。

ただ、プレスリリースと言ってもタイミングは慎重に検討しなくてはいけません。 「経験者が語る、スタートアップがプロモーションでしくじるパターン3つ。 」では、ローンチ直後のまだユーザーが多くない段階で大々的にプロモーションを行ってしまったために、「イケてないサイト」としてのイメージがついてしまった体験を紹介しています。ここでのプロモーションはプレスリリースに限ったものではないですが、「今のタイミングでサービスをどうするべきなのか」を考え、プレスリリースを打つべきかは見極める必要がありそうです。

また、プレスリリースはただ出せばいいというわけではありません。毎日何百というプレスリリースが飛び交う中でメディアに取り上げてもらうには、競合との差別化や自社のユニークさ、メッセージを的確に伝えなければいけません。さらに、掲載してほしいメディアのユーザーにはどのような表現がよいのか、とメディアのライター向けだけでなく、そのメディアのユーザーに向けたメッセージも考える必要があります。

2. プレスイベント

サービスをより理解してもらうためには、直接説明する場を設けることも重要です。記者とのコミュニケーションの中でサービスをうまくアピールすることができれば、メディアでの掲載確率もグッとアップするでしょう。 イベントのための集客については、プレス記事同様、サービスやメッセージが魅力的なものでなければなりませんが、記者との人脈も大事な要素となっているようです。このまとめを作成するために、様々な広報についての記事を読みましたが、やはり多くの記事で「記者との人脈つくり」が肝だと書いてありました。人脈つくりのためには、広報担当者が日頃から勉強会等に参加して少しずつ交流を広げていっているようです。

3. インタビュー

人脈づくりは当然プレスイベントだけのものではなく、どちらかと言うとインタビューを受ける時の方が重要です。多くの方を対象にしたイベントよりも、もっと密にサービスを伝えることができます。スタートアップは何もないところから多くをはじめるため、如何にサービスの、企業の「ストーリーに共感してもらえるか」が重要となってきます。共感し、応援してもらえることでファンを増やし、ユーザーを獲得していくことが成功への道となります。そのためには、やはりインタビュー形式で、ある程度ターゲットのいるメディアでメッセージを伝えるのが良いでしょう。

4. ユーザーイベント

先ほどのプレスイベントはメディア向けですが、こちらのイベントはユーザー向けです。サービスのターゲットで、さらにアーリーアダプターと呼ばれる人たち向けのイベントを開催して、サービスを理解してもらうとするものです。また、イベントの出席者たちにSNSでイベントの投稿をしてもらい「このサービス流行っている、面白そう」感を出していくのも重要です。ただ、あまりわざとらしい告知になってしまうと、ステマとみなされ炎上してしまうリスクもあります。そのため、イベントには随所に「出席者が思わずSNSで投稿したくなるもの」を用意しておく必要があります。 少し前ですが、インスタグラムで投稿してもらうためにインスタグラムのフレームのパネルを置いているイベントが多くありましたよね。サービス以外にもそのようなアイデアがあり、参加者に楽しんでもらえるイベントがSNSで話題になっていると思います。

img_panelsns01.jpgちょっと調べてみたら発注できるサイトがいくつもありました。 それだけ定番となりつつあるみたいです。(大判PRINT110

5. クラウドファンディング

インターネットを通じて多くの方から資金を集う「クラウドファンディング」が今、マーケティング手法としても注目されているようです。考えてみれば、クラウドファンディングもユーザーに資金提供してもらうために、サービスを魅力的に伝え、会社のファンになってもらうためにサービス誕生までのストーリーの紹介を行っていますよね。面白いアイデアを持つサービスを紹介する記事の中には、クラウドファンディングのサイトからさがしている記者も少なくないかもしれません。

最近ではプロジェクトの概要を端的に伝え、支援者の興味喚起を図るために、動画によるプロジェクト訴求が効果的のようです。「 資金調達だけじゃない!新たなマーケティングとして注目の「クラウドファンディング」に動画を活用する」という記事によると、「アメリカの大手クラウドファンディングサイト「Kickstarter」によれば、動画がないプロジェクトの成功率が30%なのに対して、動画が掲載されている場合の成功率は50%」、また、「サイトを訪れた消費者の59%が「動画が掲載されていれば視聴する」と答えており、動画は文字で構成される記事型のコンテンツの2倍 外部リンク、人の記憶の中に留まり続けるという効果もあります。」と伝えています。

また、同記事では事例として、日産自動車×日本バーベキュー協会が発足したプロジェクト「究極のスマートバーベキューカープロジェクト」について紹介しています。実際資金調達は特に必要がなかったとしても、何か話題つくりのためのアイデアをひねり出し、ユーザーを巻き込む形で、クラウドファンディングを使ってみるのもいいかもしれません。

6. オウンドメディア、ブログ

「コンテンツマーケティング」という言葉がメジャーになってから、オウンドメディアは企業のブランディング、広報活動としての地位も確立してきましたね。サービスの魅力を直接的に伝えるとどうしても機能寄りや企業からのメッセージになってしまいがちですが、オウンドメディアでは私たちの生活のなかでどのような関わりがあるのかを様々な確度からイメージさせることのできるので、ユーザーにあまり身構えることなくコンテンツを楽しませ、その中で潜在ニーズを喚起することができます。 ただ新しくメディアを作っても、これだけの情報が溢れる中では簡単に埋もれてしまってしまうため、それでもコンテンツを更新しつづける忍耐と集客のための戦略は別に考えなければいけません。一方で去年あたりから「分散型メディア」という考え方も登場してきました。

7. 分散型メディア

「分散型メディア」とは自社サイトをもたず、他のプラットフォームに直接コンテンツを配信していく考え方です。すでにユーザーのいるメディアに配信するため、配信側にとってはメディアへの集客を考える必要がなく、ユーザーにとってもいつも見ているプラットフォーム上だけでコンテンツを完結することができるというメリットがあります。(従来だと、配信側がSNSなどに告知をして、それを見たユーザーが配信側のメディアへ訪問する) 分散型メディアを広報の視点から考えた場合、特に大きな話題性が作れず会社としても知名度がないような「まずは知ってもらう」といった目的では、ユーザーのいるところに情報を配信していくのはとても効果的だと思います。ただ、長い目で観た場合、情報は文字通り「分散」し、それぞれのメディア毎に最適化したコンテンツを配信していくため、ブランドイメージの構築はしづらいといった課題があります。

まとめ

今回、王道の「プレスリリース」から最近の「分散型メディア」まで広報施策としてどのようなものがあるのかまとめてみました。もちろん全てやる必要はなく、サービスの成長フェーズに合わせて、誰に対して、何を伝えるのかをまず検討し戦略を立て、どの施策で行うべきなのか、を考えなくてはなりません。うまく活用して、サービスを盛り上げて行きたいですね。

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