【東京インタラクティブ・アド・アワードレポート】 キャンペーンサイト部門2
こんにちは、内藤です。
先日のブログ記事から引き続き、今回も東京インタラクティブ・アド・アワードのウェブサイト部門/キャンペーンサイトのレポートをしたいと思います。
今回は入賞を果たした『ヒルズポスト2009』についてです。
◆『ヒルズポスト 2009』 郵便事業株式会社
2009年12月、六本木に巨大なポストが出現しました。つい半年前のことなので、覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
このポストは郵便事業株式会社のキャンペーンにより設置されました。そのキャンペーンとは、年始の挨拶に年賀状を送る習慣がデジタル化の影響で毎年減少していることを危惧している郵便事業会社が、「若者に対して年賀状の投函を促すこと」と「日本独特の手紙文化への貢献を図ること」を課題に、年賀状を送る人、受け取る人にユニークなブランド体験させる、というもです。
年賀状を出す方はポストに投函するその姿がリアルタイムでヒルズポストに投影され、年賀状を受け取る方は、年賀状を投函する姿の映ったムービーを受け取った年賀状に記載されているQRコードから携帯電話で見ることができます。(参照サイト:『Hills Post 2009』 TIAA)
これは、年賀状、Twitter、PCサイト、モバイルサイトという様々なコミュニケーション手段を使ったクロスメディアキャンペーンですが、そのひとつひとつはストーリーをつなぐために用意されたパーツでしかなく、ユーザーが参加することでひとつのコンテンツが完成しています。そして、パーソナライズされたコンテンツが生むちょっとしたプレミア感がクチコミで広がっていき、キャンペーンは大変な盛り上がりを見せました。年賀状を出した方は元旦に届けられるまでドキドキワクワクしながら過ごし、また受け取った方はいつもとは違う年賀状を楽しんだことでしょう。両者とも今年の年賀状はとても心に残るものになったのではないでしょうか。
この作品がユニークなのは、キャンペーンに参加した人だけでなく、直接参加していない人、または参加する意思が特になかった人も巻き込んで楽しむことができるストーリーになっていることだと思います。ユーザー参加型のキャンペーンは最近増えてきましたが、直接参加してない人も巻き込んで楽しめる仕組みになっているものは、ほとんどありません。直接参加してない人達を巻き込むことができれば、メッセージを訴求できるターゲットを2倍、3倍にすることができます。ただあくまでもインタラクティブでみんなが楽しめるものでなければキャンペーンの成功は難しいので、ストーリーとコンテクストがより重要となってくることでしょう。
制作指揮は株式会社電通が行い、GT INC.、株式会社 コパイロツト、のっぽ、aircord inc.、ユニバ株式会社、steneco、ロゴスデザイン、ハット、LOUNGE INC.と多くのクリエイティブ企業が制作に参加をしています。