話題のLinkedInの日本展開とソーシャルネットワークごとの"使い分け"

2011.07.29

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こんにちは、内藤です。

先日Twitter日本語版の運営を行っているデジタルガレージ社から、LinkedIn(リンクトイン)日本語版の立ち上げを2011年中に予定しているという発表がありました(プレスリリース)。アメリカをはじめ欧米諸国ではすでに人気の高いLinkedInですが、日本では「名前を聞いたことある程度」という人が多いのではないでしょうか。

LinkedIn(リンクトイン)とは、2003年にサービスを開始したソーシャルネットワークサービス及び同サービスを提供するアメリカの企業で、ビジネスに特化したサービスを特徴としており、2011年3月現在の登録ユーザは全世界で1億人を超えています(参照:wikipedia)。
登録する情報は、実名と出身校、職務経歴といったように主に履歴書に書くような内容で、それを公開することによって、企業からヘッドハンティングや仕事の依頼を受けたり、個人のビジネス開拓の場として利用されています。さらにLinkedInの面白いところは、"登録している内容+コネクションの活用"で自分のビジネス価値を高めることができる点です。例えば、大学の研究論文のレビューを載せてそこにソーシャルで繋がっている指導教授の推薦文を得ることができたり、検索ではなく優秀な人材とのつながりでビジネスチャンスをものにしたりできます。

アメリカのPERFORMICS社の調査によると、約3000人のソーシャルネットワークのアクティブユーザのうち約60%が LinkedIn がソーシャルネットワークのアカウントの中で一番大切だと回答しています。さらに回答者のうち、50%が少なくとも週に1度、20%は毎日、LinkedInのサイトをチェックしているそうです。ビジネスパーソンとして、LinkedInはなくてはならない存在だと言えるでしょう。

さて冒頭で触れたように、そんなLinkedInもいよいよ日本で本格的に始動しはじめました。「日本語版の立ち上げとLinkedInの普及」という情報まででその全貌はあまり明らかになっていないのですが、日本でもその存在感を示すことができるのでしょうか。

そこにはソーシャルネットワークのサービスごとの"使い分け"の意識が大きな鍵を握っているような気がします。日本で人気のmixiやTwitterは実生活での知り合いはもちろん、普段出会うことのない人達とつながりを持ちコミュニケーションをすることに楽しさがあります。一方で、LinkedInは実生活の信頼あるコネクションをネット上に持ち込むことによって自身のビジネス価値を高めており、Twitterのようなネット上だけのつながりを持ち込んでしまうと自身のコネクションの価値を落としかねません。このように同じソーシャルネットワークサービスでも、サービスの利用価値、楽しみ方がサービスによって異なります。
ところが、日本でのソーシャルネットワークは主にTwitterやmixiのようなネットワーク形成で発展してきており、ネット上のコミュニケーションでLinkedInのようなネットワークの使い方があることはあまり浸透していません。最近のFacebookの流行でようやく、実名主義やこのソーシャルネットワーク利用の違いなどが議論されるようになり、ユーザもサービスの"使い分け"を意識し始めたころだと思います。今後この"使い分け"が日本のネットユーザにどの ように受け入れられるのか、LinkedInの流行に大きく関わってくるのではないでしょうか。

今年リリースのLinkedInがどのような形で日本展開されるのか、今後も注目していきたいと思います。

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