デザインで訴えかけるFacebookページ(3) 国内外の活用考察

2011.08.02

デザインで訴えかけるFacebookページ(3) 国内外の活用考察

こんにちは、守谷です。
前回からFacebookページを使ったマーケティング活動について業界別の活用方法を見ているこのシリーズですが、今回はカフェ/ファーストフード業界をピックアップしてみました。
これらは前回のコンビニ業界とは違って海外展開している(あるいは海外から日本に入ってきた)企業が多く、国内外でのアプローチの仕方が少し違っていたり、日本(本国)独自の充実したコンテンツを持っていたり、なかなか興味深い様子が見えてきましたので、レポートします。

SNS活用で話題の企業、日本版Facebookの対応

スタバカードのFacebookアプリまず最初にピックアップしようと思ったのが、スターバックス(リンクは「スターバックス コーヒー ジャパン」Facebookページ)でした。
というのも、スターバックスは元々Facebookに限らずソーシャルメディアマーケティングを上手く活用して、FlickrTwitterYouTubeFoursquare(他ロケーション系アプリケーション)など、とにかく数々のSNSを早々に取り入れ活用することで、各所で話題になっていた企業だからです。おのずと、Facebookページのファン数も世界最大規模となっています。

ところが実のところ、話題になっているのは本国の「Starbucks」のFacebookページで、なんと構成が日本のものとは全然違う上に、大変残念なことに目玉とされていた「スタバカード」を送ったりチャージしたりをFacebookアプリ内でできる機能などが、日本版のスターバックスのFacebookページでは導入されていないのです。ページ作成工数などで実装されていないのかな、とも思ったのですが、これはもしかして日本でスタバカードがあまり使われていない......?(完全に予想)などそういった理由もあるのかもしれません。
どちらかというと日本のスターバックスFacebookページはコミュニティ(顧客同士のコミュニケーションの場)として成り立っていて、本国のFacebookページは企業と顧客のコミュニケーションの場として有るイメージです。

余談ですが、激しく邪な心で「もしかして持っているスタバカードへの入金をFacebook経由で行なうと、円高の波に乗っておトクなチャージができるのでは...」と思い立ち試みましたが、PINコード(詳細はスターバックスのサイトで)が8桁でないと入金できませんでした。


情報発信×ご意見伺いの顧客とのコミュニケーション

タリーズのFacebookページメニュー同種、カフェ業態で次に注目したのが「Tully's Coffee Japan」です。
こちらはスターバックスとは逆に、日本の方のFacebookページが非常に充実しています。メニュー(タブ)数の多さや種類を見るだけでもお判りかと思います。(ちなみに本国オフィシャルのFacebookページはこちらです。)

タリーズ(日本)では、前述のスターバックスがあらゆるSNSを使用して活用していた技を、コンパクトにFacebookで行なったらこうなった、というイメージのFacebookページを用意しています。

やっていることは実に単純で、Facebookページでよく見る機能の名称変更と少しの使い方の工夫をしただけで、基本的には普通のFacebookページです。
メニューの上から、利用方法が工夫されているものが

  • ウォール:但しタリーズ側からの逐次情報発信を徹底、レスポンス含む
  • Pick Up:新作メニューなどの商品フィーチャー
  • ショップレポート:店舗毎のピックアップ(自由ページ)
  • Tully's Channel:よくある質問形式で、返答をYouTubeかノートへ出力
  • Tully's 質問箱:ユーザーが投稿、返答を必ず返す仕組み

というルールをもって運用されています。
少しのルールが決められるだけで、予想以上にFacebookページが活きる良い例だと思います。


Facebookというスタンダード?

KFCのFacebook上での求人同様に日本版のFacebookページが充実しているのが、「ケンタッキーフライドチキン(KFC_JAPAN)」でしょうか。
こちらもタリーズ同様に、ウォールへの投稿はケンタッキー側から限定、独自ページにてとにかく情報を充実させるという形が見えてきました。

一方、本国オフィシャルの「KFC - Kentucky Fried Chicken」を見て意外に思ったのが、画像キャプチャにも取り入れた「U.S. Jobs」の文字です。Facebook上からアメリカ全土のKFCへの求人情報にアクセス可能(検索結果は外部サイトへ)になっています。
そういえば先日、アメリカに何度も出張で行っている方のお話しで、アメリカ入国審査時に止められてしまったもののFacebookのIDで難を逃れた、ということを伺いました。また海外では一般企業の採用時にもFacebookのプロフィールを重視するそうです。
主にプロモーションやマーケティングに使っているイメージの日本でのFacebookですが、求人/採用情報としての使われ方も今後出てくるかもしれません。


先取りの早いあの企業は......

ドミノピザのFacebookアプリ

最後にピックアップするのは、iPhone(他)のロケーション機能を使ってお花見中でもピザを届ける、と話題になったiPhoneアプリを提供していたドミノピザ(「Domino's Pizza Japan」)です。ドミノピザも世界展開していますので、本国版Facebookページの「Domino's Pizza」があります。

実のところ、ドミノピザ以外の上記各海外Facebookページからは日本のFacebookページへのリンクがありません。けれどドミノピザだけはきちんと日本のFacebookページ及び日本版サイトにリンクが張られているので、全世界的に統一されたポリシーが有るのだろうなというのが伺えます。
その中でも目立っていた明らかな差が、海外版の方のFacebookページにはFacebookアプリ(ゲーム)が用意されていたことでしょう。

ものすごく何気ないことですが、そういえば日本のFacebookページにアプリを見ることがそんなに多くないと思います。
一方で、海外のFacebookページを見ていると、結構な頻度でFacebookアプリに遭遇します。よくよく考えると、流行っているゲーム系のFacebookアプリにしても海外のもの(全英語のもの)の方が圧倒的に多いイメージがありますが、これは単純に「日本でFacebookが流行っているのが最近だから出遅れている」というのが理由ではなく、日本の市場として「Facebook上でゲームをする」というのに慣れていない/向いていないということもあるのではないかと思います。
ただでさえ「時間のない日本人」なので、アプリにしてゲームを提供するより静止ページにて淡々と情報を掲載する方があうのかもしれません。

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