けだし名言集 #14 初心忘れるべからず
こんにちは、SINAPの小茅です。
時が経つのは早いもので、2012年が始まってから2ヶ月が過ぎ、3月に入りました。
さて、今回の名言はみなさんもよく耳にする言葉から。
初心忘れるべからず
世阿弥の著書「花鏡」にある言葉
世阿弥「ぜあみ」=室町前期の能役者・能作者。
理解しているつもりでも、しみじみと意味を考えたり
改まって初心とは何だったかを思い出すことも少ないのはないでしょうか。
世阿弥の著書では、
『しかれば当流に万能一徳の一句あり。 初心忘るべからず。この句、三ヶ条の口伝あり。是非とも初心忘るべからず。時々の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず。この三、よくよく口伝すべし』
とあるように、3つの「初心忘れるべからず」があるようです。
是非とも初心忘るべからず
若い時に失敗や苦労した結果身につけた芸は、常に忘れてはならない。それは、後々の成功の糧になる。若い頃の初心を忘れては、能を上達していく過程を自然に身に付けることが出来ず、先々上達することはとうてい無理というものだ。だから、生涯、初心を忘れてはならない。
時々の初心忘るべからず
歳とともに、その時々に積み重ねていくものを、「時々の初心」という。若い頃から、最盛期を経て、老年に至るまで、その時々にあった演じ方をすることが大切だ。その時々の演技をその場限りで忘れてしまっては、次に演ずる時に、身についたものは何も残らない。過去に演じた一つひとつの風体を、全部身につけておけば、年月を経れば、全てに味がでるものだ。
老後の初心忘るべからず
老齢期には老齢期にあった芸風を身につけることが「老後の初心」である。老後になっても、初めて遭遇し、対応しなければならない試練がある。歳をとったからといって、「もういい」ということではなく、其の都度、初めて習うことを乗り越えなければならない。これを、「老後の初心」という。
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引用:
ビジネスパーソンに捧ぐ世阿弥のことば
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2012年もその時々で初心を思い出し邁進していきたいものです。