[書籍レビュー]モバイルデザインパターン――ユーザーインタフェースのためのパターン集

2012.09.28

モバイルデザインパターン――ユーザーインタフェースのためのパターン集こんにちは。SINAP オオカワです。

シナップでもここ数年、スマートフォンのアプリケーションやサイトを作る機会が増えています。
また色々なデザイナーやWEB制作に関わる人達と話していても、みなさん制作に取り組んでいたり、まだやったことはないけれど、課題だと感じている人は多いようです。

取り組んでみるとわかる事ですが、スマートフォンではスマートフォンならではの制約や利用シチュエーションが異なることなどもあり、PCのブラウザで見るいわゆる「WEBサイト」を作る感覚でインターフェースや画面フローを考えると、あまり使い勝手の良いものになりません。普段なにげなく使っていて、これくらい自分にも作れるだろうと、わかっている気になっていても、実際に作ろうとした時に、UIや画面フローに悩む事も多いでしょう。
特にユーザーが閲覧のみでなく、何らかの操作や入力をすることによって価値を発揮するアプリ等ではUIや画面フロー上のなかなか難解な課題を突きつけられる事も少なくありません。

「勉強するには何が良いですか」と聞かれたりもしますが、僕自身がそれほど造詣が深いわけでもなく、見よう見まねとこれまでの経験ですから「色々使ってみることですか」と歯切れの悪い答えしかでなかったのですが、そんなおり、先日発売されたオライリーの『モバイル デザインパターン』が良かったのでご紹介します。

書籍写真本書はアプリケーションの定番パターンが100パターン、ナビゲーション、フォーム、テーブル/リストなどに分類されて掲載されています。普段何気なく使っている定番のパターンなので、みなさん日頃からよく見たり、触ったりしているでしょう。
一見「大した事無い」と思われるかもしれませんが、例えばいざフォームを作ろうとした時、いったいどれほどのパターンを思いつき、そのメリット、デメリットを検討できるでしょうか。

本書はこうしたシチュエーションの際にパッとおさらいする事で、多くのヒントが得られる。わかっているようで、いざ思い出そうとすると、あまり事例を思い出せない時、また誰かと検討する際などにもカタログ的に有効だと思います。社内の研修などでも利用できそうです。
一方で深々と読み込んでいくと、使いやすさやわかりやすさの本質について様々な気づきを与えてくれるでしょう。見れば見るほど面白いなと、最近よく眺めています。

とくにこれから取り組み始める人にはうってつけの良書だと思いました。

モバイルデザインパターンモバイルデザインパターン――ユーザーインタフェースのためのパターン集
Theresa Neil 著
深津 貴之 監訳
牧野 聡 訳
2012年09月 発行
240ページ
ISBN978-4-87311-568-9

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