多方面に進化するドローン10選 -ドローンのスタートアップ事情-
こんにちは。ディレクターの鈴木です。 ドローンと言えば一般的にはラジコンのように飛ばして遊んだり、空撮目的で使用するイメージが定着しているかと思いますが、まだまだ黎明期にあるドローンの分野ではイノベーションへの取組みや新しい活用へ向けて試みが世界中で行われております。 そこで、ここ最近のドローン事情を、「撮影」・「スポーツ」・「運搬」・「ドローン対策」などに分けて、いくつかピックアップしてみました。
撮影の多様化
映画・ドラマ・CM・その他様々なテレビ番組でドローンによる空撮映像を頻繁に見かけるようになりました。 同じ撮影用途でもまだ開拓されてない分野でのドローンが登場しています。
自動追尾撮影してくれるドローン「Hover Camera Passport」
人物を認識し、自動で追尾して撮影してくれるドローンです。 しかも、このドローンは簡単に折りたたんでバッグなどに収納することが可能でカジュアルに持ち運べるようになっています。 飛行させる際は手元から空中にリリースしてフライトが開始します。 各地の規制の問題もあるかもしれませんが、旅先などで気軽に撮影が行えるため、ドローンがより身近なツールとなってきました。 いわゆる空撮ドローンというよりは、飛行型の自撮りカメラという位置づけになるかと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=_fkqyNkC5DQ
水中ドローン「Trident」
海洋探査用の水中偵察機です。ドローンとは有線接続されていますが、ダイバーの2倍程度の100mの深さを潜水することができ、水中を飛ぶようにスムーズに動作し、海の中をリアルタイム観察することができます。ドローンが空だけではなく海に進出するようになりました。
https://www.youtube.com/watch?v=pjTh8ChlFss
スポーツエンターテイメントとしてのドローン
ラジコン的な楽しみから通信やVR技術などの進化により、エンターテイメントとしてのドローンの楽しみが広がってきています。
固定翼ドローン「 Disco」
民生向けの固定翼機のさきがけとしてパロットからの「Disco」というドローンが登場しました。 同梱されるヘッドマウントゴーグルによりFPV(一人称視点)での飛行が可能です。 最高時速80kmで鳥になって空を飛んでいるかのようなゲームよりリアルな飛行体験ができるでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=m1Fpq4inefg
スマホやVRヘッドセットで参加するレース「Drone Racing League」
ドローンに関する国際的な組織International Drone Racing Association(IDRA)によって、行われている「Drone Racing League」。パイロットがドローン目線で操縦を行う競技レースですが、IDRAは将来、この映像をスマートフォンやVRヘッドセットで観客に共有し、パイロットの操縦目線で観客が観戦できるようにする計画があるようです。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=249&v=sFHRcW6qnvo
ドローンサーフィン
シネマクラスの空撮ニーズに答える「Freefly Systems」のYouTubeチャンネルにドローンに牽引されるサーフィン動画が公開されています。10キロ近い撮影機材を搭載できるドローンの安定した性能を証明するためのパフォーマンスかと思いますが、ここまでパワフルに進化しているのかと目を疑いたくなるような映像です。
https://www.youtube.com/watch?v=BuRf6r0LuL8
ドローンの運搬活用
撮影やスポーツなど、限定的な条件でのドローンの使用が進んでいますが、運搬活用となるとドローンが日常的になり、ドローンの社会進出が進みます。それだけにこの分野は安全性などの課題と向き合いながら、慎重にテストされている分野です。
グーグルによる配送ドローン「Project Wing」
グーグルの親会社であるアルファベットが米国内で配送ドローンの試験を実施しています。 本プロジェクトは米国政府から許可を得て行われているものですが、テストで得られたデータは政府当局にも共有され、規制づくりにも役立てられるようです。ドローンの配送活用に技術革新と安全性のバランスを図りながら、社会への導入実現に向けて模索中ということなのかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=cRTNvWcx9Oo
AEDを運搬するドローン
急病人が発生した場合、僻地であったり渋滞であったり救急車での対応に限界があることもありますが、 道路事情に関係なく、空から患者の元に向かえるAED搭載のドローンです。 到着後はカメラを通じて救急隊員がAEDの使用方法を的確に指示をしてくれ現地のサポートを行います。 このプロジェクトはオランダの工科大学の大学院生のアイデア段階のものであり、法制面、技術面の問題でまだ実現していませんが、 実用化されれば、多くの人命を救うことができるようになるかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=16&v=y-rEI4bezWc
人が乗れるドローン「EHang 184」
人が乗るのはもはやドローンと言えるのか分かりませんが、人間を載せて上空500mまで上昇し、Google Mapで指定した地点まで飛行する自立型ドローンです。「CES 2016」で発表されたこのドローンは「ドローン・タクシー」となることを夢見て開発中だそうですが、バッテリーの制限で23分の飛行時間ではあるものの、障害物を自動的に回避して、離着陸を行えるそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=IrPejpbz8RI
ドローン対策
テロなどドローンを悪用する可能性も出てきているため、そのようなドローンが現れた時のための対策として各所で開発や実験が行われています。
ドローンキャッチャー「Robotic Falcon」
ドローンの発展とともにドローンの悪用も行われるようになってきています。 危険なドローンが現れた時のために、ドローンによるドローンを捕獲・排除するドローンキャッチャーが開発されています。
https://www.youtube.com/watch?v=jvdKNBSWPyU
ドローンキャッチャー「ワシ」
こちらはオランダの警察によるドローン捕獲をワシに行わせようとする試みです。 空港や市街地で違法に飛行するドローンを人の上に墜落しないようにキャッチさせることが期待されています。 (ワシのかぎ爪がドローンの回転翼の耐えられず傷ついてしまう問題もあるようです。)
https://www.youtube.com/watch?v=HifO-ebmE1s
いかがでしたでしょうか。まだ実験レベルのものから販売されているドローンまで色々とありましたが、世界中でドローンに関する様々な模索が行われています。空を飛ぶものなので、どうしても安全面・セキュリティなどの問題がつきまとい、なかなか社会への進出が難しい一面がある分野です。ドローンをまるごと規制してしまうことは簡単かもしれませんが、課題がクリアになった時、社会や企業がドローンによって大きな恩恵・利益を得られる可能性もないとは言い切れません。車が登場した時もそれまで起きなかった事故が多発して社会問題になったようですが、現在では必要不可欠な道具として社会に定着しました。ドローンもいつか社会に認められる日がやってくるかもしれませんね。
Source
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