UI探偵が行く!消えたユーザーの謎を追え

公開日: 2026.10.27

こんにちは。シナップ大川です。
今回はシナップの活動報告も兼ねた小冊子『SINAP Journal 2026 Summer』に掲載した「UI探偵が行く!消えたユーザーの謎を追え」の記事をご紹介します。

今回はいつもの真面目なUX記事とは少し趣向を変え、ミステリー仕立てで面白おかしくUIの謎に迫ってみました。
内容はサクッと読めるライトなテイストになっていますので、お仕事の息抜きがてら気楽にお楽しみください。


虫眼鏡を持つUI探偵のシルエット

ヒューリスティック評価で導く、UX改善ミステリー

またあの現象が起きている――。
アクセスは来ているのに、なぜかユーザーが消えていく。

依頼を受けたUI探偵――その正体はヒューリスティック評価で課題を見抜きUXを改善するプロフェッショナル――は、現場に残された「画面(UI)」を手がかりに、消えたユーザーの足取りを追っていく。

そしてついに事件の真相へと辿り着く。
「――犯人はこのUIの中にいます。そうです。あなたですね?」

「水面下で動くのが執事の美学。『送信中…』など野暮というもの。」と語る執事

事件簿1 全てを隠していた執事

「処理中」のサインがないため、
ユーザーはフリーズしたと勘違いする

ボタンを押しても画面に何の変化もない。不安になったユーザーはボタンを何度も連打した末、「壊れている」と判断してページを離脱――。

【事件の真犯人はこれだ!】処理状況が伝わらない「フィードバックの不足」が原因です。クリック直後に「送信中…」と文字を変えたり、ローディングアイコン(くるくる)を表示して「システムが動いていること」を即座に伝えるのが鉄則です。

「そもそもユーザーの入力ミスでしょ?ふふ……全部、なくなればいいのよ!」と語るメイド

事件簿2 フォーム全消去メイド

入力ミスで「やり直し」になった瞬間、
入力した全内容が吹き飛ぶ

フォームを最後まで入力して送信したのに、1点のエラーで画面を戻ると、全ての入力が吹き飛んだ。1からやり直す気力を失ったユーザーは、静かに去っていった……。

【事件の真犯人はこれだ!】ユーザーの入力した努力をゼロにする「データ不保持」が問題です。エラー時も入力データを保持して再表示させるか、事前チェックを導入してやり直しを防止しましょう。

「読めるかは問題じゃないよ、この『儚さ』が美しいんだ。」と語るアーティスト

事件簿3 美学に酔うアーティスト

おしゃれを意識しすぎて文字が読めず、
誰も内容を理解できない

見た目を重視し、コントラストの低い薄いグレー文字と小さい文字のレイアウトで作成された画面。ユーザーは、途中で読むのを諦めてしまいました。

【事件の真犯人はこれだ!】「視認性/可読性の低さ」が離脱を招きます。見た目の美しさだけでなく、適切な文字サイズと背景コントラスト比を確保し、余白で読みやすく視線を誘導しましょう。

「あら、私が犯人だって言うの?この程度もわからないユーザーの方が悪いんじゃなくて?」と語る悪役令嬢

事件簿4 ノーヒントの悪役令嬢

具体的な入力例もヘルプもなく、
何を書けばいいか分からない

お問い合わせフォームの入力欄に「住所」とだけ書かれており、どこまで入力すべきか迷ったユーザーが、入力の手間を感じてそのまま離脱――。

【事件の真犯人はこれだ!】ユーザーを導く「入力補助(ヘルプ)」の不足です。入力欄の中に「例:東京都渋谷区…」と見本(プレースホルダー)を出したり、補足(ツールチップ)を設置して入力の迷いをなくしましょう。

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大川 貴裕
大川 貴裕
Webサイトをはじめ、企業のブランドデザイン、グラフィックデザインなど幅広い分野で活躍している。国際的なデザインコンペティションほか受賞多数。Webデザイン専門学校などでUXデザインの講師も行う。HCD-Net認定 人間中心設計専門家。

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