【シナップ20周年記念リレーブログ #10】シナップのソーシャルグッド活動を振り返る
こんにちは。シナップ大川です。
シナップ20周年記念を記念した2週間連続リレーブログ。
本日はシナップでも大切な、過去シナップが取り組んできたソーシャルグッド活動を振り返っていきたいと思います。
シナップのソーシャルグッド活動
シナップでは設立した2004年、わずか5名でスタートした頃から、自分たちにできることで社会貢献活動をしていこうと、微力ながら活動を行なってきました。
当初は自分たちのデザインや技術を持ち寄って作ったチャリティキャンペーンサイトなどを年2回、「SINAP SUMMER Project」、「SINAP Christmas Project」と銘打って行なっていました。
2011年からは「東日本大震災の復興応援」を目的とし、ボランティア活動などをサポート、一過性で終わらない息の長い活動を目指して、現在もわずかではありますが復興に取り組む現地の方々の活動をお手伝いしています。
はじまりはここから——。「SINAP Christmas Project 2005」
1回目のSINAP Christmas Project 2005
SINAP Christmas Projectは、私たちがインターネットを通じて行ったクリスマスシーズンのチャリティイベントです。
このプロジェクトは、私たちが一年間の感謝を込めて、毎年12月に実施していました。
その記念すべき第1回目は設立まもない2005年。
当時制作のお手伝いをしていたソニーマガジンズ発行の雑誌『リンカラン』(2008年休刊)とのコラボレーション企画としてスタートしました。
インターネットサイト上に設置したもみの木に訪れたユーザーがクリスマスの飾り付けを行うことができる参加型サイトで、12月1日から12月24日の期間中に飾り付けに参加してくれた人数に応じて、SINAPが、1998年に大規模な火災被害を受けたインドネシア・カリマンタン島への植林活動を行う「リンカランの森プロジェクト」へ寄付を行うというプロジェクトでした。
(いまでは懐かしいFLASHという技術を利用したインタラクティブなスペシャルサイトでした。)
この年の参加者は658名、翌年にはインドネシア・カリマンタン島への植林活動を行う「リンカランの森プロジェクト」へ、計13口(メランティ13株、チーク13株、計26株)の寄付を行いました。
この企画は大変好評だったため、翌年以降もさまざまなイラストレーターの方に参加いただき、毎年異なった世界観でクリスマスシーズンを盛り上げました。
このほかにも2008年には、投稿した写真でクリスマスカードを作成、友人にグリーティングカードを送ることができ、その人もまた写真を投稿して…と、世界中の人との繋がりを可視化していく「つなぐあなたのクリスマス」を行いました。
震災以降のクリスマスプロジェクト
Twinkle Japan
2011年、東日本大震災からの復興支援を目的として、スマートフォンの加速度センサーを利用して、空中に投げる動作をすることでメッセージが投稿でき、星空に復興応援メッセージや来年は明るい年にしようというメッセージを募集した「Twinkle Japan」ウェブアプリケーションを作成しました。
左:陸前高田未来商店街にクリスマスイルミネーションを贈ろう!
右:Air Bells
2012年には、震災で店舗を失った商店主が再スタートを誓って集まった「陸前高田未来商店街(2018年9月30日に仮設商店街の期限を迎え解散)に、実際にクリスマスイルミネーションの飾り付けを行う企画「陸前高田未来商店街にクリスマスイルミネーションを贈ろう!」を、2013年にはモーションセンサーLeap Motionを使ったハンドベルアプリを作成。シナップが行っている震災復興支援活動で縁のある岩手県陸前高田市・大船渡市の皆様にご協力頂き、動画企画「AirBells」を行い、復興支援のPRに活用しました。
復興支援プロジェクト
シナップでは、東日本大震災をきっかけに、それまでのソーシャルグッド活動を復興支援に向け、津波で深刻な被害を受けた岩手県陸前高田市にある酒造メーカー「酔仙酒造株式会社」。おなじく、震災で店舗を失った商店主が再スタートを誓って集まった「陸前高田未来商店街(2018年9月30日に仮設商店街の期限を迎え解散)」。岩手県大槌町の女性達が取り組む「大槌復興 刺し子プロジェクト」のお手伝いをしています。
主に、私たちの本業であるビジネスプランニング、Web・ITを活用したコミュニケーション作りを中心に支援していますが、震災当初は毎月スタッフが交代で現地へ赴き、地元の方々とお会いして、現場での課題や悩みを直接聞きながら、時には無線LANの設定や上でもご紹介したクリスマスイルミネーションの敷設など、私たちにできる範囲ですが、様々な形でお手伝いを行なってきました。
左 2011年6月3日 訪問時、右 2018年12月17日 岩手県陸前高田市ほぼ同じ場所で撮影
酔仙酒造への支援
震災で工場や倉庫を失い甚大な被害を受けた酔仙酒造。シナップは、その再建をサポートしてきました。
シナップは震災当初、隔週でスタッフを派遣し、酔仙のみなさんと顔を合わせてコミュニケーションを取りながら、Webサイトの制作や運用を支援。2011年7月には新しいWebサイトが公開され、多くのファンから応援メッセージが寄せられました。
また、酔仙は震災から半年足らずで新酒「雪っこ」を出荷し、復興への大きな一歩を踏み出しました。
左 津波により甚大な被害をうけた酔仙酒造(2011年)
右 新工場として設立された大船渡蔵と出荷式。
2013年には大船渡に新工場を設立し、製造を再開。シナップは、WebサイトやSNSの運用を支援しました。
近年では、私たちが無償で制作のお手 伝いをすることが地元の同業企業の売上げを奪うことにならないよう、運用などの日頃の業務については地元の制作 会社に引き継ぎ、コミュニケーションプランニングなどの面で引き続きお手伝いをしています。
陸前高田未来商店街への支援
未来商店街は、震災で店舗を失った商店主たちが再スタートを誓って集まった仮設商店街です。2011年12月、シナップは「これから立ち上がる商店街の支援をしてほしい」との連絡を受け、支援を開始しました。当時、未来商店街はコンテナを利用して営業を再開し、地元の若者やボランティアの協力を得て運営していました。
左 コンテナを利用した仮設店舗で営業をスタートした陸前高田未来商店街
右 多くの店舗は隣接するアバッセたかたを中心とした新商業エリアに移転した
シナップは、Webサイト制作やSNS活用を通じて未来商店街の情報発信をサポート。2012年5月には、未来商店街の運営者が自ら情報を発信できる場としてWebサイトが公開されました。「SINAP Christmas Project」の一環として、未来商店街にクリスマスイルミネーションを設置したのもこの年でした。
未来商店街は2018年9月には仮設商店街の期限を迎え解散し、多くの店舗が新しい商業エリアに移転し、再出発を果たしました。
大槌復興 刺し子プロジェクト
2014年より岩手県大槌町の女性たちが取り組む「大槌復興 刺し子プロジェクト」の支援を始めました。
丁寧な手仕事でさまざまな商品を作る大槌刺し子プロジェクト
避難所や仮設住宅の狭い場所でも針と糸があればできる刺し子の手仕事を通じて、作り手の収入や交流の場を生み出し、女性が働き社会へとつながる場を作り出そうというプロジェクトでした。
商品のランディングページやWeb、SNSを活用したソリューションでお手伝いをしています。
復興支援活動についてはわたしたちの活動報告冊子『SINAP Journal創刊号』『SINAP Journal 2019 Winter』にて詳しくレポートしています。
こちらもぜひご覧ください。
そのほかの活動
SINAP SUMMER 2009 砂で作ったQRコードは読めるのか?
SINAP SUMMER 2013 すまほ風鈴
逗子こどもフェスティバル「サンタグロース」
このほかにもシナップでは、ビーチクリーン活動や夏の省エネを呼びかける「SINAP SUMMER PROJECT」、子どもも大人も楽しく過ごし、笑顔になる場づくりを目指して開催される「逗子こどもフェスティバル」への参加など、私たちにできるデザイン×ITを活用した、様々な活動を行ってきました。
20年を振り返って
いかがだったでしょうか。20年を振り返ると、本当にたくさんの活動と、こうした活動をとおして出会ったひと、たくさんの笑顔や語り合ったこと、思いなどが蘇ってきます。
関わった方々の笑顔を見るたびに、私たちの活動の意義を再認識することができましたし、そこで取り組む人たちの前向きで直向きな姿勢が、逆に私たちの胸を打ち、勇気や元気を与えてくれることがたくさんありました。
まだまだ世の中には解決すべき問題があると思います。
自分たちにできることは本当に少しです。それでもこうした活動を続けていくことで、少しでも世の中が良い方向に進めると信じて、これからも微力ながらソーシャルグッド活動に取り組んでいければと思います。