UXリサーチとは?今日からスモールスタートで始めるUXリサーチ
こんにちは。シナップ大川です。
今回はUXリサーチについて分かりやすくシンプルに解説しながら、あまり堅苦しく考えずにスモールスタートで始める方法と、最後にシナップのUXリサーチをご紹介したいと思います。
UXリサーチとは?
「UXリサーチ」とは、文字通りに捉えれば、ユーザー体験を調査することです。
定量的な市場調査と異なり、顧客体験を観察やインタビューなどを通して調査し、数字などからは把握しにくい顧客の内面にある課題や感情、心理などを明らかにすることでサービスの改善などに役立てます。
「顧客に何が欲しいかを聞いたら、みんな早い馬が欲しいというだろう。」
ヘンリー・フォードの名言に上記のようなセリフがあります。
フォードが、(移動手段として馬が全盛期に)顧客が本当に欲しいのは早い馬ではなく、早い移動手段だという本質を見抜き、自動車という新しい市場を生み出したことを端的に表したセリフです。
この話は顧客は自分が欲しいものを自分でもハッキリとは自覚できていないという話をする際によく引き合いにだされます。
こうした量的には計り知れない本当の動機(「インサイト」などと言ったりしますが)を紐解いていこうとするのがUXリサーチです。
「UXデザイン」という言葉は私たちの業界ではかなり一般的になってきたと思いますが、「UXリサーチ」はその「UXデザイン」のプロセスの一つであり、顧客のインサイトを知るための初めの一歩ともいえるでしょう。
UXリサーチの進め方
UXリサーチにはユーザーインタビューをはじめ様々な手法があります。
というより、むしろ知りたいことを知るために様々な手法を駆使するという方が正しいかもしれません。
代表的な手法には以下のものがあります
- ユーザーインタビュー
- ユーザービリティテスト
- アンケート
- エスノグラフィー
- シャドーイング
- ダイアリー法
上記の調査は定性的な調査が中心です。
UXリサーチは基本的に定性調査の部類ですが、この他にも(すくなくともシナップの行うUXリサーチでは)定量的な調査や他の調査も併せておこない、全体像の把握や、定性調査で得た知見の確かさや裏付けを取る場合も多くあります。
代表的な手法としては
- アクセス解析
- ABテスト
- ヒューリスティック調査
- 競合調査
UXリサーチの課題
ヘンリーフォードが自動車の可能性に気がついた時のように、もしかしたら顧客の隠されたインサイトを見出し、優れた気づきが得られるかもしれないUXリサーチ。
一見良さそうなこの調査にも課題があります。
まずUXリサーチは定性調査が中心のため、バイアスの影響を受けやすいという課題があります。
特に日頃から業務に関わっていると、知らず知らずのうちに顧客というのはこういうもので、サービスの便益はこういうものだという先入観が知らず知らずのうちに備わっているものです。
UXリサーチを行なっていると、大抵そうした先入観を裏付ける結果もでてきます。「やっぱり自分の見立ては正しかった」となりがちですが、ここに落とし穴がある場合もあるので注意が必要です。
これは先に述べたように定量調査も併せて行っていくことで、ある程度バイアスの影響を排除し、精度を上げていくことができるかと思います。
常に仮説と検証を繰り返すというスタンスがいいでしょう。
もう一つの課題は、これは実際にやってみようとするとわかると思いますが、適切な調査対象者を見つけるのが難しいという課題に行き当たります。
また対象者とスケジュールを調整し、インタビューなどを実施するのにはそれなりの準備が必要で、時間を要することが多く、その間、制作・開発のスケジュールなどが何週間にも渡って伸びてしまうことがあります。
大きなプロジェクトではそれでも時間をかけた方が、あとあと気がついて作り直すよりも、時間もコストもメリットがあります。一方、スタートアップや新規事業開発のようなスピード感を持って進めたいプロジェクトではもどかしく感じることも多いのではないでしょうか。
スモールスタートで始めるUXリサーチ
そこでおすすめなのが、スモールスタートで始めるUXリサーチです。
なんてことはありません、手っ取り早く聞ける人に聞いてみるというアプローチです。
- 身近な人(家族、友人、同僚など)に聞いてみる
- エンドユーザーの担当者に聞いてみる
- 街に出て聞いてみる
- SNSの投稿で聞いてみる
ポイントは、きちんとしたリサーチではないので、多くのことを網羅的に紐解くことはできないため、小さくスピーディに回すメリットを享受するという意識で行うことです。とにかく質よりもスピードを重視しましょう。
いまこの瞬間、社内のslackに投げかけてみるのはどうでしょうか。
それくらいのスピード感です。
しかも無料。
このアプローチは小手先と思ってバカにできません。
行ってみるとわかると思いますが、ちょっと聞くだけでも多くの気づきが得られるものです。
さっと得られた知見を整理したら、ABテストなどでその確さをテストしてもいいでしょう。
こうした小さいリサーチを積み重ねることでも徐々に知見は深まっていくものです。
また少し余談になりますが、一度スタートしてみると、こういう人だったら話を聞ける人がいる、確か〇〇さんの旦那さんがよくこれらの製品を使っているって聞いたことがあるよ、自分のFacebookの知り合いに話が聞けそうな人がいるよ、といった情報が集まってくることもあります。
机に向かってウンウン考えていても進みません。
まずは身近な人に声をかけてみるから始めてもいいのではないでしょうか。
もう少し踏み込んでやってみたくなったら
とはいえ、もう少しきちんと調査したい、もう少し踏み込んで調査したいという方も多くいらっしゃるかと思います。
また調査方法はわかっても、実際にどのように進めたら良いのか、得られた情報からなにをどう読みとって活かせばいいのか、専門家の意見も聞いてみたいということもあるかと思います。
そんな時はシナップにお問合せください。
シナップのUXリサーチではこれまでのわたし達の経験に基づいた独自のフレームワークがあります。
フレームワーク化することによって、従来UXリサーチのデメリットであった準備や検討などの時間とコストを削減します。
さらにプロの視点からみるヒューリスティック調査や、アクセス解析、ABテストサービスで養った定量的なアプローチなども交え、精度の高いアウトプットをめざします。
調査を入念に行うことは大切ですが、調査をどんなにやっても、成功が保障されることはありません。 私たちは調査と同様に実践も大切だと考えています。
シナップのUXリサーチでは冗長な調査や議論に陥ることなく、私たちの経験に基づき、そのプロジェクトにとって適切なスコープの設定と適切なアプローチ、「ちょうど良いUXリサーチ」をご提案、その後の改善提案や実際の制作までサポートできるのも強みだと考えています。
ちょっと話を聞いてみたいなと思ったら、お気軽にご相談ください。