どのプランを選べばいい? microCMSの料金プランと選び方
みなさん、こんにちは。シナップ大川です。
近年、ヘッドレスCMSのニーズが増えており、その中でも注目されているのが「microCMS」です。
microCMSは国産のCMSという安心感や管理画面の使いやすさ、柔軟性を兼ね備えたヘッドレスCMSで、国内では多くの企業や開発者が採用しています。
特に最近のご相談では小中規模の新規サイトでの導入やWordpressからのリプレイスなどを検討されている方が多い印象です。
もしかしたら、この記事をお読みの方も検討されている方の1人ではないでしょうか。
先日以下の記事を投稿したところ、とても評判が良かったため、今回はmicroCMSの導入を検討するWeb担当者の方が特に気になるであろう「料金」に絞った解説と、みなさんのプロジェクトに最適なプランの選び方について詳しく見ていきいと思います。 (microCMS導入についてもっと詳しく知りたい!という方はぜひ以下の記事もご覧ください)
「microCMS」導入を徹底解説!メリット・デメリット、料金体系、適切なプランの選び方、最後に相談できる会社の見つけ方まで!
microCMSとは
microCMSは、APIベースの国産ヘッドレスCMSです。 Wordpressなどの従来のCMSがフロントエンドとバックエンドを一体化しているのに対し、microCMSなどのヘッドレスCMSはコンテンツの管理と表示を分離して管理しています。 このアーキテクチャにより、開発者は柔軟にフロントエンドのデザインや機能を構築でき、またコンテンツの配信もAPIベースのため、Webサイトのみならず、アプリなど様々なチャネルに対応可能できるのも魅力です。
microCMSの特徴
そんなmicroCMSですが主な特徴としては以下のようなものがあるでしょう
- スピードとパフォーマンス:フロントエンドが独立しているため、ページの読み込み速度が一般的に速くなります。
- セキュリティ: フロントエンドが分離しているため、攻撃されるリスクが軽減し、高いセキュリティレベルを保てます。
- 柔軟性: APIベースのため、さまざまなフロントエンド技術とも連携が可能です。
- 使いやすさ: シンプルで直感的な管理画面のUIなど、国産ならではの使いやすがあります。
microCMSの料金プラン
それでは本題の料金プランを見ていきましょう
(価格およびプランは2024年9月18日現在のものです。最新の価格およびプランはmicroCMSのサイトでご確認ください)
microCMSはプロジェクトの規模やニーズに応じて4つ(+要お見積りの「Enterprise」)の料金プランが提供されています。 それぞれHobby、Team、Business、Advancedという名前になっています。
まずは、各プランの特徴と料金、おすすめな人、上のプランを検討すべき人、について見ていきたいと思います。 (プランの違いに「API数」の違いがでてきます。この「API数」について「?」な方は、先ほどあげた徹底解説記事をお読みください。こちらに詳く説明しています。)
「Hobby」プラン
料金: 無料
特徴:
- 3ユーザーまで
- 最大3個のAPI
- データ転送料 20GB/月(超過時はAPI停止)
おすすめな人:
- 個人や小規模なプロジェクト
- 試してみたい人
- CMSで管理したい部分が少ない人
上のプランを検討すべき人:
- 複数箇所/項目を更新するサイト(APIが3個以上必要なサイト)を作りたいひと
- ユーザーが3人以上
- アクセスのあるサイトや重たい画像ファイルなどを扱うサイトを作りたい人
「Hobby」プランは、microCMSを試してみたい個人や小規模なプロジェクトに最適です。
機能は限定的ですが、microCMSの基本機能を理解するには十分です。
登録時にクレジットカードの情報もいりませんので、ちょっと見てみたいという方も気軽に試すことができます。
一方、API数が3個と最小限のため、工夫次第ではありますが、複数箇所、複数項目を柔軟に更新したいサイトではすぐに不便になってきます。
またデータ転送料が20GB/月までのため、それなりにアクセスのあるサイトや重たい画像ファイルなどを扱うサイトにも不向きです。
あくまでお試しか、「お知らせ」の更新ができればいいといった小規模なサイトに向いています。
そのためビジネスで使うなら最低でも次にあげる「Team」プランをおすすめします。
「Team」プラン
料金: 4,900円〜/月
特徴:
- 3ユーザー(追加可能)
- 最大10個のAPI(追加可能)
- データ転送料 200GB/月(+20円/GB)
おすすめな人:
- 一般的な小〜中規模のサイトを作りたい人
- 「権限管理」の機能が必要ない人
上のプランを検討すべき人:
- 「権限管理」の機能が必要な人
「Team」プランは利用ユーザー数3ユーザーと変わらないものの、+1,200円/人で追加が可能で、10個のAPI(こちらも有料で追加可能)、データ転送料 200GB/月(+20円/GB)のため、一般的な小〜中規模のサイトであれば十分に構築が可能で、工夫次第でさまざまなサービスにも使えるでしょう。
ただ「Team」プランには「権限管理」の機能がありませんので、書く人と公開する人を分けたり、公開や削除の権限をユーザーごとに設定することができないため、承認プロセスが必要な場合は次に上げる「Business」プラン以上を選ぶ必要があります。
「Business」プラン
料金:63,000円〜/月
特徴:
- 20ユーザー(追加可能)
- 最大30個のAPI(追加可能)
- データ転送料 1TB/月(+18円/GB)
- 権限管理
- 管理画面へのIP制限
おすすめな人:
- 「権限管理」の機能が必要な人
- それなりに更新する箇所/項目があるサイトを作りたいひと
上のプランを検討すべき人:
- 更新担当者が50名近くいるプロジェクト
- 2要素認証の必須化などセキュリティ基準が高いプロジェクト
「Business」プランはAPIが30個と、よほどの込み入ったデータを扱うサイトを作らない限り必要十分な数を有しています。
またメンバーも20名なので、自社の担当メンバー数名、外部ライターさん、制作会社のエンジニアさんなどを入れても、更新担当者が何十名もいる大規模なサイトでなければ十分と言えます。
さらにこのプランから「権限管理」ができるため、「Team」プランではできない、書く人と公開する人を分けるなどユーザーごとに行える操作を限定することができるようになるため、承認プロセスを導入したいプロジェクトにも対応できます。
また先日(2024年7月1日)のアップデートで、この権限管理が従来よりも細かく設定できるようになったため、複雑なワークフローも導入しやすくなりました。
ある程度のチームで運用を行うサイトであれば「Business」プランから検討するのがおすすめです。
「Advanced」プラン
料金:150,000円〜/月
特徴:
- 50ユーザー(追加可能)
- 最大50個のAPI(追加可能)
- データ転送料 1TB/月(+16円/GB)
- 監査ログ
- 2要素認証の必須化
- シングルサインオン(SAML)
- 請求書でのお支払い
「Advanced」プランは4つのプランの中では最上位のプランです。
50ユーザー(追加可能)、最大50個のAPI(追加可能)は多くのサイト、チームに対応できるものです。
ただ、徹底解説の記事にも書いたのですが、この規模感のサイトは比較的大規模なものが想像されますので、他のCMSも選択肢には上がってくるでしょう。
一方、「Advanced」プランではメンバーが行った操作内容を確認できる「監査ログ」、2要素認証の必須化(2要素認証はどのプランでも利用できます)、SAML認証方式によるシングルサインオンが可能で、「Business」プランよりも高いセキュリティ基準が要求されるプロジェクトにも対応できます。
このため、ヘッドレスCMSのメリットは活かしつつ、セキュリティも気になるという方には150,000円〜/月はコストの上でもメリットがあると感じます。
基本プランは以上になりますが、これでは満たせないという要件がある場合は「Enterprise」(要お見積り)プランというご相談ベースのプランもありますので、microCMSへお問い合わせしていただければと思います。
適切なプラン選び
ここまで各プランごとの料金プランと主な特徴を見てきました。
大まかにはご自身のプロジェクトがどのプランかという検討がついてきたのではないでしょうか。
メンバー数やAPI数、データ転送量などがあとちょっと増やせれば大丈夫なのにという方は、有料プランでは追加料金で増やせる項目もありますので、一概に上のプランを選択せず、必要な数がどれくらいかを検討するのがお得なプラン選びとなるので試算してみてください。
また重要な項目以外にもプランごとに差がある項目がありますので、自身のプロジェクトに適合するかmicroCMSの料金ページを見ながら、表などを用いて一度チェックすることをお勧めします。
転送量について
プラン選びで一番難しいのが、転送量がどれくらいになるのかを見積もるという作業ではないでしょうか。
とはいえ転送量でプランも変わってきますので、プランの選択の前にチェックしておきたい項目です。
既存のサービスやサイトであれば平均的なページサイズと平均的なアクセス数などの掛け合わせで、おおよその転送量を、また重たいページやアクセス数が多い月との掛け合わせで多くなってしまった場合などを想定しながら考えます。
新規サービスで検討がつかない場合は(規模感や扱っている画像ファイルのサイズや数など)類似するサイトなどを参考に、期待するアクセス数などの想定をもとに算出してみましょう。
また特殊なケース、例えばキャンペーンやイベント時にはトラフィックが急増することがあるため、こうした施策を打つ可能性のあるサービでは通常の見積もりに、想定される増加分、余裕を持たせて考えると良いでしょう。
その他の費用について
microCMSはヘッドレスCMSのため、フロントエンド環境は別途用意する必要があります。
特にヘッドレスCMSの特性を活かすため、静的サイトジェネレーターはNext.jsにするか、Astroにするか…、環境はVercelにするか、Amplifyにするか、Netlifyにするか…など検討する必要があるでしょう。どのような技術スタック(最適な技術の組み合わせ)で環境を用意するかにもよりますが、こちらの費用も合わせて算出することを忘れないようにしましょう。(そして、ここでも転送量の試算が役に立つことが多いでしょう)
シナップではmicroCMS導入のお手伝いをしています
以上、microCMSの料金プラン解説と選び方についてでした。
だいたいこのプランで、これくらいの費用感かなというのは掴めたのではないでしょうか。
とはいえ、要件の整理から、必要機能の洗い出し、転送料、その他費用の試算など、なかなか難しいのも事実です。
ちょっと詳しい人にも意見を聞いてみたい、相談したみたいなと思いましたら、ぜひシナップにご相談ください。
シナップはmicroCMSの公式パートナーであり、microCMSの実績も多数ございます。
もちろんCMSだけではなく、サイトデザイン、制作から運用など幅広く対応できます。さらにリリース後はABテストをはじめとするグロース施策まで、公開がゴールではない、サービスの成長を作りだすサポートを提供しているのも強みの一つです。
要件に合わせ適切なプラン選びから技術選定など最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。