「成長してる実感がもてない」キャリアに悩む若手ディレクターに伝えたい【Web業界つまずく前に知りたい話】

公開日: 2025.08.27

この企画について

Web制作会社の若手ディレクターさんや、事業会社のWeb担当者さまのヒントになるかも?!
いただいたお悩みについてWEB業界で長年活動している方々に話を聞いてみる、座談会形式の企画です。
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パーソナリティ

坂西(バンザイ)

ウェブ制作会社社長、プロデューサー
(業界歴 約30年)

大崎(オオサキ)

プロジェクトマネージャー
(業界歴 約25年)

三國(ミクニ)

この企画のファシリテーター
(業界歴 約18年)

【お悩み】キャリアに悩む若手ディレクター

小さな制作会社でウェブディレクターをしています。小さな会社なので、営業・提案・進行管理・納品はもちろん、簡単な案件なら自分で設計・デザイン・実装までやっています。
自分しかウェブディレクターがいないので、ディレクターとしての成長ができているのか実感がありません。他にディレクターの知り合いもいないので、今後のキャリアもちゃんと考えられていません。このまま同じ会社で働いていいのか、転職するにしても自分がディレクターとして価値があるのか分からないので、転職活動へのスタートも不安です。

この記事でわかること

  • 自分の市場価値を知るための具体的な方法
  • ディレクターのスキルはどんな場面でも通用する汎用性の高いもの
  • 同業の仲間を見つける重要性とその方法

1.不安の原因は「自分の価値」が分からないこと

今回は「ディレクターとしての成長が実感できない」「自分の市場価値が分からない」という悩みについて話していきたいと思います。小さな会社で一人だけのディレクターという状況は、意外と多いんじゃないでしょうか?

そうだね。ディレクターという肩書きの人は昔より増えたけど、会社によって役割が全然違うんだよね。営業をやっている人もいれば、設計している人もいる。だからこそ、自分の立ち位置が分からなくなるのは自然なことだと思う。

この悩みを読んで最初に思ったのは、「仕事自体はやりたいのかな?」ということですよね。悩みの前提として、「ディレクターとして成長したい」という思いがあるのかどうか。

なるほど、そもそもの動機や目標の部分ですね。

この人にとっては、まず「自分がどうなりたいか」というビジョンがないことが問題なんじゃないかな。成長が実感できないというのは、そもそも自分がどうなりたいかが明確じゃないから。転職しても、その状態だと多分また同じ悩みにぶつかると思うよ。

そうですね。なのでそのあたりの根本的な部分を一度立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。自分の立ち位置を客観視するためにも、まずは現状を整理することから始めてはどうでしょうか。

小まとめ

  • 不安の根本原因は「自分がどうなりたいか」というビジョンの不足
  • ディレクターの役割は会社によって大きく異なるため、比較が難しい
  • 自分の価値が分からない不安は多くの人が経験する普遍的な悩み

2.ディレクターのスキルは汎用性が高い

ディレクターとしてのキャリアパスについて、どのように考えればいいでしょうか?

僕はウェブ業界にこだわらなくてもいいと思っています。「つなぐ」というスキルは、実はどの業界でも重宝されるんですよ。

その通りだね。ウェブディレクターって、現在一番つぶしの利く職種だと思うよ。

例えば私は地域の自治会活動もやっているんですが、そこでも「つなぐスキル」がかなり役立っています。異なる意見の調整や、会議の進行、物事を計画的に進めるスキルなど、ウェブディレクターが普通にやっていることが、他の場所ではできない人が多いんです。

「ウェブサイトを作る」という仕事自体は今後なくなるかもしれないけれど、この人が持っているスキルは他のところでも必要とされているよね。営業やマーケティングのスキル、コミュニケーションスキル、AIやITのスキルなどが必要とされる仕事は多いと思います。

ポータブルスキルと言われますよね。自分が設計・デザイン・実装も含めてできるというのは、すごい強みだと思います。視野を広げて考えると、活躍できる場所はたくさんあるはずです。

つまり、今培っているスキル自体はとても価値があるということですね。

小まとめ

  • ディレクターの「つなぐスキル」は様々な業界で通用する汎用性の高いもの
  • 営業・マーケティング、コミュニケーション、AI・IT知識など複合的なスキルが強み
  • 視野を広げれば、ウェブ業界以外にも活躍の場は多い

3.自分の価値を客観的に知る方法

自分の市場価値を知るには、具体的にどうすればいいでしょうか?

まずは自分ができることを書き出してみるのはどうでしょう。小さなことでもいいんです。「これができる、あれができる」と具体的にリストアップすると、意外と多くのことができていることに気づくかもしれません。

そうだね。あとは外に目を向けることが大事だよ。同僚や友達を作るとか、ウェブ業界のイベントやコミュニティに参加するとか。「俺はこんな仕事をしていて、こんな待遇なんだけど、これってどうなの?」と他の人と話して外を知ることで、客観性が生まれるんだ。

そうですね。ただ、比較するには、なにかしらの比較対象を見つけるに外に出るしかないです。オンライン・オフライン問わずディレクターのコミュニティに参加してみるとか。本やネット上の情報だけでなく、実際の人との交流が大切です。

転職エージェントに登録してみるのも一つの手ですよね。自分の現在地を知る指標になりそうです。

そうだね。ただ彼らも転職エージェントもビジネスなので、あなたのスキルを正確に評価して査定するというよりは、マッチングを成功させることが目的なのには注意してください。

それでも、どれくらいの価値を市場でつけてもらえるかの目安にはなりますよね。自分の立ち位置を知るための一つの方法として、すぐには利用しないまでも試してみる価値はあると思います。でも冷やかしは迷惑になるのでほどほどに。
あとはnoteなどにアウトプットして、それの反応で測るというやりかたがありますね。そうやってアウトプットをして注目されることで、あらたなキャリアが拓けた人も沢山知っています。

小まとめ

  • 自分のスキルを具体的にリストアップして可視化する
  • 外部のコミュニティやイベントに参加して比較対象を見つける
  • 転職エージェントなど第三者の評価を参考にする(ただし目的を理解して活用)
  • noteなどでアウトプットして反応を見ることで市場価値を測る

4.キャリアビジョンを明確にするために

キャリアビジョンを明確にするために、どういうアプローチがいいでしょうか?

僕は面接で「3年後にどんな自分になっていたいですか?」とよく聞きますね。生活のための効率の良い仕事がしたいとか、リモートワーク環境が必要とか、ディレクターとしてのキャリアやその先のイメージがあるのか?など、自分の価値観を自覚することは大事だよ。

そうですね。そもそも「やりたいこと」「たどり着きたい場所」を考えることが第一歩だと思います。その上で、今の延長線上でそれが実現できるのか・できないのかを判断すればいいんです。

キャリアの選択肢はたくさんあるからね。分業されているところでスペシャリストを目指すこともできるし、小さな会社でゼネラリストとしていろいろな経験を積むこともできる。自分に合った道を見つけることが大切です。

ことさらに奨励するつもりはないですが、この過程では環境を変えることも選択肢にいれてもよいと思います。別の環境・価値観の中に身をおくと、また違った角度から自分を再評価できるかもしれません。ただし、安易な環境変化は逃げに通じるのでお勧めできません。熟考して実行して欲しいと思います。

つまり、まずは視野を広げることが大事なんですね。

小まとめ

  • 「3年後にどうなりたいか」という具体的なビジョンを描く
  • 自分の価値観に基づいて、スペシャリストかゼネラリストかの方向性を決める
  • 新しい視点を得るために環境の変化も選択肢として慎重に検討する

5.まとめ

今日のお話をまとめると、自分の価値が分からず不安に感じている若手ディレクターには、まず外の世界に触れて客観的な視点を得ることが大切だということですね。

そうだね。ディレクターとしての技術的なスキルはもちろん大事だけど、自分がどうなりたいのか、そのビジョンを持つことがとても重要だと思うよ。外に出て同業の仲間と話すことで、新しい気づきがあるはずです。

そして、ディレクターのスキルは本当に汎用性が高いんです。視野を広げれば、活躍できる場所はたくさんあります。自分の強みを理解して、自信を持ってキャリアを考えていけるといいですね。

ありがとうございます!若手ディレクターの皆さんも、ぜひ今日のポイントを参考にしてみてくださいね。

おさらい

  • 自分の価値を知るためには、外の世界に触れて客観的な視点を得ることが大切
  • ディレクターの「つなぐスキル」は様々な場面・業界で活かせる汎用性の高いもの
  • 自分のビジョンを明確にすることで、キャリアの方向性も見えてくる
  • コミュニティやイベントに参加して、同業の仲間と交流することが成長につながる
  • 自分のスキルをリストアップして、できることを可視化してみよう

ここまで読んでいただきありがとうございました!お悩みをお持ちの方はぜひ投稿お願いします!
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シナップはサービスの継続的な成長をサポートするデザインコンサルティングです。戦略的から制作・開発、そしてサービスのグロース・運用まで、すべてのワークフローにおいて支援が可能です。

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三國 翼
三國 翼
制作会社数社を経て2012年にシナップに入社。グロースチームのリーダー。 最近山梨に移住しました。趣味はキャンプと散歩。

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