生成AIで広がるクリエイティブの可能性(Adobe Photoshop 生成AI機能 利用事例)

こんにちは。シナップ大川です。
今回はシナップの活動報告も兼ねた小冊子『SINAP Journal 2025 Winter』に掲載した「生成AIで広がるクリエイティブの可能性」の記事を一部加筆修正したバージョンアップ版でお届けします。
生成AIの話題には事欠かない昨今ですが、具体的にどうやって活用しているの!?と思ったことはないでしょうか。
今回はAdobe Photoshopの生成AI機能を使って『SINAP Journal』の表紙を作成した事例をご紹介します。
AIで実現するクリエイティブの新境地
みなさんは今号のSINAP Journalの表紙を見てお気づきになりましたか?
実は今号の表紙の写真は一部生成AIの技術を使って作成しています。

(SINAP Journal 2025 Winter の表紙)
元の画像では、下の画像の左側にあるようにシロクマをロゴの下に配置しようとすると、背景が不足してしまいます。
デザイナーの方なら、提供された素材や利用可能な素材が一部足りない、あとちょっとあれば…という状況は日常的に経験していると思いますが、このような場合、生成AIを使った画像の拡張が非常に役立ちます。
この例では、Adobe Photoshopの生成AI機能を用いることで、元の写真に自然な形で背景を補完し、全体の構図を広げることができました。
しかもその画像生成時間は1分とかかっていません。

このプロセスにより、被写体であるシロクマをロゴと重ならない絶妙な位置に調整しつつ、表紙に奥行きと広がりを持たせています。
Photoshopの生成AIを活用するコツ
上の例では「生成塗りつぶし」という機能を使い、プロンプトはなにも指定せずに生成しましたが、欲しいイメージに近づかない場合、プロンプトを工夫することでよりイメージに合った画像を生成することができます。
Adobe公式サイトでは、Photoshopの生成AIを活用する際に有用なプロンプト作成のポイントが紹介されています。
- 「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何をしている(What)」という「3W」を意識したプロンプト
- 「アニメ風」「シンプル」「モダン」など、希望の雰囲気、テイストの情報。(生成パネルにある「コンテンツタイプ」という機能からも選択できます)
- カラーやライティング
などだそうです。 また参照画像を用いることで欲しいイメージを伝えることもできます。
より詳細な情報や広告用ビジュアルを作成するプロンプト例などが知りたい方はAdobe公式サイトのこちらのページをご覧ください。
クリエイターの可能性を拡張する
AI技術の進化によって、クリエイティブな作業は大きく変わろうとしています。
生成AIの活用は、これまで手間と時間がかかっていた作業を迅速に進めることを可能にし、全体の作業効率も大幅に向上しました。これによりクリエイターはより多くの時間をアイデアの発想やデザインの試行に充てることができ、創造性を発揮する余裕が生まれています。
さらに、AIは単なる作業の補助に留まらず、クリエイティブな過程全体をサポートする存在となりつつあります。
たとえば、デザイン案の生成からフィードバックに基づく改善まで、AIはさまざまな場面でクリエイターの力となります。
他にも、今回の事例のように、従来難しかったイメージの拡張や修正なども、AIを使うことで高精度で自然な仕上がりを実現できるようになってきました。
こうした技術の進歩は、クリエイターにとって新たな表現の可能性を与えるものとなるでしょう。
シナップのAI技術への取り組み
私たちシナップは、AIを積極的に活用し、クリエイティブの可能性を広げることに取り組んでいます。
今回の画像生成AIの活用はその一例に過ぎませんが、他にも文章生成やデータ分析、プログラミングなど、さまざまなAIツールを活用し、作業の効率化を図るだけでなく、創造的なプロセスにも役立てています。
例えば、UXリサーチフェーズにおいてAIを活用することで、調査結果を迅速に分析し、ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成をサポート、デザインの改善ポイントの特定などに役立てています。
AIの進化もまだまだこれからでしょう。
今後もAI技術を活用し、新しいアイデアを取り入れながら、クリエイティブの可能性をさらに広げていきたいと思います。
シナップはサービスの継続的な成長をサポートするデザインコンサルティングです。戦略的から制作・開発、そしてサービスのグロース・運用まで、すべてのワークフローにおいて支援が可能です。
