無料ABテストツールVWO:管理画面(ダッシュボード)解説
VWOは初心者にも使いやすい直感的なUIを備えており、ABテストだけでなく、ヒートマップやセグメント分析など、データに基づくサイト改善をサポートするツールが充実しています。ABテストツールVWOを初めて使う方に向けた連載第2回では、アカウント作成後の管理画面「ダッシュボード」に焦点を当て、その概要を解説します。
連載第1回のVWOアカウント作成手順を解説記事は「無料ABテストツールVWO:登録手順の詳細解説」をご覧ください。
ダッシュボード
VWOのダッシュボードでは、各種ツールにアクセスしたり、進行中テストやプロジェクトの全体像を一目で把握することができます。
主に3つのエリアに分かれ、左側のナビゲーション、中央のメインエリア、上部のヘッダーメニューで構成されています。
メインエリアには、各機能の詳細情報が表示されます。ホームとなるDashboard画面では仮説検証の進捗やA/Bテストの数値状況、未着手の仮説、進行中の機能テスト、適用済み機能の状況を一覧で確認することができます。
ヘッダーメニューには、ワークスペースの切り替え、アカウントの利用状況、ワークスペース設定、アカウント設定へアクセスすることが可能です。
ナビゲーションには、VWOのさまざまなツールへのアクセスが格納されており、一目ではなかなか全容を把握するのが難しいかと思います。そこでここからはナビゲーションのメニューを重点的に解説を進めていきたいと思います。
ナビゲーション
A/Bテストの作成、結果分析、インサイト確認、設定メニューなど各ツールへの入口となるナビゲーションが配置されていて、VWOで利用できる各ツールは左側のナビゲーションエリアから切り替えることができます。
Testing
A/B(A/Bテスト)
様々なバージョンのWebサイトを作成し、コンバージョンを継続的に改善するために同一URLで行えるA/Bテストを実施することができます。
Multivariate(多変量テスト)
1つのページ内で複数の要素(例:見出し、画像、ボタンなど)を同時に変更し、それらの組み合わせが全体のパフォーマンスに与える影響を測定して最適な要素の組み合わせを見つけることができます。
Split URL(スプリットURLテスト)
異なるURLに配置した複数のページを比較するA/Bテストの一種で、各URLにユーザーを振り分けてLPの最適化やパフォーマンス測定をすることができます。
Mobile App A/B(モバイルアプリA/B)
モバイルアプリのA/Bテストはここから実施することができます。
Insights
Dashboard(ダッシュボード)
ウェブサイトやモバイルアプリ全体のパフォーマンスを一目で把握し、ページごとの詳細な訪問者行動の洞察、さまざまな訪問者セグメントの分析、フリクションイベントの特定など、多彩な分析機能を提供します。
Goals(ゴール)
VWO Insights で目標を作成すると、ページ訪問、要素のクリック、リンクのクリックなど、ウェブサイト上の特定のイベントのパフォーマンスからサイト訪問者のさまざまなアクティビティを追跡できます。
Funnels(ファネル)
ファネルとは、訪問者がウェブサイト上でたどるプロセスを表す一連の目標のことです。ファネルを活用することで、商品購入やサービス利用、ニュースレター登録、会員登録などのビジネス目標に向けた訪問者の行動を可視化し、プロセス全体を追跡できます。また、離脱箇所の分析や、20以上の訪問者セグメントを比較した詳細なパフォーマンス分析も可能です。
Heatmaps(ヒートマップ)
ウェブページ上のクリック行動を視覚的に示すレポートを生成します。ヒートマップを活用することで、訪問者がウェブサイト内で頻繁に利用するエリアや問題のある箇所を特定可能です。さらに、クリック数やスクロールの動き、訪問者が操作したエリアも詳細に確認できます。
Session Recordings(セッションレコーディング)
訪問者がウェブページで行ったスクロールやクリック、マウスの動きなどの操作を記録した動画を確認できます。
Mobile Recordings(モバイルアプレコーディング)
訪問者がモバイル アプリで行った様々なイベントを表示し、モバイル アプリでの訪問者セッションを記録した動画を確認できます。
Forms(フォーム)
訪問者がフォームをどのように操作し、離脱する原因が何かを分析することができます。また、どの入力フィールドが最も時間がかかったか、再入力が必要だったかなどを確認することができます。
Surveys(Webアンケート)
ページ上にアンケートを設置して、訪問者からフィードバックを得ることができます。
FullStack
Features(機能)
FullStackでは複雑なテストの実行が可能でブラウザが必要なデバイスに限らず、あらゆるプラットフォームでテストが可能です。プロダクト内でのテストやロールアウトを行いたい新たな機能を段階的に導入し、すべてのユーザーに一斉公開する前にテストが可能です。ここでは新しい機能の作成、テストまたはロールアウト用の変数を定義することができます。
Feature Rollouts(機能のロールアウト)
機能のON/OFF切り替えや、ユーザー体験の調整をリアルタイムで行えたり、新しい機能を段階的に公開するプロセスを管理することができます。
Feature Tests(機能テスト)
異なるバリエーションに変数値を割り当て、訪問者の行動を追跡する目標を設定、キャンペーンに含めるトラフィックの割合を割り当てができます。
変数を用いることで効果的なバリエーションを選んで、その結果に基づいて機能を公開することができます。
A/B(A/Bテスト)
新たな機能を検証するための複雑なA/Bテストでも、サーバーサイドで直接実行されるためユーザー体験を損なうことなく実施することができます。
Personalize
「新規ユーザー」や「過去に購入経験のあるユーザー」など特定のグループに向けたパーソナライズテストを実施することができます。これにより、複数のカスタマイズされた体験を1つのキャンペーン内で管理し、異なるグループごとにターゲット設定することが可能です。
Web Rollout
VWO内のエディターを使用して、ウェブサイトへの変更を手軽に反映することができます。特定の訪問者セグメントを変更の対象にすることも可能です。
Data360
Introduction(はじめに)
Data360は、ウェブサイト上のさまざまな指標を測定するためのイベント、訪問者属性、メトリクス(追跡条件)などを作成・管理するプラットフォーム的なツールで、ここではData360に関する概要説明ドキュメントがまとめられています。
Profiles(プロファイル)
訪問者の属性、イベント、セグメント、メトリクスが統合され、各訪問者の包括的なプロフィールが収集されます。これにより、訪問者一人ひとりの全体像を把握することができます。統合されたプロフィールは、マーケティングチャネル全体で再利用したり、詳細な分析のためにダウンロードすることが可能です。
Attributes(属性)
訪問者の特徴を定義する機能で、年齢、性別、位置情報など様々な属性でセグメント化することができます。
Events(イベント)
訪問者がウェブサイト上で行ったさまざまなアクション(購入、バナーのクリック、カートの放棄 etc.)を追跡するためのイベント作成が可能です。
Segments(セグメント)
訪問者をセグメント化し、レポートを詳細に分析するための機能です。この機能を使えば、特定の属性を持つ訪問者をフィルタリングし、セグメントを保存してキャンペーンレポート全体に適用することができます。
Triggers(トリガー)
キャンペーンを特定のグループに表示するタイミングを設定する機能です。訪問者が特定のイベントを行ったときにキャンペーンをトリガーできます。
Metrics(メトリクス)
KPIとして指標を定義して追跡することで、コンバージョンの成功をより明確に把握することができます。
Audit(監査)
Webサイトで発生するイベントをリアルタイムでストリーミングすることができ、イベントが適切に発火しているかを確認することができます。
Plan
Observations(観測結果)
テスト結果からの気づきを、ページurl・キャプチャ画像・ラベルなどを記入し、登録してある仮説と紐づけて管理することができます。
Hypotheses(仮説)
検証実施ステータス、評価、優先順位付けなど仮説感するに情報を登録して管理することができます。
Ideas(事例集)
A/Bテストやケーススタディに関する事例がまとまっていて、そこから新たな仮説や施策立案のヒントに役立てることができます。
Configurations
Websites and Apps(ウェブサイトとアプリ)
ここからVWOと接続するウェブサイトやアプリの設定変更ができます。
Integrations(連携)
他のアプリケーションと連携することでVWOのデータを外部ツールにインポートすることができ、より詳細な分析を実施することが可能です。
ページ
ウェブページを条件指定で分類してグループ化することで、各ツール間でのキャンペーン実施時にテスト対象ページとして簡単に設定することができます。
Services
A/B テストの実装やテストの最適化をVWOのチームへリクエストすることができます。
Updates
VWOプラットフォームに関する最新機能のアップデート情報へリンクします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。各ツールの詳細情報はVWOの公式ヘルプページ(VWO KNOWLEDGE BASE https://help.vwo.com/)からチェックすることができます。
この記事が少しでもお役に立てたなら幸いです。VWOの初期設定をはじめとしたABテストの環境整備やサイト改善など、初めてのABテスト運用でつまづきがちな部分でも、私たちシナップが伴走しながらサポートします。自社だけでは解決が難しい課題やお悩みをお持ちの方はぜひお気軽にシナップへご相談ください。
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