KJ法とFigma(Figjam)を活用したZoomミーティングでの意見整理テクニック

公開日: 2024.05.15

こんにちはシナップ大川です。
本日はミーティングでの意見整理テクニックについて、特にオンラインミーティングで活用できる方法をご紹介します。

ブレインストーミングや各種ミーティングでは、数多くのアイデアや課題が飛び交います。
しかし、これらの意見を効率的に整理し、具体的な行動計画に落とし込む作業は、アイデアを出す過程よりもはるかに複雑で、多くの人が難しいと感じているのではないでしょうか。

特にオンラインミーティングの場では、対面でのやり取りに比べて、発言が消極的になったり、同意しているのかしていないのか、参加者の反応がわかりにくいなど、意見をまとめにくいという課題があります。
このような課題に対処するため、おすすめしたいのが、KJ法とFigma(特にFigjam)を組み合わせて利用する方法です。
実際シナップでも頻繁に行なっている方法で、Zoomミーティングで画面共有を活用しながら行うこの方法は、視覚的に意見を整理することで、オンラインでのコラボレーションの質を高めることができ、とても有効な方法です。
それではさっそく詳しく見ていきましょう。

KJ法とは?

KJ法は、日本の文化人類学者である川喜田 二郎氏によって考案されたブレインストーミングなどで発散されたアイデアや情報を効果的にまとめるための手法です。(ちなみにKJ法のKJは川喜田氏のイニシャルにちなんでいるそうです。)
この方法は、参加者から出されたアイデアや意見をカードに書き出し、それらをグループ化して全体の構造を把握することを目的としています。
KJ法は、複雑な問題の本質を把握し、多角的な視点からアプローチする際に非常に有効です。

KJ法のやり方

  1. アイデア出し:参加者にテーマに関するアイデアや意見を自由に書き出してもらいます。
  2. カード化:書き出されたアイデアや意見を個別のポストイットやカードに書き移します。適切な制限時間を設けると効率的に進めることができます。
  3. グルーピング:アイデアをだしきったら、関連性のあるカードを集めてグループ化し、それぞれのグループにテーマを設定します。まとめる際は、メンバーと話し合いながらまとめていくと、お互いの理解をより深めます。
  4. 構造化:グループ化した結果をもとに、問題の全体像を構造化し、解決策を導き出します。


視覚化にFigma(Figjam)を使おう


この記事の最大のポイントはこのKJ法をFigma(Figjam)で行おうということです。
Figmaはブラウザベースで軽快に動作するデザインの共有、リアルタイム編集に優れたのデザインツールです。
また、このFigmaの派生アプリケーションであるFigjamは特にブレインストーミングやアイデア出しに適したホワイトボードツールです。
これらのツールとZoomの画面共有機能を使うことで、オンラインミーティング中にリアルタイムでアイデアを視覚化し、共有することが可能になります。
(今回、シナップで使っているFigma(Figjam)を例にあげていますが、このほかにもmiroなどのオンラインホワイトボードツールでももちろん可能です)

対面でのミーティングでは通常こうしたアイデア出しには、ポストイットなどを利用し、ホワイトボードなどに貼って整理をしていきますが、最近では手で字を書くよりも、キーボードで打ち込む方が早く、修正も容易なため、デジタルの方が効率が良いという人も多いでしょう。そういう方には特にお勧めな方法です。
(余談になってしまいますが、自分は最近あまり手で字を書かないため、いざという時に簡単な漢字ですら書けず、恥ずかしくてそのアイデアを違う表現に書き換えるために無駄な頭と時間を使ってしまうことがあります。みなさんも経験ありませんか? 笑)

逆に、オンラインツールが苦手という方もいらっしゃるかもしれませんが、Figma(Figjam)は比較的直感的に使えるツールなので、あまり気構えずに一度使ってみると、意外と便利だなと思ってもらえるのではないでしょうか。

このように、Zoomミーティングで画面を共有しながらFigma(Figjam)を使用することで、参加者はリアルタイムで意見を視覚化し、整理することができます。
また、会議前に事前にFigma(Figjam)にアイデアを記入してもらうことで、ミーティングの時間を効率的に利用することが可能です。後述もしていますが、本当にお勧めです。

実際の進め方

それでは実際に進め方を見ていきましょう。

事前準備

  • Figma(Figjam)のドキュメントを作成し、ミーティングの参加者に共有します。
  • テーマや問題点を明確にし、参加者に伝えておきます。

アイデアの収集

  • 上述の通り、参加者にはミーティング開始前に、事前にFigjamにアイデアや意見を書き込んでもらいましょう。事前にアイデアを記入してもらうことで、効率的なミーティングができるほか、事前にアイデアがあることで、お互い刺激になり、新しいアイデアも生まれやすくなります。
  • ミーティングが始まったら、これらのアイデアを共有し、追加のアイデアがあればリアルタイムで追加していきましょう。

グルーピング

  • たくさん出たアイデアがでたらグループにまとめていきます。このプロセスはメンバー全員で協力して行いましょう。
  • 各グループにはテーマやキーワードを割り当て、整理します。

議論と分析

  • グループ化されたアイデアをもとに、具体的な問題解決策や行動計画について議論します。
  • この過程で新たなアイデアが浮かんだ場合は、それを追加し、再度グループ化することもあります。
  • Figjamにはスタンプの機能も用意されています。いいアイデアに印をつけたり、投票などを簡単に行うこともできます。Figmaであれば赤いマルなどをマークとして利用すると良いでしょう。
  • シナップでは良いと思うアイデアやもう少し深掘りしたい課題などにスタンプをつけ、アイデアの重みづけなどに使ったりします。
  • コメントやメモも可能なので、会話ででてきた意見などを忘れないようにメモしておくと、見返した時も議論を思い出しやすくなります。
  • こうして、ミーティングのテーマに沿って意見をまとめると、比較的短時間でも意見の整理が可能です。
  • また見返す時や、ミーティングに参加していないメンバーへの共有も便利です。


まとめ

いかがだったでしょうか。
このように、KJ法とFigma(Figjam)を組み合わせることで、オンラインミーティング中のアイデアや意見の整理、視覚化はとても簡単におこなうことができ、効率的な会議進行が可能です。
またこの方法は、オンラインで消極的になりやすい参加者間のコミュニケーションも促進し、より具体的かつ実行可能なアクションプランを導き出すためにも非常に有効な手段だと思います。
Zoomなどオンラインミーティングを活用する企業のWEB担当者やWEB製作者のみなさんもそうですが、オンラインミーティングでなくても、この方法は有効だと思います。
以上、ミーティングでの意見整理テクニックでした。お役に立てたら幸いです。

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大川 貴裕
大川 貴裕
Webサイトをはじめ、企業のブランドデザイン、CI/VI開発、グラフィックデザインなど幅広い分野で活躍している。国際的なデザインコンペティションほか受賞多数。近年はWebデザイン専門学校などでUXデザインの講師も行う。

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