こんにちは。シナップ大川です。
今回はシナップの活動報告も兼ねた小冊子『SINAP Journal 2024 Winter』に掲載した「企業のWeb戦略成功への鍵　Webガバナンスの重要性」の記事をご紹介します。

複数のWebサイト・IT資産の管理を戦略的に進めるには？

いまやWebサイトを持っていないビジネスを探すことのほうが難しいほど、ほとんどのビジネスやサービスはWebサイトを所有しており、企業は製品やサービスの情報提供、ブランディングやマーケティング、顧客のサポートやコミュニケーションなどにWebサイトを活用しています。
しかし、長年にわたり、さまざまな部署やチームが異なる目的でWebサイトを作成した結果、所有するサイトや利用ツールが過剰に増えてしまっています。
また、さらに重要な点として、それらをきちんと管理、把握できていないこと。その活用や運用方法に長期的な視点や方針、戦略がないことが大きな課題になっています。
こうした状態では運用や管理のコストが増大するだけでなく、ブランディングやデザインの一貫性を欠き、アクセシビリティや品質基準の不統一が起こりがちです。また、目に見えないところでも、アップデートが気軽にできないことによるセキュリティリスクの増加や、Web戦略を経営戦略に適合させる速度の低下をもたらすでしょう。
例えば次のような問題が頻繁に見られます。

デザインの一貫性の欠如

複数の部署やチームが独自のWebサイトを運用することがあるため、デザインやUIなどがバラバラになりがちです。これはブランドの一貫性やUXを損なう原因となります。

運用と保守の非効率性

複数のWebサイトを運用すると、コンテンツの更新、セキュリティの確保、アップデートの管理などが非常に煩雑になります。それぞれのWebサイトを個別に管理することは、時間と労力、コストを浪費します。中にはサーバーやCMSをはじめ、利用サービスの重複契約など、無駄な支出を見逃してしまっているケースも見受けられます。

データの断片化

複数のWebサイトが独立して運用される場合、マーケティングデータも断片化し、効果的な分析や戦略の策定が難しくなります。また複数の解析ツールが導入され、互換性に乏しく、相互にうまく活用できていないこともしばしばです。

Webガバナンスの重要性

こうした状況を解決するためには、一度全体を正しく把握したうえで今後どのように活用していくかをきちんと考える必要があるでしょう。
経営戦略を迅速にWeb戦略に反映させ、管理しやすい状況を作るためには、場合によってはWebサイトや導入ツール、ベンダーの整理・統合など、見直しを行うことがとても重要です。
このような企業のWeb活動の戦略や仕組みづくり、管理・運用体制の整備を「Webガバナンス」と呼びます。
次に、このWebガバナンスの大切なポイントをあげたいと思います。

ブランドイメージの一貫性

一貫性のあるブランドイメージを提供しましょう。具体的にはWebサイトを作成する際のデザインルールやデザインシステムの整備、共通のヘッダー／フッターの適用など、顧客がどのサイト、どのページに訪れた時でも一貫した印象やUIを提供します。これは顧客に対して信頼性を高め、ブランドの認知を向上させます。

サイト統廃合によるコスト削減

複数のWebサイトを統合し、整理することはコスト削減につながります。同じような役割のサイトやオウンドメディア、ブログ、SNSアカウントなどはないでしょうか？統合された運用体制により、人件費やホスティング料などが節約できます。

利用サービスの見直し

サーバーやCMSをはじめ、利用サービスの複数契約など、無駄な支出はないでしょうか？サイトの統廃合と合わせ、利用サービスの統合や契約の見直しにより、コスト削減につながります。
またセキュリティの確保、アップデートの管理などの効率化により、Webサイトの脆弱性などのリスクを低減させます。

コンテンツ運用の効率化

サイトの統廃合、利用サービスの見直しなどで、サイトの運用や更新も効率的に行えるようになります。
これは社内での必要人員や学習コストの削減、承認プロセスの効率化などにもつながります。
このほかにもアクセシビリティルールの適用による信頼性の向上や、ドメインルールの策定によるドメイン管理の効率化、セキュリティポリシーの策定などによるリスク低減なども合わせて行えると良いでしょう。

シナップが提供するWebガバナンス

シナップは、多くの企業のWebガバナンスに関わってきた豊富な経験を持っており、クライアントの成功に向けた戦略的なパートナーとしてお手伝いしています。
クライアントの経営戦略やWebサイトに求められるニーズを徹底的に理解し、クライアントの目指すべき方向性や各Webサイトの果たすべき役割と関連性を整理・調整します。

Webガバナンス取り組み事例

• Webガバナンスと各サイトリニューアルを通した継続的な取り組み（ジャパンホームシールド株式会社）
• Web戦略と包括的なデジタルマーケティング支援（株式会社オープンハウス）

ブランドイメージの一貫性の確保、複数のWebサイトの整理と統合、コンテンツ運用の効率化、マーケティングデータの統合、そしてユーザーエクスペリエンス（UX）の向上など、私たちは多くの側面でクライアントをサポートします。
具体的な課題でなくとも、なんとなくお持ちの問題意識でも構いません。お気軽にお問い合わせいただき、どのようにお手伝いできるかについてご相談いただければと思います。