Webサイトやアプリの評価や課題出しに【ヒューリスティック分析が学べる書籍8選】
こんにちは、シナップ村田です。
本日はヒューリスティック分析が学べる書籍をご紹介します。
Webサイトやアプリケーションのユーザビリティ(使いやすさ)を評価する手法である「ヒューリスティック分析」。リニューアルを見据えた課題の発見や、改善に向けた取り組みの第一歩としてシナップにも多くのお問い合わせをいただきます。
通常は日頃からUI・UXに取り組む専門家が実施する手法ではありますが、本日は調査の観点として役立つ内容を解説している書籍をご紹介しますので、自分たちでもチェックしてみよう!と考えられている方、ほかにもUIについて学びたい方にご参考になれば幸いです。
それでは早速書籍の紹介です。
※書籍の紹介ははディレクター平木場、デザイナー小茅にも協力してもらっています。
調査の観点が学べる書籍(5冊)
まずはヒューリスティック分析を行う際のチェックポイントとして参考にできる書籍の紹介です。事前に読んだり照らし合わしながら分析対象を見るなど、役立てやすい内容です。
デジタルプロダクト開発のための ユーザビリティテスト実践ガイドブック
大本 あかね (著), 菊池 聡 (監修), UX DAYS TOKYO (監修)
タイトルがユーザビリティテストということで、ユーザーに操作性を検証してもらうテストの内容をメインに紹介されていますが、ヒューリスティック分析やユーザーテストとの違いなど、目的や方法別に評価手法を様々紹介されており、Webサイトやサービス・アプリケーションの評価を行う方法を体系的に学ぶことができます。ヒューリスティック分析に限らず、どの手法が適切か考えられるようになると思います。
また、評価のポイントや機能の設計例も多く紹介されており、チェックに生かすこともできます。(村田)
UXデザインの法則 ―最高のプロダクトとサービスを支える心理学
Jon Yablonski (著), 相島 雅樹 (翻訳), 磯谷 拓也 (翻訳), 反中 望 (翻訳), 松村 草也 (翻訳)
ユーザーの使いやすさやポジティブな気持ちを作るために、今まで提唱されてきた様々な法則の紹介と、法則を使った具体的なUIの例が紹介されています。
この本で紹介されている原則やポイントと、調査対象のWebサイトやアプリケーションを照らし合わせるだけでも、十分に課題を見つけることができると思います。(村田)
UXデザイン100の原則
アイリーン・ペレイラ (著), 長谷川敦士 (監修), 高崎拓哉 (翻訳)
デジタルプロダクトを作る上でよりよくするためのヒントが100個も紹介されています。1つずつ見開きで説明されていて読みやすいです。「入力フォームの項目はできるだけ減らす」などの具体的なものから、「ユーザージャーニーを想像する」といった抽象的なものまで、読んですぐにチェック項目として使える原則、概念を理解することでチェックに活かせる原則など、様々な粒度のものが紹介されています。(村田)
インタフェースデザインの心理学 第2版 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
Susan Weinschenk (著), 武舎 広幸 (翻訳), 武舎 るみ (翻訳), 阿部 和也 (翻訳)
この本は研究成果と筆者の長年の経験を元に「人」がもつ本能や特性が100項目紹介されており、時には読者にもその特性を体感させながら解説しています。例えば本書の「40.注意力は選択的に働く」では、細い文字と太い文字が入り混じった文章があっても、太い文字だけを読むことは意外に容易であることを体感できます。
「ユーザーが何を感じ、どう反応するか」を深く理解できる一冊なので、この本で紹介されている項目を調査対象のアプリケーション等に照らし合わせることで、課題を発見することができると思います。(平木場)
縁の下のUIデザイン──小さな工夫で大きな効果をもたらす実践TIPS&テクニック
池田 拓司 (著)
特定の機能やUIに対して、使いやすさや気の利いた設計にするためのアイディアと実例がとてもたくさん掲載されています。
他にも、コンテンツやメニューが多く(長く)なってしまう場合の対処法など、画面設計の考え方も紹介されています。
課題を出すという観点より、解決案のアイディアの一つとして参考にできる書籍です。(村田)
理論を理解してチェックができるようになる書籍(2冊)
続いて理論の解説が多めの書籍です。1対1のチェックのようには使えませんが、内容を理解した上で評価にあたれば、新たな視点で課題が見つけられるはずです。
ノンデザイナーでもわかるUX+理論で作るWebデザイン
川合 俊輔 (著), 大本 あかね (著), 菊池 崇 (監修)
「UX」と「理論」の2つの側面からWebサイト制作に必要な考え方や法則をまとめています。すでにあるサイトやデザインをどのように改善すべきかが書かれているため実践的で、実サイトにあてはめて評価することができます。また、作成したペルソナやカスタマージャーニーマップにズレがないかの確認方法も掲載があります。
ナビゲーションやレイアウト、UIパターンについても具体的なデザインポイントと避けるべきポイントが解説されており、UXの観点でデザインを評価し、なぜそのデザインが良いのか悪いのかを理解する助けとなります。(小茅)
オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理
ソシオメディア株式会社 (著), 上野 学 (著, 監修), 藤井 幸多 (著)
オブジェクト指向ユーザーインターフェース(OOUI)とは「オブジェクト(もの、名詞)を起点としてUIを設計」することです。動詞を起点としたタスク指向のデザインと比較すると目的までの画面数(操作数)が少ない、直感的に操作ができるため、ユーザーにとって「使い方が分かりにくい」という課題を解決します。
OOUIは、アプリなど目的までにいくつかの操作が必要な時の改善に有効です。本書では基礎から応用まで18のワークが用意されているため試行錯誤しながらOOUIのデザイン・設計を習得できます。(小茅)
課題の分類に参考にできる書籍(1冊)
最後は出した課題の分類に参考にできる書籍です。多くの課題が出た場合は、課題を俯瞰して見やすくなるような整理や改善の優先度などを考えるために参考になります。
The Elements of User Experience ~5段階モデルで考えるUXデザイン
Jesse James Garrett (著), ジェシー・ジェームズ・ギャレット (著), ソシオメディア株式会社 (翻訳), 上野 学 (翻訳), 篠原 稔和 (翻訳)
UXの5段階モデルは元々有名な考え方ですが、解説が改訂された書籍です。
課題が多く出た場合は、すぐに修正できる具体的なものから、サービスデザインの考え方から見直した方が良い抽象度の高い課題まで整理をして、優先度を決めた上で進めていくことが多いです。課題の分類をする方法としてこちらのUXの5段階モデルを使うことをオススメします。(村田)
いかがでしたでしょうか。皆様の参考になりましたら幸いです。
また、シナップでは、ヒューリスティック分析の実施〜改善案のご提案までサービスをご提供しています。リニューアルを見据えたUXリサーチや体験設計まで広げた実施も可能です。
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